弔辞の紙に込められた想い～奉書紙とは～
葬儀を教えて、
先生、「奉書紙」って、お葬式で使われるって聞いたんですけど、どんな紙なんですか？
葬儀スタッフ
いい質問だね。「奉書紙」は、元々、お役所へ提出する書類や、手紙に使われていた、とても格式高い紙なんだよ。皺がなく、真っ白で、きめが細かいのが特徴なんだ。
葬儀を教えて、
へえー、それで、お葬式では何に使うんですか？
葬儀スタッフ
お葬式では、主に弔辞を書く時に使うね。格式高い紙なので、故人を偲び、敬意を表すのにふさわしいとされているんだよ。
奉書紙とは。
「奉書紙」とは、葬儀に際して用いられる用語の一つです。元々は、おめでたい報告やお礼を記す「奉書」に用いられる紙を指します。皺がなく、純白で、きめが細かく美しいのが特徴です。このことから、現在では弔辞の用紙としても使われています。
奉書紙とは何か？
弔辞を読む際に手にしている紙、そして、お香典を包む際に用いる白い封筒。これらは普段何気なく目にしているものですが、実は「奉書紙」という特別な紙で作られていることが多いのです。では、奉書紙とは一体どのような紙なのでしょうか。今回は、奉書紙の由来や特徴、そして、冠婚葬祭において古くから用いられてきた理由について詳しく解説していきます。
歴史と変遷
かつて公文書などに用いられていた奉書紙は、その格式高いイメージから、重要な儀式や贈答の場面で用いられるようになりました。特に、冠婚葬祭においては欠かせない存在となり、現在でも結婚式の招待状や、今回のような弔辞の場面で目にする機会が多いと言えるでしょう。時代の流れとともに、その用途や製造方法も変化してきましたが、変わらずに使い続けられているということは、日本人の心に深く根付いた、大切な文化と言えるのではないでしょうか。
弔辞にふさわしい理由
弔辞の際には、白い縦書きの奉書紙が使われます。これは、単なる慣習ではなく、深い意味が込められているのです。まず、白い色は、清浄や潔白さを象徴し、故人への哀悼の意を表しています。また、墨の色が美しく映えるという点も、重要な要素です。次に、縦書きである理由は、古来より日本では、縦書きが正式な文書に使われてきたことに由来します。厳粛な場において、伝統を重んじ、敬意を表す形式として、弔辞にも受け継がれているのです。奉書紙を用いることで、私たちは、故人への想いをより丁寧に、そして深く伝えることができるのです。
奉書紙の選び方
お悔やみの場にふさわしい格調高い弔辞。その想いを込めて綴る紙にも、伝統と格式が求められます。奉書紙の選び方ひとつで、故人への弔意や遺族への配慮をより深く伝えることができます。
まず、弔辞用として販売されている奉書紙を選びましょう。市販のものには、すでに適切な罫線や余白が印刷されているため、迷うことなく清書できます。
奉書紙には、無地と罫線入りの二種類があります。初心者は、バランスよく書きやすい罫線入りがおすすめです。罫線にも種類があり、薄いグレーの罫線や、点線で印刷されているものなどがあります。
サイズは、一般的に男性は半紙を横長に二つ折りにして使うサイズ、女性は三つ折りにすることが多いです。
さらに、墨や筆との相性も大切です。滲みにくく、書き味が滑らかな奉書紙を選ぶことで、美しい文字で弔辞をしたためることができます。
想いを伝えるために
弔辞は、故人への感謝の気持ちや生前の思い出を語り、残された遺族を慰める大切な儀式です。その際に用いられるのが、独特の風合いを持つ「奉書紙」です。一体なぜ、弔辞には奉書紙が使われるのでしょうか？ そこには、古くから伝わる日本人の死生観や、故人を偲び、遺族を想う気持ちが込められています。
