葬儀後の『直会』とは? – 故人を偲ぶ大切な時間
葬儀を教えて、
先生、「直会」って神事が終わってからみんなでご飯を食べることですよね? どうしてご飯を食べることを「直会」って言うんですか?
葬儀スタッフ
良い質問ですね!「直会」の「直」は「直す」という意味で、「神様と人が共に食事をすることで、神聖な状態から元の人間の世界に戻る」という意味があるんです。
葬儀を教えて、
なるほど! 元の人間の世界に戻るための儀式のようなものなんですね!
葬儀スタッフ
そうです! 元々は神様にお供えしたものを頂くことで、神様との繋がりを感じ、一体感を高めるという意味合いもあったんですよ。
直会とは。
葬儀で使われる「直会」という言葉は、神事の後、神様に捧げたお酒や食べ物をみんなでいただく宴のことです。これは、神聖な場から日常に戻る、という意味が込められています。
『直会』の意味と由来
「直会」とは、葬儀や法要などの儀式の後に行われる食事会のことを指します。 仏式の場合には「お斎(おとき)」とも呼ばれます。 語源は諸説ありますが、神事の際に神前に供えたお酒や食べ物を皆でいただく「直会(なおらい)」の習慣が仏教儀式にも取り入れられたという説が有力です。
古くは、葬儀を手伝ってくれた人々への労をねぎらうとともに、故人の霊を慰め、共にあの世へ旅立つことを祈るという意味合いがありました。現代では、参列者たちが食事を共にすることで、故人を偲び、思い出話に花を咲かせながら、悲しみを分かち合い、心を癒やす場として重要な役割を担っています。
葬儀における『直会』の役割
葬儀における『直会』は、単なる食事会ではありません。これは、故人を偲び、生前の思い出話などを語り合うことで、参列者一同が心を一つにするための大切な時間です。葬儀の厳粛な雰囲気から一転し、和やかな雰囲気の中で故人との別れを惜しみ、残された人々が互いに慰め合い、支え合うための場としての役割を担っています。
『直会』で振る舞われる料理と飲み物
直会では、参列者一同で食事を共にすることで、故人を偲び、労いの言葉を交わします。食事の内容は地域や宗教、それぞれの家の習慣によって異なりますが、一般的には、仕出し弁当やお寿司、オードブルなどが用意されます。
飲み物は、ビールや日本酒、焼酎などが一般的です。ただし、近年では、故人が好きだった飲み物を用意したり、ノンアルコール飲料を用意するケースも増えています。
大切なのは、形式にとらわれすぎることなく、故人を偲び、参列者同士の心の距離を縮めることができるような、あたたかい雰囲気の中で食事を楽しむことです。
『直会』でのマナーと注意点
葬儀後の『直会』は、参列者と遺族が食事を共にすることで、緊張を解き、故人を偲ぶための大切な時間です。しかし、葬儀という厳粛な儀礼の後の席であるため、マナーや注意点を踏まえておくことが重要です。
まず、席次ですが、基本的に故人と親しかった人から順に上座に座ります。遺族は末席に座ることが一般的です。また、服装は、喪服のままで問題ありません。ただし、会場や時間帯、地域によっては平服でよい場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
次に、会話ですが、故人との思い出話や、遺族を気遣う言葉をかけるようにしましょう。一方で、忌み言葉には注意が必要です。「繰り返し」「度重なる」といった不幸が続くことを連想させる言葉や、「切る」「切れる」といった縁起が悪い言葉は避けましょう。
さらに、お酒は、故人を偲び、労をねぎらうという意味合いから振る舞われます。しかし、飲み過ぎや大声で騒ぐ行為は慎み、節度を持った行動を心がけましょう。
直会は、葬儀という厳粛な場から一転し、和やかな雰囲気の中で故人を偲ぶ大切な時間です。これらのマナーと注意点を踏まえ、故人の冥福を祈り、遺族に寄り添う気持ちを大切にしましょう。
時代と共に変化する『直会』の形
かつて葬儀後の直会といえば、参列者全員で故人を偲びながら、一緒に食事を囲むのが一般的でした。会場も自宅や近所の会館などを利用することが多く、手作り料理を振る舞う光景もよく見られました。しかし近年では、葬儀の規模が縮小傾向にあることや、核家族化が進んでいることなどから、直会の形式も変化しつつあります。
例えば、会場はホテルやレストランなど、落ち着いた雰囲気の場所を選ぶケースが増えています。また、仕出し料理を利用するなど、準備の手間を省くケースも多くなっています。さらに、参列者全員ではなく、親族のみで少人数で行うケースや、時間帯も短い時間で済ませるケースなど、時代や状況に合わせて柔軟に対応する傾向が見られます。