知って安心!旦那寺とは?
葬儀を教えて、
先生、「旦那寺」ってどういう意味ですか? お葬式のときに耳にすることがあるのですが。
葬儀スタッフ
良い質問ですね。「旦那寺」は、大きく分けて二つの意味で使われます。一つは、その家の墓地があるお寺、つまり菩提寺のことを指す場合です。もう一つは、葬儀や法要をお願いするお寺のことを指す場合ですね。
葬儀を教えて、
どちらの場合も、何か関係があるんですか?
葬儀スタッフ
実は、「旦那寺」の「旦那」は、もともとサンスクリット語で「布施」を意味する言葉なんです。つまり、布施をするお寺という意味で、どちらの場合も、お寺にお布施をして、お世話になっているという関係があるんですよ。
旦那寺とは。
「旦那寺」とは、葬儀に関する言葉で、家の墓所があり、先祖代々のお墓を守り、供養してくれる菩提寺のことを指します。また、葬儀や法要をお願いする寺院も「旦那寺」と呼ぶことがあります。この「旦那」という言葉は、もともとサンスクリット語で「布施」を意味しており、お布施をする対象の寺院を「旦那寺」と呼ぶようになったと言われています。
旦那寺の語源と意味
「旦那寺」。普段あまり耳にすることのない言葉ですが、お寺と私たちの関係性を表す、古くからの大切な言葉です。
「旦那」という言葉は、元々は「だんなさま」という意味ではなく、「家の主人」や「保護者」といった意味を持っていました。そこから転じて、経済的に寺院を支え、保護する人たちを指すようになりました。
寺院は、人々からの寄付や、お布施によって成り立っています。特に、檀家制度が確立する以前は、有力者や豪族などからの経済的な支援は、寺院の存続に不可欠でした。
「旦那寺」とは、そうした人々によって経済的に支えられ、守られてきたお寺のことを指します。
菩提寺と旦那寺の違い
菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことを指します。つまり、家単位で長くお付き合いしていくお寺のことです。一方、旦那寺は、自分や家族の生きている間に葬儀や法要をお願いするお寺のことを言います。
菩提寺がない、もしくは菩提寺が遠方ですぐに頼りにくい場合や、菩提寺とは別に自分たちの考え方に合ったお寺と新たに関係を築きたい場合などに、旦那寺を持つ人が増えています。
現代における旦那寺との付き合い方
現代社会において、お寺との付き合い方が変化していることは否めません。昔のように、近所付き合いの一環としてお寺との関係が密接だった時代は過ぎ、核家族化や都市化が進んだ現代では、お寺との距離感が掴みにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、だからといって旦那寺との付き合いが全く必要なくなったわけではありません。むしろ、ライフスタイルの変化に伴い、葬儀や法事など、必要な時にだけお寺に頼るという方が増えています。
重要な点は、現代における旦那寺との付き合い方は、従来の形式に囚われる必要はなく、それぞれの家族の状況や考え方に合わせて柔軟に対応できるということです。日頃からお寺との繋がりを大切にしたいと考える方は、お盆やお彼岸の時期に墓参りをするだけでなく、法座に参加したり、ボランティア活動に協力したりするのも良いでしょう。
一方で、忙しくてなかなかお寺に足を運ぶ時間がないという方は、お布施やお賽銭を通して、間接的にでもお寺を支えるという方法もあります。また、近年では、オンラインで法要や相談を受け付けているお寺も増えていますので、そうしたサービスを利用するのも良いでしょう。
大切なのは、形式にとらわれず、自分たちに合った方法で、無理なくお寺と関わっていくことです。旦那寺との良好な関係を築くことが、ひいては、自分たちの心の平安に繋がっていくのではないでしょうか。
旦那寺がない、見つからない場合は?
菩提寺がない、もしくは遠方にあって通うのが難しいなど、さまざまな理由で旦那寺を探される方がいらっしゃいます。しかし、檀家制度の縛りが強い場合は、新しく檀家になることを断られるケースもあります。
その場合は、無理に旦那寺を探すのではなく、菩提寺と相談するか、宗教法人法に基づいて設立された寺院である「単立寺院」の中から、希望に合う寺院を探してみてはいかがでしょうか。単立寺院は、檀家制度に縛られず、比較的自由に所属寺院を選べる場合が多いです。
いずれにしても、まずは菩提寺に相談し、その後で自分に合った寺院を見つけることが大切です。
いざという時に慌てないために
「旦那寺」って耳にしたことはありますか? お寺とのお付き合いというと、葬儀や法事など、少し暗いイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、旦那寺は、私たちが安心して日々を過ごすためにも、とても大切な役割を担ってくれる存在なのです。
いざという時、つまり、家族に不幸があった時、慌てずに済むよう、日頃からお付き合いのあるお寺、つまり旦那寺を持っておくことは、ご先祖様を大切に思う気持ちを表すだけでなく、心の支えにも繋がるでしょう。