音なき祈り「忍び手」の意味と作法

葬儀に関すること

音なき祈り「忍び手」の意味と作法

葬儀を教えて、

先生、「忍び手」ってなんですか? 葬儀で柏手を打つときの音に関係があるみたいなんですが…

葬儀スタッフ

いい質問ですね。「忍び手」は、神式の葬儀で柏手を打つ時に、音を立てずに静かに手を合わせることです。これは、音を立てると死者の魂を穢してしまうと信じられているからです。

葬儀を教えて、

なるほど!だから音を立てずに手を合わせるんですね。それで、両手を合わせる寸前で止めるのはなぜですか?

葬儀スタッフ

それは、完全に手を合わせてしまうと、普通の参拝と同じ意味になってしまうからです。葬儀では、死者の霊がまだ現世とあの世の間を彷徨っていると考えられており、完全に手を合わせないことで、その区別を示しているのです。

忍び手とは。

神葬祭において、「忍び手」とは、柏手を打つ際に、両手を合わせる直前で動きを止め、音を立てないようにする動作を指します。

神葬祭とは

神葬祭とは

神道では、死は穢れと捉えられており、葬儀は故人の魂を清め、神様の御許へと送り届けるための儀式と考えられています。これは仏式の葬儀のように故人を偲び、冥福を祈るものとは根本的に異なります。

神道の葬儀は「神葬祭」と呼ばれ、仏式の葬儀に相当する儀式です。しかし、故人を仏様にすることを目的とする仏式とは異なり、神葬祭は故人の魂を「祖霊(それい)」へと導き、氏神様の御加護のもとで子孫を見守ってくださるよう祈りを捧げるものです。

神葬祭は、仏式とは異なる独自の作法や儀式が執り行われます。その中でも特徴的なのが、音を立てずに拍手をする「忍び手」です。これは、神様に対して失礼のないよう、静かに祈りを捧げるための作法です。

以降では、神葬祭における「忍び手」の意味や作法について、詳しく解説していきます。

忍び手とは何か

忍び手とは何か

「忍び手」とは、日本の伝統芸能や神事において、人知れず静かに手を動かす所作のことを指します。舞台上で、観客に気づかれないように小道具を動かしたり、背景を変えたりする際に用いられます。また、神社などで行われる儀式においても、神聖な場を汚すことなく、必要な準備や後片付けを行う際に「忍び手」が活躍します。まるで、そこに人がいないかのように、音もなく、流れるように動く様は、まさに職人技と言えるでしょう。

忍び手の作法

忍び手の作法

忍び手は、ただ闇に紛れて動くだけのものではありません。そこに込められた精神、そして所作の一つ一つに、深い意味が込められています。第一に、己を消すこと。 これは単に姿を見せないだけでなく、自身の存在を、気配を、完全に闇に溶け込ませることを意味します。 第二に、静寂を支配すること。 わずかな物音も見逃さず、むしろ、その音を己の耳とし、周囲を把握するのです。そして第三に、一撃をもって全てを終わらせること。 それが忍び手の存在意義であり、そのための鍛錬を、彼らは決して怠りません。

忍び手に込められた想い

忍び手に込められた想い

「忍び手」は、声に出さず、ひそかに祈りを捧げる行為を指します。合掌の代わりに、指を組み合わせることで、周囲に悟られずに自身の願いや祈りを神仏へと届けることができます。古くから、戦乱の世や厳しい社会状況の中で、自身の身を潜めながらも、大切なものへの祈りを絶やさずに繋いできた人々の切なる想いが込められています。

神葬祭におけるその他の作法

神葬祭におけるその他の作法

神道では、拍手や焼香など、仏式と異なる独自の作法が存在します。参列する際には、誤解や失礼のないよう、基本的な知識と作法を身につけておくことが大切です。

例えば、玉串奉奠では、玉串の根元を祭壇に向ける二拝二拍手一拝の作法を厳守するなど、細かな点に注意が必要です。

また、神葬祭では、故人を偲び、その御霊を慰めることが重要視されます。そのため、神職や遺族の指示に従い、つつしみと敬意をもって参列するように心がけましょう。

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