知っておきたい葬儀の基礎知識:拾骨とは

葬儀に関すること

知っておきたい葬儀の基礎知識:拾骨とは

葬儀を教えて、

先生、「拾骨」ってどんな儀式ですか? 箸を使うって聞いたんですけど、食事と同じ箸を使うんですか?

葬儀スタッフ

良い質問だね。「拾骨」は火葬後の遺骨を骨壺に納める際に、故人の骨を拾い上げる儀式のことだよ。食事に使う箸とは別の、竹と木でできた一対ではない特別な箸を使うんだ。

葬儀を教えて、

そうなんですね!じゃあ、食事で箸を互い違いに持ったり、箸と箸で食べ物を渡したりするのはダメなんですか?

葬儀スタッフ

その通り!拾骨を連想させる行為は、食事の場ではタブーとされているんだ。箸の使い方一つにも、故人を偲ぶ気持ちが込められているんだよ。

拾骨とは。

「拾骨」とは、葬儀の際に遺骨を骨壺に納める儀式のことで、この時使用する箸は、別々の素材で作られた一対ではない、いわゆる「違い箸」を用います。そのため、食事の際に違い箸を使ったり、箸と箸で食べ物を渡したりする行為は、拾骨を連想させるため、マナー違反とされています。

拾骨の意味と由来

拾骨の意味と由来

拾骨とは、火葬後の遺骨を骨壷に収める儀式のことです。古くは「骨上げ」とも呼ばれ、故人との最後のお別れとして大切な意味を持つ儀式です。

拾骨の起源は、仏教が伝来した飛鳥時代よりも遥か昔、縄文時代にまで遡るとされています。当時の人々は土葬をしており、一定期間を経た後に埋葬した場所から骨を掘り起こし、別の場所に埋葬し直す「改葬」という風習がありました。この改葬の際に行われていた儀式が、現在の拾骨の原型と考えられています。

その後、仏教の影響を受けながら、火葬が一般に広まりを見せる中で、拾骨は「故人の霊を慰め、浄土へと送り出す」という意味合いを持つようになりました。そして、現代においても、大切な人を亡くした遺族が、故人を偲び、冥福を祈るための儀式として、大切に受け継がれています。

拾骨の作法と手順

拾骨の作法と手順

火葬が終わり、炉の火が消えてから行うのが拾骨です。この一連の動作を通じて、故人の魂を骨に移すという意味が込められています。

まず、火葬場の方が骨上げ用の箸を2膳用意してくれますので、参列者は二人一組になって箸を持ちます。これは、「あの世では一人で箸を持たなくて済むように」、あるいは「橋渡しをするように」という意味が込められています。

骨を拾う順番は、地域や宗派によって異なりますが、足元の方から順に、最後は頭蓋骨に向かって拾っていくのが一般的です。そして、骨壺に納める際は、故人がこの世に戻ってこられないように、逆さまにして納めます。

拾骨は、故人との最後の別れを告げる大切な儀式です。作法や手順を事前に理解しておきましょう。

拾骨に使われる箸について

拾骨に使われる箸について

拾骨には、故人様をあの世へと送り出すための特別な箸が用いられます。二つの箸を合わせて使うこともありますが、地域によっては一本の箸を二人がそれぞれ持って使う場合もあります。この箸は「竹箸」と呼ばれることが一般的です。これは、竹が成長が早く、真っ直ぐに伸びることから、故人様の魂の天国への旅路を象徴するものとされているからです。また、火葬後には灰と一緒に燃やしてしまうことが多いですが、これは現世との縁を断ち切り、故人様があの世で無事に過ごせるようにという願いが込められています。このように、拾骨に用いる箸一つとっても、深い意味や故人様への想いが込められているのです。

拾骨にまつわるマナーと注意点

拾骨にまつわるマナーと注意点

火葬後のご遺骨を骨壺に納める儀式、拾骨。
ここでは、拾骨にまつわるマナーと注意点を分かりやすく解説します。

服装は、喪服であることが望ましいですが、平服でも構いません。
ただし、派手な服装は避け、黒や紺、グレーなど落ち着いた色の服装を選びましょう。

故人の骨を素手で触れることは、地域や宗教によってはマナー違反とされる場合があります。
箸を使用する際は、「橋渡し」という意味合いから、2人で1膳の箸を使うのが一般的です。

拾骨は、故人との最後の別れを惜しむ大切な儀式です。
故人を偲び、感謝の気持ちを持って儀式に臨みましょう。

現代における拾骨の意義

現代における拾骨の意義

火葬された後の遺骨を骨壺に納める儀式、拾骨。かつては火葬場において遺族が行うことが一般的でしたが、近年では葬儀社が代行する場合も少なくありません。では、現代においても遺族が自ら拾骨を行う意義とは何なのでしょうか?

まず挙げられるのは、故人との最後の別れをより実感できる点です。燃え残った骨を一つ一つ拾い上げることで、火葬という過程を経てもなお、確かにそこに存在していた故人の生きた証を感じ取ることができます。それは、単に葬儀社に任せて骨壺を受け取るよりも、より深く、温かい思い出とともに故人を偲ぶことに繋がるでしょう。

また、遺族間の絆を深めるという意味合いも持ちます。共に骨を拾い、故人を囲んで語り合うことで、悲しみを分かち合い、互いを支え合う気持ちが芽生えます。特に、近年増加傾向にある家族葬や直葬では、参列者が限られる分、遺族にとって拾骨が重要な心の拠り所となる可能性も考えられます。

もちろん、精神的な負担や時間的制約などから、拾骨を躊躇するケースもあるでしょう。その場合は無理に拾骨を行う必要はありません。大切なのは、故人との最期の時間をどのように過ごしたいか、遺族が納得のいく形を選択することです。拾骨という行為を通して、改めて故人への想いを馳せ、残された者の心が癒されていくことを願ってやみません。

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