送り火の意味と由来:お盆に焚く火の物語

葬儀に関すること

送り火の意味と由来:お盆に焚く火の物語

葬儀を教えて、

先生、「送り火」って、お盆の最後に焚く火のことですよね? なんで火を焚くんですか?

葬儀スタッフ

良い質問ですね。お盆は、あの世から帰って来たご先祖様の霊を家に迎えて、共に過ごす期間とされています。そして、お盆の終わりに、その霊が迷わずにあの世に帰れるようにと焚くのが「送り火」なんです。

葬儀を教えて、

送り火は、あの世への道案内みたいなものなんですね!じゃあ、迎え火も焚くってホントですか?

葬儀スタッフ

その通りです!迎え火は、お盆の始めにあの世から帰ってくるご先祖様の霊が迷わずに家に帰って来られるように焚く火なんですよ。

送り火とは。

「送り火」とは、お盆の締めくくりに、あの世へと帰っていく先祖の霊を送るために焚く火のことです。 火を焚く際には、麻の茎の皮を剥いだ「オガラ」などが使われます。 一般家庭では、それぞれの家の玄関先などで焚くことが多いです。 地域によって旧暦を用いたり、月遅れで行ったりするため、お盆の時期は多少前後しますが、多くの場合、7月15日を中日として、7月13日に迎え火を、7月16日に送り火を焚きます。(8月15日を中日とする場合は、8月13日に迎え火、8月16日に送り火) 規模の大きな送り火もあり、京都の「五山の送り火」は、お盆の風物詩として有名です。

送り火とは?その意味と役割

送り火とは?その意味と役割

毎年8月16日の夜、静寂に包まれた夜空を赤々と染め上げる送り火。ご先祖様を送る日本の夏の風物詩として、広く知られています。 送り火とは、お盆に帰ってきた先祖の霊が迷わずあの世に帰れるようにと、焚かれる火のことです。あの世とこの世を繋ぐ灯りとして、また、故人を偲び、冥福を祈る気持ちが込められています。送り火の炎は、静かに手を合わせる私たちの心に寄り添い、どこか懐かしく、温かい光を灯してくれるのです。

送り火の起源と歴史

送り火の起源と歴史

送り火は、お盆の最終日である8月16日に、あの世へと帰っていく先祖の霊を送り出すために焚かれる火です。その起源は古く、諸説ありますが、仏教の経典の一つである「盂蘭盆経」に由来するという説が有力です。この経典には、お釈迦様の弟子である目連尊者が、亡くなった母親を救うために、7月15日に多くの僧侶に食事を施したという話が記されています。この行いが由来となり、日本では先祖の霊を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事と結びつき、送り火の習慣が生まれたと考えられています。また、浄土信仰の影響も指摘されています。西方浄土から訪れた先祖の霊を、再びあの世へと送り出すという意味で、西方に沈む太陽に向かって火を焚くようになったという説もあります。時代や地域によってその形は変化してきましたが、送り火は古来より、日本人の死生観や先祖供養と深く結びついた重要な行事として、現代まで受け継がれてきました。

送り火の焚き方:必要なものと手順

送り火の焚き方:必要なものと手順

送り火を焚く際には、まず安全な場所を確保することが大切です。家の敷地内で行う場合は、燃えやすいものがないか、周囲に火の粉が飛び散らないかを確認しましょう。また、水バケツや消火器を近くに用意しておくことも忘れずに行ってください。

必要なものは、麻殻や苧殻火種焚き付け用の新聞紙や木切れなどです。地域によっては、故人の持ち物を燃やす場合もあるようです。これらのものを用意したら、風向きに注意しながら、積み上げて火を点けます。火が安定したら、静かに手を合わせ、先祖の霊が無事にあの世へ帰れるよう祈りを捧げましょう。

地域 variations in 送り火の習慣

地域 variations in 送り火の習慣

送り火は、全国各地で見られるお盆の伝統行事ですが、その具体的な方法や時期、込められる思いは、地域によって実に様々です。

例えば、京都の五山の送り火のように、山肌に大きく燃え上がる炎で先祖の霊を導く壮大なものもあれば、家庭の庭先で静かに火を焚き、手を合わせるような、簡素ながらも心を込めた送り火もあります。

また、焚くものも地域によって異なり、松明や藁、古いお札など、それぞれの土地で大切にされてきたものが用いられています。さらに、送り火を行う時期も、地域や家庭によって違いがあり、8月13日から16日までの間で、それぞれの風習に従って行われています。

このように、送り火は全国共通の行事でありながら、それぞれの地域独自の文化や歴史を色濃く反映した、多様な側面を持つ行事と言えるでしょう。

現代における送り火:その意義と継承

現代における送り火:その意義と継承

時代が移り変わり、人々の暮らしも大きく変化した現代においても、送り火の風習は脈々と受け継がれています。都市部では、マンションのベランダや庭先など、限られたスペースで焚き火を行うなど、それぞれの環境に合わせて形を変えながらも、先祖の霊を敬う気持ちは変わることはありません。

送り火は、単なる伝統行事としてではなく、家族が集まり、共に故人を偲び、語り合う貴重な機会としての側面も持ち合わせています。忙しい現代社会において、送り火は、私たちに、命の尊さや、家族の繋がり、そして自身のルーツについて改めて考えるきっかけを与えてくれるのではないでしょうか。

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