精進落としとは?意味やマナー、最近の傾向まで解説
葬儀を教えて、
先生、「精進落とし」ってなんですか? 葬儀の後にする食事会のことですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね。確かに葬儀の後にする食事会のことですが、それだけではありません。葬儀の間、遺族は肉や魚などの殺生を連想させる食べ物を避けていました。これは「精進料理」と呼ばれ、故人を偲び、冥福を祈るための大切な行為です。「精進落とし」は、この精進料理の期間を終え、普段通りの食事に戻ること、そしてその際に関係者で共に食事をすることを指します。
葬儀を教えて、
なるほど。つまり、食事の内容が変わるだけじゃなくて、気持ちの区切りをつける意味もあるんですね。
葬儀スタッフ
その通りです。精進落としは、悲しみを乗り越え、前向きに生きていくための儀式とも言えるでしょう。
精進落しとは。
葬儀に関する用語「精進落し」とは、葬儀期間中に控えていた肉や魚などの食事を、忌明けとともに再び口にすることを指します。葬儀の後、親族やお世話になった方々へ、労をねぎらい感謝の気持ちを込めて食事を振る舞うことを意味します。精進明けや精進上げとも呼ばれます。
精進落としの意味と由来
「精進落とし」— どこかで聞いたことがあるけれど、いまいち意味がわからない…そう思っていませんか?
精進落としとは、仏教用語の「精進」と「落とし」を組み合わせた言葉です。
「精進」とは、仏道修行に励むこと、転じて、勉学や仕事などに励むことを意味します。「落とし」は文字通り、精進していたものをやめる、という意味です。
つまり精進落としとは、一定期間、修行や努力を続けた後に、その労をねぎらい、解禁されたものを食べることを指します。
精進落としのマナーと服装
精進落としは、長らく禁じていたものを解禁するお祝いの席ですが、あくまでも修行を終えたことへの労をねぎらう、厳かな場であることを忘れてはいけません。失礼な言動や行動は避け、節度を守って楽しみましょう。
服装については、特に決まりはありませんが、TPOに合わせた服装を選ぶことが重要です。フォーマルな場であれば、スーツやワンピースなどが適切でしょう。カジュアルな場であれば、普段着でも構いませんが、清潔感のある服装を選ぶように心がけましょう。
また、精進落としは食事を楽しむ場でもあります。料理を美味しそうにいただくことはもちろん、提供された料理や飲み物について感謝の気持ちを伝えることも大切です。
精進落としで食べる料理
精進落としは、これまでの期間、禁じていた肉や魚、卵などを解禁し、美味しいものを食べて労をねぎらう意味合いがあります。そのため、精進料理とは対照的に、ご馳走や豪華な食事が一般的です。
具体的には、寿司や天ぷら、焼き肉、すき焼きなどが人気です。また、地域や家庭によっては、その土地の特産品や、普段なかなか食べられないような高級食材を取り入れることもあります。
大切なのは、精進期間の頑張りを労い、共に食事を楽しむという気持ちです。豪華さよりも、参加者みんなで美味しく楽しく食事ができるように配慮することが大切です。
最近の精進落としの傾向
かつては修行の一環として行われていた精進落としも、現代ではその形式も多様化しています。
厳格なルールのもとで行われる伝統的なスタイルを踏襲する場合もあれば、気軽な食事会で労をねぎらうケースも少なくありません。
特に、健康志向の高まりや食の多様化に伴い、精進料理に代わるヘルシーな食事や、参加者の好みに合わせた料理を提供する例も見られます。
また、オンラインで参加できる精進落としなど、時代の変化に対応した新しい形の精進落としも生まれています。
まとめ|故人を偲び、感謝を伝える場
精進落としは、葬儀や法要など、仏教儀式において、儀式が滞りなく終了したことを労い、参列者で共に食事をする儀式です。もともとは僧侶や近親者が精進料理を囲んで労をねぎらったことに由来しますが、現在では仕出し料理などを囲んで、故人を偲び、生前の思い出話に花を咲かせる場となっています。
葬儀後の不安や緊張が解けることで、参列者同士のコミュニケーションを深め、悲しみを分かち合うことができる貴重な機会となっています。形式やマナーも時代とともに変化しており、近年では、故人の好きだった料理や飲み物を用意するなど、より自由な形式で行われるケースも増えています。