知っておきたい葬儀用語:以芳忌とは?
葬儀を教えて、
先生、「以芳忌(いほうき)」って、どういう意味ですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね。「以芳忌」は、故人を偲ぶ忌日を表す言葉で、特に亡くなってから27日目にあたります。仏教では、四十九日の忌日のことを重要な節目として、それぞれ特別な呼び名があるんですよ。
葬儀を教えて、
そうなんですね。27日目以外にも、特別な呼び名があるんですか?
葬儀スタッフ
ええ、例えば7日目なら「初七日」、35日目なら「五七日」といったように、七日ごとに法要が行われ、それぞれに呼び名があります。中でも、四十九日の最後の忌日である「七七日(なななぬか)」は特に重要とされています。
以芳忌とは。
葬儀の際に用いられる「以芳忌」とは、故人が亡くなってから14日目にあたる二七日のことを指します。
以芳忌とは? – 二十七回忌の意味
「以芳忌(いほうき)」とは、故人の没後27年目に営む年忌法要のことです。
仏教では、故人が亡くなってから四十九日、一周忌、三回忌と年忌法要を行い、その後も七回忌、十三回忌、十七回忌と続きます。
そして二十三回忌の次は、三十三回忌ではなく、二十七回忌である「以芳忌」が営まれるのです。
なぜ二十七回忌を「以芳忌」と特別に呼ぶのでしょうか?
これは、二十七という数字が、仏教において重要な意味を持つからです。
仏教の経典である『法華経』には二十八品という章があり、二十七品までは修行の段階、最後の二十八品で悟りの境地に至るとされています。
つまり二十七回忌である以芳忌は、故人が迷いの世界から完全に解脱し、悟りの境地に至ることを意味する重要な節目として、古くから大切にされてきたのです。
以芳忌の由来と歴史
「以芳忌」は、故人の香りの象徴である「芳」の字を用い、その香りを偲び、懐かしむ意味が込められた法要です。 この言葉の起源は明確ではありませんが、仏教用語ではなく、日本の文化や習慣の中で自然発生的に生まれた言葉と考えられています。
古来より日本では、香りは故人の存在や思い出と結びつけられてきました。例えば、遺された衣服や持ち物から漂う香りは、故人を身近に感じさせるものとして大切にされてきました。また、仏教においても、香は重要な役割を担っており、線香や焼香は、故人を偲び、供養する意味を持つとされています。
このような背景から、「以芳忌」は、故人の香りを象徴的に用いることで、その思い出をより深く、そして温かく偲ぶための表現として、広まっていったと考えられています。
以芳忌の儀式内容と香典
以芳忌の儀式に決まった形式はありません。一般的には、故人の命日に行う法要の中で、僧侶による読経、焼香、墓参などが行われます。 また、法要後には、親族や親しかった人たちで食事会を開き、故人を偲ぶことが多いでしょう。
香典を持参する場合、表書きは「御仏前」「御香典」などが一般的です。金額は、故人との関係性や、自身の年齢や立場を考慮して決めるようにしましょう。目安としては、親族であれば3万円から10万円、友人や会社関係であれば5千円から1万円程度が相場です。
ただし、地域や宗派、それぞれの家の習慣によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
現代における以芳忌の行い方
以芳忌は、故人の死後、一年目以降の命日を指す言葉です。一般的に、一周忌以降は、年数が経つごとに、法要の規模や参列者が縮小される傾向にあります。現代では、故人の命日近くに、親族だけで集まり、自宅やレストランで食事をしながら故人を偲んだり、お墓参りをしたりすることが多くなっています。
以芳忌の具体的な行い方は、地域や家庭の習慣、宗教・宗派によって異なります。そのため、事前に親族間で相談し、どのような形で行うかを決定しておくことが大切です。また、近年では、従来の形にとらわれず、故人が好きだった場所を訪れたり、思い出の品を整理したりするなど、それぞれの想いに寄り添った方法で故人を偲ぶケースも増えています。
まとめ:以芳忌を通して故人を偲ぶ
「以芳忌」は、故人の功績や徳を偲び、その名を長く後世に残すために行われる法要です。もともとは、高僧や社会的功績を残した人のみが対象とされていましたが、近年では一般の方にも広がりを見せています。
命日から起算して50年目という節目に、遺族や親族、故人と縁の深かった人々が集まり、故人を偲びます。法要の形式や規模は、地域や宗派、遺族の意向によって異なりますが、僧侶を招いて読経をあげ、墓前に花や供物を捧げ、参列者で食事を共にすることが多いでしょう。
以芳忌は、故人の生きた証を振り返り、その存在の大きさを再認識する大切な機会です。また、参列者同士の絆を深め、故人を語り継いでいくための貴重な時間となるでしょう。
故人の功績や人柄を称え、その生き様を後世に伝えていくことで、以芳忌は、故人のみならず、私たち自身の心を豊かにしてくれるのではないでしょうか。