葬儀のマナー: 「御霊前」の意味と使い方

葬儀のマナー: 「御霊前」の意味と使い方

「御霊前」とは何か

「御霊前」は、仏式の葬儀において霊前に供える金包みの表書きに用いる言葉です。
故人の霊に対し、敬意を込めて「御」を付け、霊前に供えるお金であることを意味しています。
香典として持参する際によく使われますが、仏式以外の葬儀では使用を避けるようにしましょう。

「御霊前」の使用シーン

「御霊前」は、通夜や葬儀、告別式など、故人との最後の別れのために故人を偲び、冥福を祈る場で使用します。具体的には、香典袋の表書きとして用いられます。

宗教や宗派を問わず、仏式、神式、キリスト教式など、どのような葬儀でも使用できる点が「御霊前」の特徴です。そのため、故人の信仰する宗教が不明な場合や、自分の宗教・宗派とは異なる場合でも安心して使うことができます。

「御霊前」と「御仏前」の違い

「御霊前」とよく似た言葉に「御仏前」があります。どちらも葬儀に持参する金包みに使う言葉ですが、それぞれ使う場面が異なります。簡単に言うと、「御霊前」は亡くなったばかりで、まだ仏様になっていない方へのお供え物を指します。一方、「御仏前」は、四十九日法要を終え、仏様の位に就かれた故人へのお供え物を指します。

葬儀に参列する際は、どちらの言葉が適切か迷うこともあるでしょう。一般的には、通夜や葬儀の際に持参する金包みには「御霊前」を用います。そして、四十九日法要以降は「御仏前」を用いるのが一般的です。しかし、地域や宗派によって慣習が異なる場合もあるため、事前に確認しておくとより丁寧です。

「御霊前」の金額相場と書き方

「御霊前」は、故人の霊前に供える金品を指し、香典として葬儀に持参します。金額相場は、関係性や年齢、地域によって異なりますが、一般的には友人・同僚なら5,000円から1万円、親戚なら1万円から3万円、兄弟なら3万円から10万円が目安です。

香典袋の表書きは、中央上部に「御霊前」と大きく書き、その下に小さく氏名を記します。中袋がある場合は、表側の中央に金額を漢数字で記載し、裏側には住所と氏名を記入します。中袋がない場合は、香典袋の裏側に住所と氏名を記入し、金額は「金 ○○円」と書き添えましょう。

宗派による違いはある？

仏式葬儀でよく目にする「御霊前」という言葉。しかし、その意味や使い方を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。特に、仏教には様々な宗派があるため、「宗派によって使い方が違うのでは？」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、御霊前はどの宗派でも使用できます。これは、御霊前が「故人の霊前に供える金品」を指す言葉であり、特定の宗派の教えに直接的に関係するものではないからです。そのため、浄土真宗のように「霊」という言葉を避ける傾向にある宗派でも、御霊前は問題なく使用されています。