葬儀で見かける『梵字』の意味とは?
葬儀を教えて、
先生、梵字ってよくお葬式で見かけるんですけど、何ですか?
葬儀スタッフ
いい質問だね!梵字は古代インドの文字で、漢字のように一字ずつ意味を持つんだよ。仏教と深い関係があって、吉祥文字とも言われているんだ。
葬儀を教えて、
仏教と関係があるんですか!じゃあ、お墓に刻まれているのも仏教と関係があるからなんですね!
葬儀スタッフ
その通り!特に、五輪塔にお墓で見かける梵字は、仏様の教えや宇宙の構成要素を表していることが多いんだよ。
梵字とは。
「梵字」は、お葬式で使われる言葉の一つで、インドの古代文字であるブラーフミー語を漢字で読み表したものです。縁起の良い文字として知られ、仏教と深い関係があり、それぞれの文字が仏様を象徴しています。例えば、五輪塔を建立する際には、それぞれの部位(地輪、水輪、火輪、風輪、空輪)に対応する梵字が刻まれます。
1. 梵字とは?仏教との深い関係
仏教の葬儀に参列すると、お坊様がお経を読む際に手にしている数珠や、お墓に刻まれた文字など、見慣れない文字を目にすることがあります。これは「梵字(ぼんじ)」と呼ばれるもので、古代インドで使われていたサンスクリット語を表記するための文字です。
サンスクリット語は仏教の経典が書かれた言語であり、そのため梵字は仏教と非常に深い関わりを持っています。日本では、仏教の伝来とともに梵字も伝わり、仏教経典の書写や仏像、仏具などに用いられるようになりました。
2. 梵字一文字で表す仏様の姿
梵字は、サンスクリット語の音を一文字で表すだけでなく、仏様の姿や功徳、教えまでも象徴していると言われています。つまり、私たちが目にする梵字の一文字一文字には、それぞれ深い意味が込められているのです。
例えば、数珠の主玉によく使われる「阿弥陀如来を表す梵字「キリーク」」は、阿弥陀如来の慈悲と智慧、そして浄土への願いが込められています。また、「不動明王を表す梵字「カーン」」には、不動明王の揺るぎない決意と力強さが表現されているのです。このように、梵字は単なる文字ではなく、仏様そのものを表す、神聖な記号として大切にされてきました。
3. 葬儀でよく見る梵字とその意味
仏教には様々な宗派が存在しますが、宗派に関わらず葬儀でよく見かける梵字がいくつかあります。ここでは、代表的な梵字とその意味について解説していきます。
まず初めに挙げられるのは「カーン」です。これは、大日如来を表す梵字で、宇宙そのものを象徴しています。そのため、故人が宇宙のような大きな存在に包まれ、安らかに眠っていることを示唆していると言えるでしょう。
次に、「バン」もよく見かける梵字の一つです。これは、不動明王を表しており、あらゆる災いを打ち砕き、私たちを守護してくれるという意味が込められています。葬儀の場では、故人が迷わずあの世へと旅立てるように、そして残された遺族に災いが降りかからないようにとの願いが込められているのです。
このように、梵字一つ一つに深い意味が込められています。葬儀に参列した際には、それぞれの梵字が持つ意味に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
4. 五輪塔に見る梵字の意味
お墓の上などで見かける五輪塔。実はあの形や、そこに刻まれた梵字にも、それぞれ意味があるのです。
五輪塔は、上から「空・風・火・水・地」の五つの要素で構成され、宇宙の構成要素そのものを表しているとされています。
そして、各層に刻まれた梵字は、それぞれに対応する仏様を表しています。例えば、一番上の「空」の部分には「キャ」という梵字が刻まれていますが、これは大日如来を表しています。このように、五輪塔は、仏教の世界観を具現化したものであり、亡くなった方を供養する上で重要な役割を担っているのです。
5. 梵字から読み解く、故人への想い
故人が身につけていた梵字には、生前の願いや大切に想っていたことが込められていることがあります。例えば、阿弥陀如来を表す「キリーク」は、極楽浄土への往生を願う気持ちの表れとされています。また、不動明王を表す「カーン」には、強い意志や決意が込められているとされ、生前、困難に立ち向かう強さを大切にしていた故人の姿が想像できます。このように、梵字を通して故人の人生観や想いに触れることができるのも、葬儀における梵字の役割の一つと言えるでしょう。