知っておきたい葬儀の基礎知識：安置と安置室

知っておきたい葬儀の基礎知識：安置と安置室

人が亡くなってから火葬まで：なぜ安置が必要なのか？

人が亡くなると、火葬を行うまでの間、故人を安置することになります。これは、単に故人を安らかな場所に置くという意味合いだけでなく、法律や宗教、そして遺族の心情など、さまざまな理由に基づいています。

まず、法律上、死亡届が受理されて埋葬許可証が交付されるまでは、火葬を行うことができません。この手続きには通常数日かかるため、その間、故人の遺体を適切に保全する必要があります。また、宗教的な観点からも、安置期間を設けることで、故人の霊を慰め、冥福を祈るという意味合いがあります。

さらに、遺族にとっても、安置期間は大切な時間です。突然の別れを受け入れ、心構えをするための時間、そして故人とゆっくりとお別れをするための時間が必要となるからです。

このように、安置には大切な意味合いがあり、故人を送るための大切なプロセスと言えます。

安置とは？ その目的と法律

人が亡くなると、火葬や埋葬を行うまでの間、故人の遺体を適切な場所に安置する必要があります。これが「安置」と呼ばれるもので、葬儀の大切な第一歩となります。

安置の目的は大きく分けて二つあります。一つ目は、故人を生きた証として敬い、静かに冥福を祈るための時間と場所を確保することです。もう一つは、腐敗などの変化から遺体を保護し、衛生的な環境を保つことです。

法律上、死亡を確認した場合、24時間は火葬を行うことができません（墓地、埋葬等に関する法律第3条）。これは、安置の時間を確保することで、故人の尊厳を守り、遺族が落ち着いて葬儀の準備を進められるようにするためです。

安置室の役割：故人を偲ぶための大切な空間

病院で息を引き取ったり、自宅で亡くなられたりした場合、ご遺体は葬儀までの間、安置室と呼ばれる場所で保管されます。この安置室は、ただ遺体を安置しておく場所ではなく、故人との最後のお別れまでの時間を過ごすための、ご遺族にとって大切な空間となります。

安置室には、故人が生前愛用していた品や、思い出の写真などを飾ることができます。
ご遺族や親しい方々が集い、故人を偲びながら、ゆっくりとお別れをする時間を持つことができる場所なのです。

安置室の種類と設備：自宅と葬儀場

近年は病院で亡くなる方が多く、その後、自宅または葬儀場の安置室に故人様を搬送するのが一般的です。ここでは、安置室の種類と設備について、自宅と葬儀場に分けて詳しく解説していきます。

自宅に安置する場合、故人様を安置する部屋を一つ用意します。和室があれば最適ですが、洋室でも問題ありません。布団やベッドの上に安置し、枕元には小さな机などを置いて、故人様のために用意した水や線香、故人様が好きだったものなどを置きます。冷暖房設備は必須ではありませんが、夏はドライアイス、冬はストーブなどを用意して、室温管理に気を配るようにしましょう。また、最近では自宅に安置するための専用の布団や枕のレンタルサービスを提供している葬儀社もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

葬儀場に安置する場合、専用の安置室が用意されています。葬儀場によって設備や広さは異なりますが、近年は故人様と家族がゆっくりと過ごせるよう、ホテルのような個室タイプの安置室も増えています。また、ほとんどの葬儀場では、24時間いつでも故人様と対面できるようになっていますが、面会時間や利用に関するルールは葬儀社によって異なるため、事前に確認が必要です。

安置室での過ごし方：故人との最後の時間

病院で亡くなった後、または自宅で亡くなった場合、故人様は葬儀までの間「安置室」と呼ばれる場所で安置されます。 この期間は、ご遺族にとって、故人様との最後の時間を過ごす大切な時間となります。

安置室は、故人様を静かに偲び、お別れを惜むための場所です。ご遺族は、故人様とゆっくり語りかけたり、思い出の品を側に置いたり、共に過ごした日々を振り返ったりすることができます。

最近では、従来の安置室とは別に、ホテルのような内装で、より自宅に近い雰囲気で過ごせる安置室も増えています。このような施設では、故人様の生前の写真や愛用品を飾ったり、好きな音楽を流したりと、よりパーソナルな空間で最後の時間を過ごすことができます。

安置室での過ごし方は自由です。大切なのは、ご遺族が心穏やかに、故人様と向き合う時間を持つことです。葬儀社に希望を伝えて、納得のいく環境を整えてもらいましょう。