故人の願いを叶える七日間?『初七日』の意味と由来
葬儀を教えて、
先生、「所願忌」って、故人の希望で営む法要のことですか?
葬儀スタッフ
なるほど、そう思う気持ちも分かりますね。でも、「所願忌」は少し違います。実は、亡くなってから七日目に行う法要のことなんですよ。
葬儀を教えて、
え、そうなんですか?じゃあ、「初七日」と同じ意味ってことですか?
葬儀スタッフ
その通り!「所願忌」は「初七日」の別名なんです。仏教では、故人があの世で無事に過ごせるように、七日ごとに法要を営むのですが、その最初の日なので「初七日」と呼ばれ、「所願忌」とも言うんですよ。
所願忌とは。
葬儀に関する用語で、「所願忌」とは、故人が亡くなってから初めて迎える七日目に行う法要である「初七日」のことです。
『所願忌』ってどんな儀式?
「初七日」は、故人が亡くなってから七日目のことを指し、故人の冥福を祈るための大切な法要です。この日は、故人があの世とこの世を行き来し、現世での未練を断ち切るための期間と考えられています。そして、この七日間は『忌中(きちゅう)』と呼ばれ、遺族は故人の死を悼み、身を清める期間とされています。
この七日間の間に、遺族は故人のために様々な儀式を行います。なかでも、『所願忌(しょがんき)』は、故人の願いを叶えるための儀式として知られています。古くから、人は死後も生前の行いによって様々な世界に転生すると考えられてきました。そこで、遺族は故人の生前の行いを振り返り、故人がより良い世界に転生できるように祈りを捧げます。
具体的には、故人が生前好きだったものをお供えしたり、好きだった音楽を演奏したりします。また、故人の思い出話をすることで、故人を偲び、その魂を慰めます。このように、『所願忌』は、故人の願いを叶えるだけでなく、遺族が故人と改めて向き合い、その死を受け入れるための大切な時間となっているのです。
『初七日』の由来と意味とは
『初七日』とは、故人が亡くなってからちょうど7日目に行われる法要のことです。
仏教では、人が亡くなってから7日ごとに、故人の魂が冥土の裁判官である十王の裁きを受けるとされています。
そして、初七日は故人にとって最初の審判の日であり、この日から四十九日までの間、七日ごとに法要を営み、故人の冥福を祈ります。
初七日は、故人があの世での裁きを穏やかに受け、極楽浄土に旅立てるようにとの願いを込めて営まれます。
仏教における『初七日』の捉え方
仏教では、人が亡くなってから四十九日間は、故人の魂が迷いの世界である「中有」をさまよい、次に生まれ変わる先が決まるまでの期間と考えられています。その中でも、初七日は故人の魂が初めてあの世の裁判官である「閻魔大王」の前に引き立てられ、生前の行いを審判される日とされています。この閻魔大王への審判は、七日ごとに行われ、七回目の四十九日で最終的な判決が下されると考えられています。
初七日は、故人の魂がこの世に別れを告げ、あの世での旅路を始めるための大切な節目となります。遺族にとっては、故人の冥福を祈り、安らかな旅を後押しする最初の機会と言えるでしょう。
現代における『初七日』の執り行い方
かつては、故人が亡くなってから七日ごとに法要を営み、四十九日目に忌明けとする風習が一般的でした。しかし、現代社会においては、核家族化や都市部への人口集中が進み、従来通りの形式での法要が難しいケースも少なくありません。近年では、初七日の法要も、故人の命日から七日目にあたる日に必ずしも執り行うのではなく、遺族の都合に合わせて日を改めたり、他の法要と合わせて行ったりすることが増えています。例えば、葬儀後、火葬や納骨などを一通り終えた後に、「繰り上げ法要」として初七日法要を行うケースや、四十九日の法要を「一周忌」と合わせて行うケースなどが挙げられます。
また、法要を行う場所についても、従来は自宅に僧侶を招いていましたが、最近では、葬儀場やホテルなどの会場を借りて行うケースや、寺院の本堂で法要を行うケースも増えています。
さらに、服装や供物、お布施についても、地域や宗派によって異なる場合があり、必ずしも厳格な決まりがあるわけではありません。そのため、事前に葬儀社や寺院に相談し、それぞれの地域の慣習や、遺族の意向に沿った形で行うことが大切です。
『初七日』のマナーと注意点
大切な方を亡くした悲しみの中、遺された私たちには故人を偲び、冥福を祈るための様々な儀式が待ち受けています。なかでも、仏式では葬儀後七日目に行われる『初七日』は、故人があの世へと旅立つための大切な節目とされています。
この『初七日』には、遺族や親族、親しい友人が集まり、読経や焼香を行います。そして、故人を生前に偲びながら、語らいの時間を持ちます。服装や香典など、葬儀に準じたマナーが求められますが、最近では形式よりも故人を偲ぶ気持ちを大切にしたいという考え方も広まりつつあります。
地域の慣習や宗教によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。