『成仏』とは? 葬儀で使われる意味と本来の意味

葬儀に関すること

『成仏』とは? 葬儀で使われる意味と本来の意味

葬儀を教えて、

先生、「成仏」って仏教でよく聞く言葉だけど、亡くなることとどう関係があるんですか? 仏になるってことは、修行を積んだ人だけがなれるんじゃないんですか?

葬儀スタッフ

いい質問ですね。確かに「成仏」は、悟りを開き仏になることを意味します。しかし、仏教では人は誰でも、死後、迷いの世界から脱して仏になれると考えられています。

葬儀を教えて、

え、誰でも仏になれるんですか?

葬儀スタッフ

そうです。ただし、生前の行いによって、すぐに成仏できない場合もあるとされています。そこで、残された人々が故人のために供養をすることで、成仏を助けることができると考えられているんですよ。

成仏とは。

「成仏」は、葬儀の際に使われる言葉で、二つの意味があります。一つは、悟りを開いて仏になることで、もう一つはこの世を去って亡くなることを指します。

葬儀における『成仏』の意味とは

葬儀における『成仏』の意味とは

葬儀の場で「成仏」という言葉が使われる時、それは一般的に亡くなった方が安らかにあの世へ旅立ち、再びこの世に生まれ変わることなく、迷わずに済むようにという願いが込められています。

これは、残された者が故人の冥福を祈り、安らかな旅立ちを願う気持ちの表れと言えるでしょう。

しかし、仏教における本来の「成仏」の意味は、葬儀で用いられる意味とは少し異なる側面も持っています。

仏教における『成仏』 本来の意味

仏教における『成仏』 本来の意味

仏教の教えにおける「成仏」とは、本来、あらゆる迷いから解放され、悟りを開いた状態を指します。これは、お釈迦様が説いたように、生と死を繰り返す輪廻の苦しみから抜け出すことを意味します。つまり、私たちが一般的に葬儀の場で使う「成仏」とは、少し意味合いが異なるのです。

『成仏』と似た言葉『往生』との違い

『成仏』と似た言葉『往生』との違い

仏教において「成仏」と似た言葉に「往生」があります。どちらも死後、迷いの世界から悟りの世界へ行くことを意味しますが、微妙な違いがあります。

「成仏」は、あらゆる煩悩から解放され、仏の境地に達することを指します。一方、「往生」は、死後、極楽浄土のような、より良い世界に生まれ変わることを意味します。

つまり、「往生」は「成仏」の一つの形と捉えることができます。仏教の教えでは、最終的には誰もが成仏するとされていますが、そこに至るまでには、何度も輪廻転生を繰り返し、修行を積む必要があると考えられています。

故人の『成仏』を願う気持ち

故人の『成仏』を願う気持ち

葬儀の場で頻繁に耳にする「成仏」という言葉。私たちは、故人が安らかに眠れるようにと、この言葉を口にします。残された者にとって、故人の死を受け入れることは容易ではありません。悲しみや後悔の念は、時に故人をこの世に繋ぎ止めてしまうような、苦しい感情を生み出すこともあります。

「成仏」という言葉には、そのような苦しみから故人を解放し、安らかな世界へと送り出してあげるという意味が込められています。私たちは故人の冥福を祈りながら、同時に、自らの心からも故人を解き放ち、前を向いて進んでいく決意を新たにするのです。

『成仏』を通して考える死生観

『成仏』を通して考える死生観

「成仏」という言葉は、人が亡くなった時に「安らかに」という意味を込めて使われることが一般的です。特に葬儀の場では、「成仏できない」ことが不幸なことのように捉えられることもあります。しかし、仏教の教えにおける「成仏」は、私たちが普段イメージするような、死後の世界での安寧だけを意味する言葉ではありません。

仏教では、この世に生を受け、また死んでいくという輪廻転生の考え方を説いています。そして、「成仏」とは、この苦しみの輪廻から解き放たれ、悟りの境地に達することを意味します。つまり、「死後の世界での安寧」は「成仏」の一つの側面でしかなく、本来は、生きていく上での苦しみや迷いから解放されることを指しているのです。

このように、「成仏」という言葉一つとっても、私たちの死生観と深く結びついていることが分かります。死を恐れるのではなく、「死」を通して「生」の意味を見つめ直し、今をどのように生きていくか、一人ひとりが深く考えるきっかけを与えてくれるのが「成仏」という言葉なのかもしれません。

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