知っておきたい葬儀の基礎知識｜枕飾りの意味と作法

知っておきたい葬儀の基礎知識｜枕飾りの意味と作法

枕直しとは何か？

枕直しとは、故人が亡くなってから葬儀までの間に行う、故人を偲び、冥福を祈るための一連の儀式のことです。枕飾りを設けたり、末期の水を供えたりする行為も枕直しに含まれます。

枕直しは、地域や宗派によってその内容や呼び方が異なることがあります。例えば、関東地方では「枕飾り」、関西地方では「 bedside manner 」と呼ばれることもあります。また、仏教では「臨終勤行」、神道では「遷霊祭」といった宗教儀式が枕直しの後に行われます。

近年では、核家族化や都市部への人口集中が進み、葬儀の簡素化が進んでいます。そのため、枕直しの作法も簡略化される傾向にありますが、故人を敬う気持ちは昔も今も変わりません。枕直しの意味や作法を理解し、心を込めて故人を見送りたいものです。

枕直しの意味と由来

「枕直し」とは、亡くなった方が安らかに眠れるように、また迷わずあの世へ旅立てるようにという願いを込めて、枕元に供え物をしたり、逆さ膳を置いたりする古くからの風習です。

枕直しの由来は諸説ありますが、一説には、人が亡くなるということは、「あの世への旅立ち」と考えられており、故人が眠る枕元をあの世とこの世の境目と見立て、その旅支度をするという意味があるとされています。

また、枕元に置く逆さ膳には、死者の霊が膳に乗って成仏する、または生者の食べ物を死者へ届けるという意味が込められていると言われています。

現代では、葬儀の簡略化が進み、枕直しの風習も地域や宗教によって簡略化されていたり、行われなくなっていたりする場合もありますが、古くから大切に受け継がれてきた想いを理解しておくことは大切です。

枕直しの具体的な手順

枕飾りは、故人様の安らかな眠りを願い、仏教に基づいた方法で、自宅や安置所で施す大切な儀式です。ここでは宗派を問わず、一般的な枕直しの手順をご紹介します。

1. -机の準備- まず、北枕に布団もしくはベッドを置き、その頭側に机を置きます。机の上に白い布を敷き、その上に香炉、線香立て、ローソク立て、仏飯器、湯呑を置きます。
2. -お供え物の準備- 仏飯器には故人様が生前好まれたご飯を山盛りにし、折箸を添えます。湯呑には水を満たし、花瓶に樒や菊などの白または黄色の花を生けます。
3. -枕団子と一膳飯- 枕団子を三宝または皿に盛り、枕元に置きます。また、一膳飯と箸、故人様が愛用されていた湯呑にお茶を八分目ほど注ぎ、机にお供えします。
4. -線香とローソク- 線香に火をつけ、香炉に立てます。次に、ローソクにも火をつけ、故人様を導くための明かりとします。

ご遺族の方々が心を込めて枕飾りを施すことで、故人様は安らかに眠りにつくことができるとされています。手順や作法などは地域や家庭の習慣によって異なる場合もありますので、葬儀社に相談するのも良いでしょう。

地域や宗教による違い

枕飾りの作法は、地域や宗教によって異なる場合があります。例えば、宗派によっては枕飯の盛り方や置く位置、線香の数が異なったり、枕飾りに使ってはいけないものがあったりします。地域によっては、独自の風習が残っていることもあります。そのため、故人の出身地や信仰していた宗教のしきたりを事前に確認しておくことが大切です。わからないことがあれば、葬儀社に相談してみましょう。近年では、核家族化や都市部への人口集中が進み、それぞれの地域の慣習に精通した人が身近にいないケースも増えています。しかし、伝統や宗教を重んじる気持ちは大切です。わからないことや不安なことがあれば、遠慮なく周囲に相談し、故人を見送るための準備を進めていきましょう。

現代における枕直しの変化

かつては自宅に祭壇を設けて葬儀を行うのが一般的でしたが、近年では葬儀場や斎場を利用するケースが増えています。それに伴い、枕飾りの形式や作法も簡素化されてきています。例えば、従来は故人の枕元に白い布を敷き、その上に水やご飯などを供えるのが一般的でした。しかし、最近ではこれらの儀式を省略したり、簡略化された枕飾りセットを使用したりするケースも見られます。また、葬儀場によっては、衛生面や安全性の観点から、飲食物の持ち込みを制限している場合もあるため、事前に確認が必要です。