故人との繋がりを形に。「形見分け」の基礎知識
葬儀を教えて、
先生、「形見分け」って、故人のものを使うことになるんですよね? なんだか使うのに抵抗がある気持ちも少ししてしまうのですが…
葬儀スタッフ
なるほどね。確かに、故人のものを使うことに抵抗を感じる気持ちもわかるよ。でも、「形見分け」には、故人を偲び、思い出を共有する大切な意味があるんだ。
葬儀を教えて、
思い出を共有する、という意味ですか?
葬儀スタッフ
そうだよ。故人の愛用していた品を身近に置くことで、その人を近くに感じ、思い出を語り継いでいくことができる。形見分けは、故人との繋がりを大切にするための日本の美しい文化なんだよ。
形見分とは。
「形見分」とは、葬儀に関連した言葉で、亡くなった方の思い出の品となる衣服や所有物を、親族や親しい友人に分け与えることを指します。一般的には、忌明けの法要などの際に形見分けを行います。これは、故人を偲び、思い出を共有するために行われます。別名「形見草」とも呼ばれます。
形見分けとは? その意味と起源
「形見分け」とは、故人が生前に愛用していた品々を、遺族や親しい人に形見として贈ることを指します。これは単なる物品の分配ではなく、故人を偲び、思い出を共有し、その記憶を未来へと繋いでいくための大切な儀式と言えるでしょう。
形見分けの起源は古く、仏教の「舎利崇拝」の習慣に由来すると言われています。仏教では、遺骨を分骨して各地に祀ることで、より多くの人々が故人を偲び、その功徳にあずかるとされてきました。この考え方が日本に伝来し、形見分けの文化として根付いていったと考えられています。
形見分けの時期とマナー
形見分けは、故人への思いを偲びつつ、その記憶を共有する大切な儀式です。しかし、いつ、どのように行うのが適切なのでしょうか?
一般的に、形見分けは四十九日の法要後、または納骨が終わった後に行うのが一般的です。これは、忌中が明け、気持ちの整理がついた段階で行うのが望ましいとされているためです。ただし、地域や宗教、家族の事情によって異なる場合もあるため、事前に親族間でよく相談することが大切です。
形見分けの品を選ぶ際には、故人が愛用していた物や、思い出の品を選びましょう。高価なものや、人から贈られたものなど、形見分けにふさわしくないものは避けるようにしましょう。また、遺族が望まないものや、故人の死を連想させるようなものは避け、受け取る側の気持ちを考慮することが重要です。
形見分けを受け取る側は、故人の想いを大切にするという気持ちで受け取りましょう。辞退したい場合は、正直にその旨を伝え、感謝の気持ちを示すことが大切です。
形見分けは、故人を偲び、その記憶を語り継ぐための大切な機会です。故人への感謝の気持ちと、周りの人への配慮を忘れずに、丁寧に行いましょう。
どんなものを形見分けする?
形見分けの品物に決まりはありません。故人が愛用していたもの、思い出の品、形に残るものなど、故人を偲ぶことができるものであれば何でも形見分けできます。
具体的には、衣服やアクセサリー、時計、バッグなどの日用品や、書画、骨董品、写真、手紙などの趣味のもの、不動産や車などの高額なものまで、幅広いものが挙げられます。
ただし、形見分けするものの価値や想いは人それぞれ異なるため、トラブルを防ぐためにも、事前に故人の意思を確認しておくことが大切です。遺言書やエンディングノートに残しておく、あるいは家族間で話し合っておくことで、よりスムーズに形見分けを進めることができます。
形見分けの注意点
形見分けは、故人の思い出の品を形として残し、故人を偲ぶための大切な儀式です。しかし、故人への想いが強いあまり、トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
形見分けでトラブルを避けるためには、事前に遺族間で話し合い、故人の意思を尊重することが大切です。また、高額な財産価値のあるものは「遺産」として扱い、法律に則って分割するようにしましょう。
感謝の気持ちを忘れずに、故人の想いを大切に受け継いでいきましょう。
形見を通して故人を偲ぶ
形見分けとは、故人が残した品々を、縁の深かった人に形見として分け与えることです。これは単なる遺品整理ではなく、故人の想いを遺された者が受け継ぎ、偲ぶための大切な儀式です。形見となった品は、故人を身近に感じさせてくれる大切な宝物となります。それは形見が、故人の思い出話や、共に過ごした日々を鮮やかに蘇らせてくれるからです。たとえば、愛用していた時計を受け継ぐことで、故人が時間を大切にしていた姿を思い出すことができるでしょう。また、趣味で集めていた絵画を飾ることで、生前の情熱を感じることができるかもしれません。このように、形見は故人との目に見えない繋がりを再び感じさせてくれる、かけがえのないものと言えるでしょう。