「御会式」って何? 日蓮の忌日を偲ぶ法要
葬儀を教えて、
先生、「御膳料」って、どういう意味ですか? 葬儀でお渡しするものって書いてあるんですけど…。
葬儀スタッフ
いい質問ですね。「御膳料」は、お葬式で僧侶にお渡しするお金のことです。 なぜ食事代を渡すか、わかるかな?
葬儀を教えて、
えーと、僧侶の方って、お葬式で読経をしてくれますよね…? そのお礼にお食事を用意する代わりに、お金で渡すってことですか?
葬儀スタッフ
そうです!本来は、読経の後にお食事を共にするのですが、最近は僧侶の方もお忙しいので、お食事を辞退される場合が多いのです。 その代わりに、食事代として「御膳料」をお渡しするんですね。
御膳料とは。
「御膳料」とは、葬儀の際に僧侶が通夜や葬儀後の食事の席に着かれない場合に、食事代としてお渡しするお金のことを指します。
日蓮聖人と「御会式」の由来
「御会式(おえしき)」とは、日蓮宗の宗祖である日蓮聖人のご命日である10月13日に、その教えと功績を偲んで行われる法要のことです。
日蓮聖人は1222年に生まれ、鎌倉時代の日本で広く民衆を相手に仏教の教えを説きました。しかし、当時の権力者や他の宗派からは厳しい弾圧を受け、1282年10月13日、池上宗仲の館にて61歳で入滅されました。
日蓮聖人の死後、弟子たちはその教えを広め、その遺徳を偲ぶために毎年命日に法要を営むようになりました。これが「御会式」の始まりとされています。
「御会式」はどんな儀式?
「御会式」は、日蓮聖人の忌日である10月13日に、その生涯を偲び、教えを称える法要です。一般的には、日蓮宗の寺院で盛大に営まれます。
法要では、読経や唱題が行われるほか、日蓮聖人の生涯を描いた絵巻物を読み上げる「絵解き」や、日蓮聖人にゆかりのある食べ物をお供えする儀式などが行われます。また、寺院によっては、音楽や踊りが奉納されることもあり、地域の人々にとっても重要な行事となっています。
「御会式」の時期と場所
日蓮聖人の命日である10月13日に合わせて、毎年10月11日から13日にかけて、全国各地の日蓮宗寺院で「御会式(おえしき)」の法要が営まれます。特に、日蓮聖人が亡くなった神奈川県にある池上本門寺では、12日と13日の2日間、盛大な万灯練り行列が行われ、多くの参拝者で賑わいます。
「御会式」で見られる独特な風習
御会式は、ただ厳かに法要を行うだけではありません。宗派や地域によって、様々な風習が見られます。中でも特徴的なのが、「万灯練供養」でしょう。これは、日蓮聖人のもとへ導かれた人々が、喜びの光で満たされたとされる故事に由来します。たくさんの提灯で飾られた山車が町を練り歩き、賑やかな音楽や踊りが奉納されます。
また、参拝者に甘茶が振る舞われるのも、御会式ならではと言えるでしょう。これは、日蓮聖人が亡くなった際に、悲しみに暮れる人々に甘露の雨が降り注いだという言い伝えにちなんだものです。参拝者は、甘茶を口にすることで、日蓮聖人の功徳にあやかりたいと願います。
現代社会における「御会式」の意義
日蓮聖人の遺徳を偲び、報恩感謝の誠を捧げる「御会式」。賑やかな万灯練りや、お供物として積まれたお菓子の山が印象的ですが、その意義を現代社会において見つめ直してみましょう。古くから受け継がれてきた伝統行事である「御会式」は、地域の人々が集い、共に時間を過ごすことで、地域コミュニティの絆を深める役割を果たしてきました。現代社会において希薄になりつつある地域のつながりを再構築する上で、「御会式」は貴重な機会となりえます。また、日蓮聖人の教えに触れることで、自身の生き方を見つめ直し、他者への compassion(慈悲の心)や、利他の精神を育むきっかけを与えてくれるでしょう。華やかな行事の裏側に込められた深い意義を理解することで、「御会式」はより一層、私たちにとって大切なものとなるのではないでしょうか。