知っておきたい神式用語: 葬場祭とは？

知っておきたい神式用語: 葬場祭とは？

葬場祭とは何か

葬場祭（そうじょうさい）とは、神道の儀式において、故人が亡くなった家から出棺する際に執り行われる祭儀のことです。
故人の霊魂が清浄な状態であの世へと旅立てるよう、お祈りを捧げます。具体的には、祭壇に故人や神様への供え物をし、神職が祝詞を奏上して、最後に参列者全員で拝礼を行います。
葬場祭は、神道の教えに基づき、この世とあの世の境界で執り行われる大切な儀式とされています。

葬場祭の流れと意味

葬場祭は、故人様を火葬場へと送り出す際に、霊前にて行われる儀式です。
ご遺族や親族、故人と親しかった関係者が参列し、故人様との最後のお別れを惜しみます。

一般的な葬場祭の流れは以下の通りです。

1. -修祓（しゅばつ）- 神職が祭壇や参列者をお祓えし、場を清めます。
2. -降神（こうしん）- 祭壇に神様をお招きします。
3. -献饌（けんせん）- 神饌（しんせん、神様へのお供え物）をお供えします。
4. -祝詞奏上（のりとそうじょう）- 故人様を偲び、冥福を祈る祝詞を神職が奏上します。
5. -玉串奉奠（たまぐしほうてん）- 玉串（たまぐし、神様へ捧げる榊の枝）を祭壇に捧げ、拝礼します。
6. -撤饌（てっせん）- お供え物を下げます。
7. -昇神（しょうしん）- 神様にお帰りいただきます。
8. -閉祭- 儀式を締めくくります。

葬場祭は、故人様をあの世へと見送るための大切な儀式です。
参列者は、故人様との別れを偲び、冥福を祈る心を込めて儀式に臨みましょう。

葬場祭での服装と持ち物

葬場祭は、故人様があの世へと旅立たれる際に、現世での最後の別れを告げる大切な儀式です。そのため、服装や持ち物にも一定のマナーが存在します。

基本的には、喪服を着用します。男性はブラックスーツに白いワイシャツ、黒のネクタイを着用し、女性は黒のワンピースやスーツ、アンサンブルを着用するのが一般的です。

アクセサリーは、結婚指輪以外は控えるのがマナーです。華美な装飾品は避け、故人を見送る場にふさわしい、シンプルで落ち着いた服装を心がけましょう。

持ち物としては、数珠、袱紗、ハンカチを用意しましょう。神式では、仏式のように香典袋に故人様への戒名料を入れる必要はありませんが、葬儀に参列する際に、御霊前と表書きした不祝儀袋に現金を包んで持参します。

葬場祭は、故人様を厳粛な気持ちで見送るための儀式です。服装や持ち物にも気を配り、故人様との最期の時間を大切に過ごしましょう。

仏式葬儀との違い

仏式葬儀ではおなじみの「葬儀・告別式」という言葉ですが、神式では「葬場祭」といいます。これは、神道の教えに基づき、故人の魂を祖霊へと導き、その安寧を祈るための儀式です。

仏式葬儀との大きな違いは、僧侶が読経を行う代わりに、神職が祝詞を奏上する点です。また、焼香の代わりに「玉串奉奠」を行い、故人の霊前に玉串を捧げて拝礼します。さらに、仏式で用いられる「戒名」は、神式では「諡（おくりな）」と呼ばれ、生前の故人の行いに基づいて授けられます。

葬場祭に関するよくある質問

– 葬場祭に関するよくある質問

神式の葬儀に参列することになったけれど、仏式とは違うことが多くて戸惑ってしまう… という方もいらっしゃるのではないでしょうか？
この項目では、葬場祭についてよくある質問をまとめました。

-Q. 葬場祭でやってはいけないことはありますか？-

A. 葬場祭では、故人の霊が浄化され、神様のもとへ還るための儀式が行われます。 したがって、派手な服装や華美な装飾品は避け、黒や紺、グレーなど落ち着いた色の服装を心がけましょう。
数珠は不要ですが、神前に供える玉串料は袱紗に包んで持参しましょう。

-Q. incense（お香）の代わりに焚くものは何ですか？-

A. 神式の葬儀では、お香の代わりに「抹香（まこう）」を焚きます。 抹香は、粉末状にした香木で、焚くと清浄な香りが広がります。
葬場祭では、喪主、遺族、参列者の順に抹香を焚いて拝礼します。

-Q. 葬場祭はどのくらい時間がかかりますか？-

A. 葬場祭の時間は、一般的に30分から1時間程度です。 宗教者による祝詞奏上、玉串奉奠などが行われます。

-Q. 何か言葉をかけるとしたら、どんな言葉が良いですか？-

A. 仏式のように「ご冥福をお祈りします」などとは言わず、「安らかにお眠りください」「ご愁傷様です」などと言いましょう。 また、故人との思い出を語りかけるのも良いでしょう。