三七日忌：故人を偲び、冥福を祈る日

三七日忌：故人を偲び、冥福を祈る日

三七日忌とは？

三七日忌（さんしちにちき）とは、故人の死後27日目に行われる仏式の法要です。仏教では、人が亡くなってから四十九日までの間を「中陰（ちゅういん）」と呼び、故人の魂が迷わずに成仏できるように祈りを捧げます。この中陰の間、七日ごとに法要を行うのが一般的で、三七日忌はその中でも特に重要な法要の一つとされています。

なぜ21日目に行うのか？ 三七日の意味

仏教では、人が亡くなってから四十九日間は、故人の魂が迷わずに成仏できるように、遺された家族や親族が供養を続ける期間とされています。
そして、この四十九日の間には、七日ごとに故人の冥福を祈る法要が行われます。中でも、亡くなってから21日目に行われる「三七日忌（さんしちにちき）」は、故人を偲び、生前の感謝の気持ちを伝えるとともに、安らかな旅立ちを祈る重要な法要とされています。
では、なぜ21日目に行うのでしょうか？
これは、仏教の教えにおいて、人の魂は七日ごとに生まれ変わりを繰り返すとされ、三七日、つまり三回目の七日目にあたる21日目が、故人の魂が次の生へと向かう重要な節目と考えられているからです。
三七日忌は、故人が安らかに旅立てるよう、遺族が心を込めて供養する日なのです。

三七日忌の歴史と由来

仏教の教えに基づくと、人は亡くなってから四十九日間、あの世とこの世を彷徨うとされています。その間、故人の魂は生前の行いを審判され、来世へと旅立つ準備をすると言われています。そして、七日ごとに閻魔大王による裁判が行われるとされ、遺族は故人の冥福を祈り、追善供養を行うのです。三七日忌は、故人が亡くなってから二十一日目の節目に行われる法要です。

三七日忌の起源は、古代インドの仏教経典にあるとされています。その経典には、人が亡くなってから四十九日間、七日ごとに故人の生前の行いが裁かれる様子が記されています。そして、遺族が故人のために追善供養を行うことで、故人はより良い来世へと転生できると説かれています。

日本では、奈良時代に仏教が伝来するとともに、故人を偲び、冥福を祈る仏教行事が盛んに行われるようになりました。三七日忌もその一つであり、平安時代には貴族社会を中心に広く定着していきました。そして、江戸時代には庶民の間にも広まり、現代まで受け継がれています。

三七日忌の具体的な内容：法要・供養・香典

三七日忌とは、仏教において故人が亡くなってから七日ごとに営まれる法要のうちの一つで、二十七日目にあたります。この日は、故人が亡くなってから四十九日後の忌明けを迎えるまでの中間地点として、特に重要な意味を持つとされています。

三七日忌には、僧侶を自宅や寺院に招き、読経や法話をいただくことが一般的です。また、故人の冥福を祈り、仏壇や墓前に花や線香、故人の好物などを供えます。さらに、親族や親しい人が集まり、故人を偲んで食事を共にすることもあります。これを「お斎（おとき）」と呼びます。

香典については、地域や宗派によって異なりますが、一般的には、四十九日の際にまとめて持参することが多いようです。ただし、三七日忌に先立ち、香典や供物を持参する場合は、表書きを「御仏前」「御供物」などとします。

変化する葬儀の形と三七日忌の捉え方

かつては近親者が集まり、僧侶の読経のもと、盛大に営まれることが多かった法要ですが、近年では葬儀の形や家族のあり方も多様化し、それに伴い三七日忌の捉え方も変化しつつあります。

核家族化や都市部への人口集中などにより、親族が遠方に住んでいたり、仕事などの都合で集まることが難しくなったりするケースが増えています。また、宗教離れや簡素化志向の高まりから、従来の形式にとらわれない自由なスタイルで故人を偲びたいという考え方も広がっています。

このような社会の変化を受けて、三七日忌も故人の遺志や家族の事情に合わせて、規模や形式を柔軟に対応することが一般的になりつつあります。例えば、少人数で故人の思い出を語り合うだけの会食会や、故人が好きだった場所を訪れるなど、それぞれの想いを大切にした自由なスタイルで行われるようになっています。