五十回忌とは? 基礎知識と意味、宗派による違いも解説
葬儀を教えて、
先生、「五十回忌」って、故人が亡くなってから50回目の命日ってことですよね?
葬儀スタッフ
よくぞ気づいたね! 実は、五十回忌は亡くなってから満49年目の命日に行う法要なんだ。 つまり、50回目ではなく49回目ということになるね。
葬儀を教えて、
あれ?じゃあ、なんで「五十」回忌って言うんですか?
葬儀スタッフ
それはね、最初の命日も「一回目」と数えるからなんだ。だから、亡くなってから1年目は「一回忌」、2年目は「三回忌」…と数えていくと、49年目は「五十回忌」になるんだよ。
五十回忌とは。
「五十回忌」とは、故人が亡くなってから満49年目の命日に行う法要のことです。
宗派によっては、五十回忌をもって故人が極楽浄土へ旅立ったとみなす「弔い上げ」を行う場合もあります。
神道では、五十回忌に相当する儀式として「五十年祭」を行い、故人が神になったと考えることがあります。
また、中には百五十回忌(故人が亡くなってから149年目)の法要を行う場合も見られます。
なお、多くの宗派では、弔い上げの法要は五十回忌か三十三回忌までとなっています。
五十回忌の基本: 何故49年目に行うの?
五十回忌は、故人の没後50年目に営む法要と思われがちですが、実際には没後49年目の命日に行います。これは、仏教の教えに基づいた考え方によるものです。
仏教では、人は亡くなってから49日間、7日ごとに異なる裁判を受けるとされ、その審判を経て、次に生まれ変わる世界が決まるとされています。そして、没後49日目に行われる忌明けの法要をもって、故人は迷いの世界から解放され、晴れて浄土へと旅立つことができると考えられています。
つまり、五十回忌は、故人が迷いの世界から完全に離れ、悟りの境地に至ったことを祝福する意味を持つ重要な法要なのです。
五十回忌の意義: 故人との繋がり、そして感謝を捧げる日
五十回忌は、故人の死後五十年目に迎える法要です。年月の流れを感じるとともに、この節目に改めて故人を偲び、生前の感謝の気持ちを捧げる機会となります。遠い記憶の中の人となったとしても、その存在は子孫の中で生き続け、家族や親族の絆を再確認する場となるでしょう。
宗派による違い: 弔い上げ、三十三回忌との関係は?
五十回忌は、多くの宗派で区切りとされ、三十三回忌と同様に「弔い上げ」として扱われることが多いです。これは、五十回忌をもって、故人の魂が完全に浄化され、子孫の守護をしてくれる祖霊となると考えられているためです。
ただし、宗派や地域によっては、五十回忌ではなく三十三回忌を弔い上げとする場合もあります。いずれにしても、五十回忌や三十三回忌は、故人を偲び、感謝の気持ちを捧げる大切な機会であることに変わりはありません。
神道における五十回忌: 五十年祭と神様への昇華
神道では、仏教の五十回忌にあたる法要を「五十年祭」と呼びます。これは、亡くなってから50年という節目を迎え、故人が祖霊として一族を守護する神様へと完全に昇華したことを祝う儀式です。
五十年祭は、子孫が集まり、神職の祈祷によって故人の霊を慰め、感謝の気持ちを捧げます。また、神棚に故人の霊璽(れいじ)を新たに祀り、以後、子孫が代々お守りしていくことになります。五十年祭は、故人が家族や親族にとって、遠い存在ではなく、常に寄り添い、見守ってくれる神様としての存在になることを意味する重要な儀式と言えます。
現代における五十回忌: 簡素化と心のこもった供養
かつては盛大に行われていた五十回忌ですが、現代では家族葬が主流になるなど葬儀の簡素化が進んでおり、五十回忌も同様の傾向にあります。
昔のように親族が皆集まることが難しく、費用や準備の手間を考慮して、規模を縮小して行うケースが増えています。
しかし、規模が縮小されても、五十回忌に込められた「故人を偲び、冥福を祈る」という気持ちは変わりません。
形式よりも、故人を想い、感謝の気持ちを込めて供養することが大切と言えるでしょう。