意外と知らない?壇払いの本当の意味と最近の変化
葬儀を教えて、
先生、「壇払い」って、葬儀の後の食事会のことですよね?
葬儀スタッフ
そう思っている人も多いようだね。確かに最近では食事会の意味で使われることも多いけれど、本来は祭壇を片付けること自体を指す言葉なんだよ。
葬儀を教えて、
へえー!そうなんですか!じゃあ、なんで食事会も「壇払い」って言うようになったんですか?
葬儀スタッフ
昔は祭壇を片付けた後、参列者やお手伝いしてくれた人たちと食事をすることが多かったから、その習慣が「壇払い」という言葉に結びついたと考えられているんだよ。
壇払いとは。
「壇払い」は、本来の意味では葬儀で使用した祭壇を片付けることを指す言葉です。しかし、最近では葬儀に最後まで参列してくださった方や、お手伝いいただいた方と共にする会食のことを「壇払い」と呼ぶケースも増えています。
壇払いの本来の意味とは?
結婚式の締めくくりとして行われる壇払い。「あれってご祝儀を回収するため?」なんて思っている人もいるかもしれませんが、実は全く違う意味が込められているんです。 壇払いは、本来結婚の儀式を終えた新郎新婦が、共に過ごしていく人生の第一歩を踏み出すことを意味しています。その昔、結婚式は自宅で行われるのが一般的でした。式を終えた二人が、今まで育ててくれた家族への感謝の気持ちを込めて、家の外へと続く「壇」から降りる。これが壇払いの由来とされています。
現代における壇払いの広がり
従来、壇払いは茶道や華道など、日本の伝統芸能の世界で重んじられてきました。その意味するところは、舞台となる場所を敬い、清浄な状態に戻すという、日本文化特有の精神性が根底にあります。しかし近年、この壇払いの精神は、伝統芸能の枠を超えて広がりを見せています。
例えば、イベントやセミナーの後、参加者が自主的に会場のゴミ拾いを行う光景も見られるようになりました。これは、壇払いの精神が、単なる片付けではなく、感謝の気持ちを表す行為として捉え直されている証と言えるでしょう。また、インターネット上のサービスにおいても、利用者が情報を整理したり、不要なデータを削除したりすることを「壇払い」と表現する動きも出てきています。
このように、形や場所を変えながらも、壇払いの精神は現代社会においても受け継がれ、新たな広がりを見せていると言えるでしょう。
会食の場としての壇払い
「壇払い」と聞いて、仏壇を掃除する様子を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、本来壇払いは仏教用語からきており、法要の後に僧侶へのお布施と共に食事を振る舞うことを指していました。
これが転じて、現在では法要に関わらず、会議やセミナーの後などに参加者で飲食を共にすることを指すようになっています。特に、ビジネスシーンにおいては、円滑なコミュニケーションを図り、親睦を深めるための重要な機会として認識されています。
壇払いに込められた感謝の気持ち
結婚式のスピーチや講演会などで見かける壇払い。軽く頭を下げて会釈をする行為ですが、実は感謝の気持ちを表す美しい所作です。壇は自分の一言一言に耳を傾けてくれた人々への感謝の気持ちを示すために、「降りる際に塵一つ残さず綺麗に掃除をする」という意味が込められています。その場を借りたことへの感謝、そして聞いてくれた人への敬意を表す、日本らしい奥ゆかしさが感じられますね。
変化する葬儀の形と壇払いの未来
近年、家族葬など、葬儀の規模や形式は大きく変化しています。従来のような、地域や会社関係など多くの人が参列する葬儀は減少し、家族や親しい友人だけで故人を偲ぶという形式も増えました。それに伴い、香典や供物など、葬儀に関わる慣習にも変化が見られます。
特に、「壇払い」は、従来の葬儀における役割や意味合いが薄れつつあると言えるでしょう。そもそも壇払いは、香典では賄いきれない葬儀費用を、親族が協力して負担するという側面が強かったのです。しかし、葬儀の規模が縮小し、費用が抑えられている現代において、その必要性は減少しています。
また、近年では、香典辞退の動きが広がりを見せている点も、壇払いの未来を考える上で重要な要素です。従来の相互扶助的な意味合いが薄れる一方で、残された家族への負担を軽減したいという故人や遺族の想いが尊重されるようになっています。
葬儀の形が変化していくのと同様に、壇払いについても、その存在意義やあり方が問われています。今後、感謝の気持ちを表すための方法として、あるいは、故人の意思を尊重する形で、新しい壇払いの形が模索されていくでしょう。