葬儀の「四華」とは?意味や由来、設置場所を解説
葬儀を教えて、
先生、「四華」ってなんですか? 葬儀のときに飾ってあった紙の花のことですか?
葬儀スタッフ
よく気がついたね。そうだよ。葬儀の際に仏壇や祭壇の周りに飾られる、紙でできた花のことだね。では、なぜ紙の花が使われるのか、少し考えてみようか。
葬儀を教えて、
うーん、昔は生花が手に入りにくかったから、という話を聞いたことがあります。
葬儀スタッフ
その通り! 生花は枯れてしまうけど、紙の花は永遠に美しい姿を保つことができる。これは、故人を偲び、その魂がずっと安らかであるようにという願いが込められているんだよ。
四華とは。
葬儀の際に使われる「四華(しか)」とは、紙などで作られた造花のことで、葬儀の場で飾られます。
葬儀で見かける「四華」とは?
葬儀に参列すると、祭壇や棺の周りに美しく飾られた花々に目を奪われることがあります。これらの花は故人への哀悼の気持ちを込めて供えられるものですが、中には特定の名で呼ばれるものもあるのです。その一つが「四華」です。
四華とは、葬儀の際に祭壇や棺の四方に飾られる、主に菊の花でつくられた大きな花飾りのことを指します。古くから日本で行われてきた葬儀の伝統的な装飾の一つであり、厳粛な雰囲気を漂わせる一方で、どこか故人を偲ばせるような美しさも持ち合わせています。
四華の由来と意味
四華の起源は、仏教がインドから中国へ伝来した際に遡ります。当時の中国では、穢れた場所を清めるために、邪気を払うとされる香を焚く習慣がありました。この香の代わりに、良い香りのする花を四方に供えるようになったことが、四華の始まりとされています。
四華は、仏教において重要な意味を持つ「六道」と深く結びついています。六道とは、私たちが死後に輪廻転生する6つの世界のことを指します。四華は、この六道の入り口を示すとされ、故人が迷わずに成仏できるようにとの願いが込められています。
四華の種類と作り方
四華に決まった種類はありません。 地域や宗派によって、また故人や遺族の希望によって、さまざまな種類の花が用いられます。 一般的によく使われる花には、菊、百合、カーネーション、トルコキキョウなどがあります。
四華は、花屋で購入することもできますが、故人を偲びながら遺族自身で手作りすることも可能です。 その場合は、まず花器に吸水性スポンジをセットし、四角形になるように花材を挿していきます。この際、花の高低差を付けたり、向きを調整したりすることで、より美しく仕上がります。
四華の設置場所
四華の設置場所は、宗派や地域によって異なります。
一般的な設置場所としては、祭壇の四隅が挙げられます。四隅に置くことで、四華が邪気を払い、故人の魂を清めるという意味が込められています。
また、棺の四隅に置く場合もあります。これは、故人を極楽浄土へと導くという意味合いがあるとされています。
いずれの場合も、故人を偲び、冥福を祈るという気持ちを持って四華を置くことが大切です。
現代における四華の変化と意味
現代では、従来の葬儀の形式にとらわれず、自由な形式で故人を見送る傾向が強くなっています。そのため、四華についても、必ずしも伝統的な意味合いや形式にこだわる必要はなくなりつつあります。例えば、花の種類や色、飾り方などは、故人の好きだったものや、遺族の想いを反映したものなど、自由に選ぶことができます。また、スペースの都合などから、四華の数を減らしたり、他の装飾と組み合わせたりする場合もあるでしょう。
しかし、四華が持つ「極楽浄土」や「故人を偲ぶ」という根本的な意味は、現代においても決して失われていません。むしろ、伝統的な形式にとらわれないからこそ、故人への想いをより自由に、そして強く表現できるとも言えるでしょう。
大切なのは、形式にとらわれ過ぎず、故人への想いを込めて四華を飾ることです。伝統的な意味合いを踏まえつつ、自分たちにとって納得のいく方法で四華を飾り、故人を見送りましょう。