知っておきたい遺骨の基礎知識
葬儀を教えて、
先生、「遺骨」って、火葬された後の骨のことだけを言うんですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね!確かに、日本では火葬が一般的だから、焼骨された後のイメージが強いですよね。でも、厳密に言うと、火葬の有無を問わず、故人の骨を指す言葉なんですよ。
葬儀を教えて、
じゃあ、土葬の場合でも『遺骨』って言うんですか?
葬儀スタッフ
その通りです。土葬の場合でも、ご遺体を埋葬した後に残る骨も『遺骨』と呼びます。火葬されたものか土葬されたものかによって呼び方が変わるわけではありませんよ。
遺骨とは。
「遺骨」とは、亡くなった方の骨を指す葬儀用語です。 通常、火葬場で焼かれた後、骨壺に納められた状態を指します。 この遺骨をお墓に納めることを「納骨」と言います。 また、古い遺骨を墓地内で土に返すことを「散骨」と言い、これは樹木葬などでも行われます。 さらに、遺骨を複数の場所に納めるために、骨壺を分けることを「分骨」と言います。
遺骨とは何か?
遺骨とは、火葬によって残った骨や灰のことで、法律上は「死体」とは見なされず「埋葬に付すべき遺体の一部」と定義されています。そのため、墓地埋葬法などの法律の規制対象外となり、自宅で保管したり、散骨などの自由な方法で供養することが可能です。
しかし、遺骨は故人の体の一部であり、その扱い方には宗教的な意味合いや、故人への敬意、遺族の心情などが深く関わってきます。そのため、安易に扱うのではなく、それぞれの考え方や気持ちに配慮することが重要です。
火葬と遺骨の関係
火葬とは、故人の遺体を火葬炉の高温で燃焼させ、遺骨にする葬送方法です。日本では現在、ほぼ100%の方が火葬を選択しています。火葬によって、有機物である肉体部分はほとんどが燃焼し、残るのは主に骨格部分となります。この骨格部分が、一般的に「遺骨」と呼ばれるものです。
火葬後は、残った骨を拾い上げて骨壺に納めます。この作業を「収骨」と言い、地域や宗教によって、収骨の方法や手順が異なる場合があります。火葬によって残る遺骨は、故人の体格や火葬炉の性能によって量が異なりますが、故人を偲ぶ大切な象徴として、丁重に扱われます。
納骨までの流れ
火葬後、遺骨はすべて骨壺に入れるわけではありません。 多くの場合、故人様が生前に希望されていた場合や、宗教上の理由がない限り、骨壺に収められない一部の遺骨は、火葬場によって処理されます。
その後、遺族は残された遺骨の一部を骨壺に納めます。 この際、故人様と特に縁の深かった場所の土などを骨壺に入れることもあります。これを「埋骨」と言い、故郷を偲んだり、安らかな眠りを願ったりする意味が込められています。
そして、骨壺は四十九日の法要まで、自宅あるいは寺院に安置されます。 その後、改めて遺族や親族が集まり、納骨の儀式を行います。
納骨の方法は、墓地に埋葬する方法と、納骨堂に納める方法があります。近年では、墓地の維持管理の手間や費用の面から、納骨堂を選択するケースも増えています。
いずれの場合も、納骨は故人様を偲び、冥福を祈る大切な儀式です。それぞれの宗教や宗派、地域の慣習などに従って、心を込めて行いましょう。
散骨と分骨について
近年、従来のお墓の形にとらわれず、故人を偲ぶ方法として、散骨や分骨を選択する人が増えています。ここでは、散骨と分骨について、それぞれの概要と、知っておきたいポイントを解説していきます。
– 散骨とは
散骨とは、遺骨を粉末状にした「遺灰」を、海や山などに撒く埋葬方法です。故人が生前、海を愛していた、山が好きだったなど、その人の想いに寄り添って最後のお別れができる方法として注目されています。
散骨を行う際には、事前に散骨業者に依頼したり、許可を得る必要がある場合があるなど、いくつか注意が必要です。
– 分骨とは
分骨とは、遺骨の一部を他の場所に埋葬する方法のことです。故人の故郷や、思い出の場所に分骨したり、家族がそれぞれの場所で故人を偲びたい場合に選ばれることがあります。
分骨を行う場合、埋葬する場所や方法によって必要な手続きが異なるため、事前に確認が必要です。
散骨と分骨は、従来のお墓のあり方にとらわれない、自由度の高い供養方法として、近年その需要が高まっています。
しかし、法的な規制や、周囲の理解、そして遺族の気持ちなど、考慮すべき点は少なくありません。
故人を偲び、その想いを尊重するために、事前にしっかりと情報収集を行い、納得のいく方法を選択することが大切です。
遺骨を取り巻く現代の動向
近年、お墓や葬儀に関する価値観が多様化しており、遺骨の扱いについても従来の慣習にとらわれない新しい選択肢が増えてきています。
従来の日本では、一般的に火葬された遺骨は墓地に埋葬されてきました。しかし、都市部における墓地不足や、継承者不在、経済的な問題などから、必ずしも墓石を建てることが難しい状況も生まれてきています。
このような背景から、近年では散骨、樹木葬、海洋葬など、自然に還ることを意識した埋葬方法や、遺骨をパウダー状に加工してアクセサリーとして身につける「手元供養」など、多様な供養の形が選ばれるようになっています。
また、インターネット上で故人を偲ぶオンライン墓地や、デジタル遺品管理サービスなども登場し、時代とともに変化する価値観やライフスタイルに合わせた新しい供養の形が生まれ続けています。