葬儀の「壁代」とは? 神聖な空間の意味と由来
葬儀を教えて、
先生、「壁代」って神道の葬儀でよく聞くんですけど、どういう意味ですか?
葬儀スタッフ
良い質問ですね。「壁代」は、神聖な空間を示すためにつける白地の布のことです。神社でも見かけますね。
葬儀を教えて、
神社でも見たことあります! あれが壁代なんですね。葬儀の場合はどう使うんですか?
葬儀スタッフ
神式の葬儀では、祭壇の横や後ろに張ります。神聖な場所であることを示すためですね。朽木幕と併用することもありますよ。
壁代とは。
「壁代(へきしろ)」とは、神道における葬儀用語の一つで、神聖な場所を示すために用いる白地の布のことです。神社などでは、周囲を囲むように設置されます。元々は、貴族の邸宅などで部屋を仕切るために使われていました。神式の葬儀では、祭壇の側面や背面の壁に張られます。また、朽木幕(くちきまく)と呼ばれる鯨幕が代わりに用いられることもあります。
1. 葬儀における「壁代」の役割と意味
葬儀に参列すると、「壁代」や「御香典」といった言葉を耳にすることがあるでしょう。これらの言葉は、普段の生活ではあまり触れる機会がなく、初めて耳にする方も少なくないかもしれません。特に「壁代」は、その言葉の響きから、一体どのような意味合いを持つのか、疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
今回は、葬儀において重要な役割を担う「壁代」について、その意味や由来、そしてマナーについて詳しく解説していきます。
2. 壁代の素材と設置場所
壁代として用いられる素材は、地域や宗教、葬儀場の設備などによって様々です。かつては、白い布が一般的でしたが、最近では、不燃性の布や間仕切りなどが用いられることも多くなっています。
設置場所も、式場全体を覆う場合もあれば、祭壇の背面のみに設置する場合もあります。また、故人との思い出の写真や映像を投影するスクリーンとして利用されることもあります。
3. 古代から続く「壁代」の歴史
「壁代」の習慣は、実は日本の葬儀の歴史とともに古くから存在していました。 古代の人々は、死は穢れであり、それが生者に及ぶことを恐れていました。そこで、葬儀を行う際には、聖域と俗世を隔てるために壁を設け、その壁によって故人を神聖な空間へと導いたのです。 この壁を設けるための費用として「壁代」が支払われていたと考えられています。時代が進むにつれて、壁の material や設置方法は変化しましたが、「壁代」という概念は現代まで受け継がれています。
4. 「壁代」と「朽木幕」の違い
「壁代」と混同されやすいものに「朽木幕」があります。どちらも布を用いる点では共通していますが、設置場所や意味合いが異なります。
「壁代」は、主に会場内の壁全体を覆うように設置し、故人を偲び、参列者と空間を共有するためのものです。一方、「朽木幕」は、葬儀式場への入り口に設置されます。これは、現世とあの世を隔てる結界を象徴し、邪気を払うという意味が込められています。
「壁代」と「朽木幕」は、どちらも葬儀において重要な役割を担っています。それぞれの意味合いを理解することで、より深い弔いの心を表すことができるでしょう。
5. 神聖な空間を表現する「壁代」の意義
葬儀における「壁代」は、単なる会場使用料とは一線を画すものです。これは、故人を偲び、冥福を祈るための神聖な空間を一時的に創造するための費用という意味合いを持ちます。
壁や仕切りによって非日常的な空間が作られることで、参列者は日常から離れ、故人との最後の時間を共有することができます。また、「壁代」という言葉には、遺族の悲しみを癒やすための「心の壁」という意味も込められていると言われています。