知っておきたい「柩」の基礎知識
葬儀を教えて、
先生、葬儀のときに見かける『柩』って、ほとんど木でできているのに、燃えちゃって大丈夫なんですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね! 確かに柩はほとんど木でできていますが、火葬の際には非常に高い温度の炉の中で燃やすので、木製の柩も完全に燃え尽きるんですよ。
葬儀を教えて、
へえー! そうなんですね。でも、柩と一緒に故人の愛用品を入れることもあるって聞きましたが、それも燃えちゃうんですか?
葬儀スタッフ
はい、基本的には燃えるものとされています。ただし、火葬場によってルールが異なる場合や、燃えない素材のものは取り除く必要がある場合もあるようですね。心配な場合は、事前に葬儀会社に確認するのが良いでしょう。
柩とは。
「柩」とは、葬儀の際に故人を納める長方形の箱のことです。日本ではほとんどの場合、火葬が行われるため、木など燃えやすい素材で作られています。一般的に、柩の上部には開閉式の窓があり、故人の顔を見ることができるようになっています。
柩のデザインはさまざまで、シンプルな白木のものから、非常に手の込んだものまであり、価格帯も幅広いです。火葬場へ搬送する際、故人の愛用品などを柩に入れることもできますが、燃える素材で環境への影響が少ないものに限りま
近年は、終活セミナーなどで、実際に使用する柩に入る「棺桶体験」が人気を集めているようです。
柩の役割と意味
柩は、故人の遺体を納め、埋葬または火葬するために用いられる箱です。単なる入れ物としてではなく、故人にとって安らかな眠りの場を提供するとともに、遺族にとっては故人を偲び、冥福を祈るための大切な役割を担っています。
古来より、人は亡くなった後も魂が肉体と共にあると信じ、遺体を丁重に扱うことで、故人があの世で安らかに過ごせるようにと願ってきました。柩はそのような願いを込めて作られ、時代や文化によってその形状や素材は変化してきましたが、故人を敬い、弔うという根底にある想いは変わっていません。
日本の柩の特徴~材質と構造~
日本で古くから使われてきた柩は、木を組んで作られるのが一般的です。近年では金属製の柩も見られるようになりましたが、依然として木製が主流となっています。
木材の中でも、桐は柩の材料として特に人気があります。桐は軽く、断熱性や防湿性に優れているため、柩に適した木材と言えるでしょう。その他にも、杉や檜なども柩の材料として使用されます。
柩の構造は、大きく分けて「寝棺」と「座棺」の2種類があります。寝棺は、その名の通り寝たままの状態で納棺するタイプの柩です。一方、座棺は、体育座りのような姿勢で納棺するタイプの柩で、地域によっては「お堂入り」などと呼ばれることもあります。
近年では、故人の好きだったものをモチーフにしたり、華やかな装飾を施したりするなど、個性を反映した柩を選ぶ人も増えています。
柩のデザインと価格
ひとくちに柩といっても、そのデザインは実にさまざまです。伝統的な白木のシンプルなものから、光沢のある塗装が施されたもの、彫刻や装飾が施された豪華なものまで、故人や遺族の希望に合わせて選ぶことができます。
近年では、故人の好きだった色や模様、イラストなどを施したオリジナルの柩を作ることも可能です。生前の思い出を表現したり、個性を反映させたりと、従来の枠にとらわれない自由な発想で、最後の別れの空間を演出することができます。
柩の価格は、材質やデザイン、装飾の有無などによって大きく異なります。シンプルな白木の柩であれば数万円から、豪華な彫刻や装飾が施されたものになると数十万円、数百万円になることもあります。オリジナルデザインの柩はさらに高額になる傾向があります。
大切なのは、予算や希望に合わせて、納得のいく柩を選ぶことです。葬儀社に相談すれば、さまざまな種類の柩を見せてもらうことができます。予算や希望を伝え、じっくりと検討しましょう。
柩への副葬品について
故人との最後のお別れに、思い出の品々を柩に入れてあげたいと考える方は多いでしょう。副葬品は、あの世へ旅立つ故人を慰め、来世での幸せを願うという意味が込められています。
しかし近年では、火葬炉の設備や環境への配慮から、副葬品を制限するケースが増えています。燃えにくい材質のものや、爆発の危険性があるものは入れることができません。
副葬品として一般的によく選ばれるものとしては、故人が愛用していた眼鏡や櫛、書籍、写真などが挙げられます。また、生花や手紙なども、故人への想いを伝えるものとして選ばれています。
事前に葬儀社に確認し、故人の想いに寄り添いながらも、火葬場の規則に沿った形で、副葬品を選んでいきましょう。
終活における柩体験
近年、終活の一環として注目を集めているのが「柩体験」です。これは、実際に柩に横たわることで、死後の世界を擬似体験するというものです。人生の終わりを現実的に捉え、残された時間をより有意義に過ごそうという意識が高まる現代において、柩体験は、死に対する恐怖心を和らげ、自らの死生観を見つめ直す貴重な機会を提供しています。
柩体験では、単に柩に入るだけでなく、自身の葬儀をイメージした演出がされる場合もあります。例えば、自分の好きな音楽を流したり、故人へのメッセージを収める「メモリアルボックス」を用意するなど、より具体的なイメージを持つことで、心残りのない人生設計を描くことができます。
また、近年では、VR技術を活用したバーチャル柩体験も登場しています。現実と仮想空間を融合させることで、よりリアルな臨死体験が可能となり、終活への意識を高める効果が期待されています。