葬儀で知る律宗:5m超えの大仏と鑑真の教え
葬儀を教えて、
先生、律宗ってどんな宗派ですか?
葬儀スタッフ
律宗は、お釈迦様の教えである「戒律」を重視する宗派です。鑑真というお坊様が中国から日本に伝えました。唐招提寺が有名ですね。
葬儀を教えて、
戒律ってなんですか?
葬儀スタッフ
戒律とは、お坊さんが守るべき決まりのことです。例えば、嘘をつかない、お酒を飲まないなどがあります。これらの戒律を守ることで、心を清らかに保ち、悟りを開くことを目指すのです。
律宗とは。
葬儀の際に耳にする「律宗」は、5メートルを超える巨大な盧舎那仏坐像をご本尊とする宗派です。この仏像は光背を含めるとさらに大きく、奈良の唐招提寺に安置されています。唐招提寺は国宝であり、一部は世界遺産にも登録されています。律宗は鑑真によって開かれ、「南無毘盧舎那仏」とお経を唱えます。
律宗とは?:唐招提寺と盧舎那仏
日本の仏教には様々な宗派が存在しますが、その中で「戒律」を重んじることで知られるのが律宗です。あまり聞き慣れない方もいるかもしれませんが、実は私たちに馴染み深い葬儀や戒名の文化は、この律宗と深い関わりを持っているのです。
律宗の総本山として知られるのが、奈良県にある唐招提寺。その広大な境内には、高さ5メートルを超える盧舎那仏坐像が鎮座し、訪れる人々を圧倒します。この盧舎那仏を建立したのが、中国から海を渡って戒律を伝えた高僧・鑑真です。今回は、鑑真の足跡を辿りながら、律宗の教えと、葬儀との関わりについて紐解いていきましょう。
鑑真と戒律:律宗の教えの基礎
奈良時代に唐から来日した鑑真は、日本の仏教界に大きな影響を与えました。その功績は、東大寺の大仏建立だけにとどまりません。鑑真は、仏教の戒律を重んじる律宗を日本に伝え、人々の精神的な支えとなるよう尽力しました。
戒律とは、仏教徒が守るべき行動規範です。日常生活における心構えから、修行の方法まで、幅広い内容が含まれています。鑑真は、戒律こそが仏の教えを実践するための道筋であると説き、人々にそれを守るように促しました。
鑑真の教えは、現代社会においても重要な意味を持ちます。目まぐるしく変化する時代の中で、戒律は私たちに心の平静と道徳的な指針を与えてくれるでしょう。そして、律宗の教えは、私たちがより良く生きるためのヒントを与えてくれるはずです。
葬儀における律宗の特徴
日本の仏教宗派のひとつである律宗は、奈良時代に中国から伝わりました。厳しい戒律で知られる宗派ですが、その教えは現代の葬儀にも色濃く受け継がれています。
律宗の葬儀の特徴は、故人が生前に犯した罪を懺悔し、極楽浄土への往生を願うことに重点を置いている点です。これは、律宗が重視する「戒律」と深く関係しています。戒律とは、仏教徒として守るべき規範のことであり、律宗ではこの戒律を遵守することで、煩悩に打ち勝ち、悟りの境地に至ることができると説いています。葬儀においては、故人が生前に犯した罪を懺悔し、戒律を改めて守ることを誓うことで、極楽浄土への往生を願うのです。
また、葬儀で読経される経典にも特徴があります。よく読経されるのは、「薬師経」や「阿弥陀経」です。これらの経典は、それぞれ病気平癒や極楽浄土への往生を願う内容であり、故人の冥福を祈るとともに、残された遺族の心の支えとなることを目的としています。
南無毘盧舎那仏:お経に込められた意味
葬儀や法要で耳にする「南無毘盧舎那仏」。これは、律宗の総本山である唐招提寺に鎮座する、高さ5メートルを超える盧舎那仏に帰依するという意味が込められています。毘盧舎那仏は、宇宙の真理そのものを表す仏様。その教えに触れることで、私たちは迷いから解放され、穏やかな心で故人を見送ることができると信じられています。
現代における律宗と葬儀
現代においても、律宗は厳格な戒律を重んじる宗派として知られています。そのため、葬儀においても独特の作法や考え方があります。たとえば、律宗では故人の生前の行いを重視し、戒名ではなく「法名」を用いることが一般的です。これは、戒律を守り、仏の教えに従って生きた証として、生前の行いをそのまま表すという考え方に基づいています。また、葬儀の形式も簡素なものとされており、読経や焼香といった基本的な儀礼を中心に行われます。これは、華美な装飾や儀式よりも、故人の冥福を祈ることに重きを置くという律宗の教えによるものです。