知っておきたい改葬の基礎知識

知っておきたい改葬の基礎知識

改葬とは何か？

「改葬」とは、お墓を別の場所に移動することを指します。具体的には、現在のお墓から遺骨を掘り出して、別のお墓や納骨堂に移すことを意味します。

改葬には、お墓の引っ越しといったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか？ 実は、改葬には、墓地の移動だけでなく、墓地内での移動も含まれます。例えば、同じ墓地内で、古い墓石を新しいものに変えたり、区画を変えたりする場合も改葬にあたります。

改葬が必要となるケース

お墓の承継者や管理が難しくなるなど、さまざまな事情で先祖代々のお墓を守っていくことが難しくなるケースが増えています。このような場合に検討されるのが「改葬」です。改葬とは、遺骨を現在のお墓から別の墓地へ移すことを指します。

改葬が必要となるケースは、大きく分けて以下の３つが挙げられます。

1. お墓の継承者がいない、またはいても遠方に住んでいてお墓の管理が難しい場合。
2. 墓地の移転や廃止が決まった場合。
3. お墓をより管理しやすい場所へ移したい場合。

従来の慣習にとらわれず、時代の変化に合わせて柔軟に検討することが大切です。

改葬の手続きの流れ

お墓の引っ越しとも呼ばれる改葬。そこには、単なる引っ越しとは異なる、いくつかの手続きが必要です。ここでは、改葬を検討し始めた方が、まず知っておくべき基本的な流れをご紹介します。

まず、改葬には「受入証明書」が必須です。これは、お骨を移す先となるお墓がある霊園や寺院が発行する書類で、“お墓はこちらで用意しました”という証明になります。改葬を検討し始めたら、まずは移転先候補に連絡し、受入証明書を発行してもらえるか確認しましょう。

次に、現在お墓があるお寺や霊園から「埋葬証明書」を取得します。こちらは、“現在、このお墓にお骨が埋葬されています”という証明です。

受入証明書と埋葬証明書の2つが揃ったら、「改葬許可申請書」を、お墓の所在地を管轄する市区町村役場の窓口に提出します。申請が受理されると、「改葬許可証」が発行されますので、忘れずに受け取りましょう。

これらの書類が全て揃って初めて、お骨を移す作業が可能になります。移送方法は、業者に依頼する方法と、自身で行う方法がありますが、お骨の扱いには十分な注意が必要です。

最後に、お骨を新しいお墓に納骨し、改葬は完了となります。移転先への納骨費用や、墓石の移設費用なども発生するため、事前に確認しておきましょう。

改葬にかかる費用と期間

改葬には、一般的に数十万円の費用がかかります。費用の内訳としては、墓地の移動距離や作業内容によって変動するものの、移転元の墓石の撤去費用、遺骨の運搬費用、移転先の墓地への埋葬費用などが挙げられます。

改葬にかかる期間は、1ヶ月程度が目安となります。ただし、これはあくまで一般的なケースであり、移転元の墓地や移転先の霊園の都合、改葬の時期や作業内容によっては、さらに時間がかかる場合もあります。

改葬を検討する際には、事前に複数の石材店や葬儀社に見積もりを依頼し、費用や期間について十分に比較検討することが大切です。また、改葬には役所への手続きも必要となるため、余裕を持ったスケジュールで進めるようにしましょう。

改葬に関する注意点

改葬は、現在お墓がある場所から別の場所に遺骨を移動することを指し、法律で認められた行為です。ただし、自由に行えるわけではなく、いくつか守るべきルールがあります。

まず、改葬を行うには、現在埋葬されている墓地の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらう必要があります。また、移転先の墓地の管理者から「受入証明書」を取得しなければなりません。これらの書類がないと、改葬の手続きを進めることができませんので注意が必要です。

さらに、改葬には、原則として親族の同意が必要となります。誰の同意が必要かは状況によって異なりますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

遺骨の移動は、許可を得た業者に依頼するのが一般的です。業者によって費用やサービス内容が異なりますので、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。

その他にも、宗教や宗派によって、改葬にあたり特別な手続きが必要となる場合があります。不安な点や疑問点は、事前に寺院や霊園、専門業者に相談するようにしましょう。