五輪塔入門: 意味と卒塔婆との関係

お墓に関すること

五輪塔入門: 意味と卒塔婆との関係

葬儀を教えて、

先生、「五輪塔」って、あの五つの層になっているお墓のことですよね?でも、「卒塔婆」は木でできていて形も全然違うのに、なんで同じ意味合いなんですか?

葬儀スタッフ

いい質問ですね!確かに形は違いますね。でも、卒塔婆も元々は五輪塔と同じように、五大思想に基づいて作られているんですよ。

葬儀を教えて、

五大思想?

葬儀スタッフ

はい。万物は「空・風・火・水・地」の五つの要素から成り立つという考え方です。五輪塔は、この五つの要素を形にしたものなんです。卒塔婆も、それぞれの部分が五輪塔と同じように空・風・火・水・地を表していて、その区切りがくびれとなって現れているんですよ。

五輪塔とは。

お葬式で使われる「五輪塔」という言葉。一見すると全く違うものに見える「卒塔婆(主に墓の後ろなどに置かれる木製の供養塔)」も、もともとは五輪塔と同じ意味を持っています。そのため、卒塔婆も上から順に空・風・火・水・地を表しており、それぞれの要素を区切るように、くびれが作られています。

五輪塔とは?

五輪塔とは?

五輪塔とは、主に墓地で目にする、五つの石を積み重ねた塔のことです。上から順に、空・風・火・水・地の五つの要素を表しています。それぞれ異なる形をしているのが特徴で、宇宙の構成要素を表現していると考えられています

五輪塔は、インド発祥の仏教思想である「五大思想」に基づいています。これは、この世の全ては地・水・火・風・空の五つの要素から成り立っているという考え方です。五輪塔の形は、この五大思想を具現化したものであり、亡くなった方の遺骨を五輪塔に納めることで、遺骨は自然に還り、再び宇宙の一部になるという思想が込められています。

五輪塔の構成要素とその意味

五輪塔の構成要素とその意味

五輪塔は、上から「空風火水地」の五つの要素を象徴する五つの部分で構成されています。それぞれに形が異なり、仏教の教えと密接に関係しています。

まず、一番上の宝珠形の「空輪」は、精神の自由や悟りの境地を表します。次に、半月形の「風輪」は、風の持つ変化自在な性質を表現し、私たちの魂が輪廻転生を繰り返す様を象徴しています。三角形の「火輪」は、情熱やエネルギーを意味し、煩悩を焼き尽くす力を持っているとされています。円形の「水輪」は、水の持つ穏やかさや清らかさを表し、あらゆるものを包み込む慈悲の心を象徴しています。そして、一番下の四角い「地輪」は、大地の安定と堅固さを意味し、私たちが生きていく上での基盤を表しています。

このように、五輪塔は単なる石塔ではなく、仏教の深遠な宇宙観と生命観を体現した、重要な宗教的建造物なのです。

五輪塔と仏教の関係

五輪塔と仏教の関係

五輪塔は、古代インドの世界観と、仏教の教えが融合したものであり、仏教と深い関係があります。五輪塔の形は、仏教で宇宙の構成要素とされる「地・水・火・風・空」の五要素を表現しています。

それぞれの形は、方形の地輪は大地、円形の水輪は水、三角形の火輪は火、半円形の風輪は風、宝珠形の空輪は空を表し、これらが積み重なることで、宇宙のすべてを内包する象徴となります。

また、五輪塔は、故人の遺骨を納めるための供養塔としても用いられます。これは、仏教の教えに基づき、故人が五つの要素からなる肉体から解放され、宇宙に還るという考え方に基づいています。

このように、五輪塔は、その形一つ一つに深い意味が込められており、仏教の世界観を体現する存在と言えるでしょう。

卒塔婆との意外な共通点

卒塔婆との意外な共通点

五輪塔というと、お墓をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、その形はよく見ると、お寺の境内などで見かける卒塔婆と似ている点があることにお気づきでしょうか。 実は、五輪塔と卒塔婆は、どちらも故人の供養を目的としたものであり、深い関係があるのです。 この章では、五輪塔と卒塔婆の共通点から、その歴史や背景について紐解いていきましょう。

現代における五輪塔

現代における五輪塔

現代においても、五輪塔は墓地などで見かけることができます。しかし、新しく建立されるお墓の形は多様化しており、五輪塔は以前ほど多くはありません。

それでも、五輪塔が持つ荘厳な雰囲気や、その形に込められた深い意味への理解は、現代においても受け継がれています。また、歴史的な建造物として、あるいは美術工芸品としての価値も高く評価されています。

近年では、従来の石材だけでなく、金属やガラスなど、新しい素材を用いた五輪塔も登場しています。これは、現代の aesthetic sense に合わせた変化と言えるでしょう。

このように、五輪塔は時代と共にその姿を少しずつ変えながらも、私たちの先祖代々の魂を供養するシンボルとして、これからも大切に受け継がれていくでしょう。

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