知っておきたい遠方忌|十三回忌の意味とマナー
葬儀を教えて、
先生、「遠方忌」って十三回忌のことですよね? なぜ「遠い方」って書くのですか?
葬儀スタッフ
良い質問ですね。確かに十三回忌以降は「遠方忌」とまとめられることが多いですね。 なぜ「遠い方」と書くのか、それは故人が亡くなってから年数が経ち、あの世がだんだん遠くなっていくと考えられていたからです。
葬儀を教えて、
あの世が遠くなっていく… なんだか寂しいですね。
葬儀スタッフ
そうですね。でも、遠方忌は故人を偲びつつも、残された人たちが前向きに生きていくための区切り目という意味もあるんですよ。
遠方忌とは。
葬儀の用語で「遠方忌」と呼ばれるものは、十三回忌のことです。
遠方忌(十三回忌)とは?
十三回忌は、故人の没後13年目の祥月命日に営む法要です。十三回忌は「遠方忌(えんぼうき)」とも呼ばれます。これは、昔は仏教の教えで、人が亡くなってから13年以上経つと、その魂は「浄土」と呼ばれる場所へ行き、私たちが住む世界から遠く離れてしまうと考えられていたことに由来します。つまり、十三回忌は、故人が迷わず浄土へたどり着けるように、そして、安らかに過ごせるようにと願いを込めて営まれるのです。
十三回忌の由来と意味
十三回忌は、故人の没後13年目に営まれる法要です。日本では、故人の魂が仏様の元にたどり着くまでには長い年月がかかると考えられてきました。そして、十三回忌は忌明けとなる重要な節目とされています。つまり、この世に残る遺族にとって、故人があの世でようやく安らかな境地を得たと信じ、故人を偲び、冥福を祈る重要な機会なのです。
遠方忌(十三回忌)の基本的なマナー
十三回忌は、故人との別れから十三年目に行われる法要です。年月の流れを感じるとともに、改めて故人を偲び、冥福を祈る大切な機会となります。
十三回忌は、一般的に親族や親しい間柄の人だけで営まれます。服装は、喪服である必要はありません。平服で参列するのは避け、地味な色のスーツやワンピースなど、失礼のない服装を選びましょう。数珠は仏教式の法要で用いるものですが、宗派によっては必要ない場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
香典を持参する場合、「御仏前」または「御香典」と表書きします。金額の目安は、故人との関係性にもよりますが、5,000円から1万円程度です。故人に子供がいる場合は、「御霊前」と表書きします。
法要後は、僧侶や親族へのお礼を忘れずに行いましょう。十三回忌は、故人を偲び、生前の感謝の気持ちを伝える大切な機会です。故人への想いを胸に、心を込めて参列しましょう。
遠方忌(十三回忌)で香典は必要?相場や書き方は?
十三回忌などの遠方忌においても、香典を持参するのが一般的です。ただし、地域や親族間の慣習によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
香典の相場は、故人との関係性や、地域によって異なります。一般的には、親族の場合は3万円~10万円、友人や会社関係者であれば1万円~3万円が目安とされています。
表書きは、「御佛前」または「御香典」と書き、四十九日を過ぎている場合は、「御霊前」は使用しません。水引は、双銀の結び切りを使用します。表書きや水引の種類は、地域や宗派によって異なる場合があるので、不安な場合は葬儀社や仏具店などに確認するのがおすすめです。
遠方忌は、故人を偲び、冥福を祈る大切な機会です。故人への想いを込めて、失礼のないように香典を準備しましょう。
時代とともに変化する葬儀の形式
かつては、故人の死後、親族や地域の人々が集まり、盛大に葬儀や法要を行うのが一般的でした。しかし、近年では核家族化や都市部への人口集中など、社会構造の変化に伴い、葬儀の形式も変化してきています。
家族葬や直葬など、小規模で簡素な葬儀を選ぶ人が増えているほか、インターネットを活用した香典のやり取りや、オンラインでの葬儀への参列など、新しい形も生まれています。
このように、葬儀の形式は時代とともに変化していますが、故人を偲び、その冥福を祈る気持ちは、いつの時代も変わりません。遠方忌も、時代の変化に合わせて、その形を変えながら、これからも大切な行事として受け継がれていくことでしょう。