意外と知らない?葬儀の落雁の意味と由来
葬儀を教えて、
先生、「落雁」って仏壇にお供えするお菓子のことですよね? どうしてお菓子をお供えするんですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね。落雁をお供えするのは、故人への供養の意味があるんだよ。では、なぜ落雁のような乾いたお菓子をお供えするのかわかるかな?
葬儀を教えて、
うーん、日持ちするからですか?
葬儀スタッフ
その通り!昔は今のように食べ物が豊富ではありませんでした。落雁は日持ちがして、長く置いておけることから、仏様の世界でもずっと保存がきくようにという願いが込められているんだよ。
落雁とは。
葬儀に関する用語の一つに「落雁」があります。落雁とは、お盆などの際に、お仏壇やお墓にお供えする和菓子のことです。
落雁とはどんなお菓子?
落雁と聞いて、すぐにどんなお菓子か思い浮かびますか? 落雁は、主に砂糖と米粉などを混ぜて型に押し固めて作る、日本古来の伝統的な干菓子です。 口に入れるとほろりと崩れる、繊細な口当たりが特徴です。
お茶席などで楽しまれることが多く、 その上品な甘さと見た目の美しさから、古くから日本人に愛されてきました。しかし、現代では日常生活であまり目にする機会も減り、馴染みの薄い方も多いかもしれませんね。
葬儀に落雁を供える理由
落雁は、その口どけの良さから「死者の魂を浄化する食べ物」と考えられてきました。葬儀のお供え物として古くから用いられてきたのは、故人があの世で無事に旅立てるようにという願いが込められているからです。また、落雁は日持ちがするため、葬儀に訪れた人が持ち帰りやすく、故人を偲ぶきっかけにもなります。このことから、落雁は葬儀において故人への想いを伝える大切な役割を担っていると言えるでしょう。
落雁の色の意味、地域差はある?
落雁の色には、実は特に決まった意味はありません。地域やお店によって、白、黄色、緑、ピンクなど、さまざまな色の落雁が販売されています。そのため、色の違いを気にする必要はありません。
ただし、地域によっては、色のついた落雁は慶事に使われるという考え方もあるようです。気になる場合は、事前に葬儀社やご親族に確認しておくとよいでしょう。
落雁の食べ方と注意点
落雁は、茶道のお菓子としても親しまれていますが、葬儀の場でいただく機会も多いお菓子です。砂糖と米粉で作られた、シンプルながらも繊細な味わいが特徴です。
お茶や水などと一緒に、そのまま口に運んで味わいましょう。口の中の水分で溶けていく、上品な甘みを楽しむことができます。 固いからといって、噛み砕くのは避けましょう。崩れやすく、粉が飛び散ってしまう可能性があります。また、音を立てて食べるのも控えるようにしましょう。
近年では、個包装になっている落雁も多く見られます。個包装の場合は、そのまま口に入れても問題ありません。 周りの方への配慮も忘れずに、故人を偲びながら静かにいただきましょう。
時代と共に変化する落雁の役割
かつて落雁は、葬儀の際に故人を偲び、冥福を祈るためのお供え物として、また、参列者への感謝の気持ちを表す引菓子として用いられてきました。その洗練された美しさ、そして口に入れると消えてなくなる儚さが、命の尊さや無常観を表現するのにふさわしいとされてきたのです。
しかし、近年では、葬儀の形も簡素化が進み、それに伴い落雁の役割も変化しつつあります。現代の葬儀においては、故人の好きだったお菓子を供えたり、より実用的な引出物を選ぶケースも増えています。それでも、落雁は伝統的なお菓子として、その上品な味わいと意味合いから、故人への想いを込めた贈り物として、今もなお多くの人に選ばれています。