お墓は東向き?西方極楽浄土とのお付き合い方
葬儀を教えて、
先生、「請け花」ってなんですか? お墓に飾ってある花のことですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね!実は、お墓に飾る花は「供花(きょうか)」って言うんだ。では「請け花」は何かというと、石灯籠や多宝塔にある蓮華の形をした台座のこと、または花の彫刻の飾りのことを指すんだよ。
葬儀を教えて、
へえー、そうなんですね!じゃあ、お墓に蓮の花の彫刻がよくあるのは、「請け花」だからってことですか?
葬儀スタッフ
その通り!蓮の花は仏教と深い関係があるから、よく使われるんだよ。現代のお墓では、多宝塔はあまり見かけないけど、蓮の彫刻は、墓石に施されていることが多いね。
請け花とは。
「請け花」という言葉は、葬儀の際に使われる仏具に見られる装飾の一つです。石灯籠や多宝塔の蓮の花のような形の土台や、花が彫刻された飾りのことを指します。 近年、関東地方では墓石に多宝塔を建てることは少なくなりましたが、蓮の花の装飾が施された墓石は、今も変わらず多くの人に選ばれています。
西方極楽浄土とは?
「西方極楽浄土」とは、仏教の教えにおいて、この世とは異なる世界に存在するとされる理想の楽園です。 西方に位置し、阿弥陀如来が治めるとされ、苦しみのない、永遠の幸せが約束された場所とされています。
現世での行いに関係なく、阿弥陀如来を信じ、その名である「南無阿弥陀仏」を唱えれば、誰でも往生できると説かれており、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。
阿弥陀如来と極楽浄土の関係
「お墓は西向きが縁起が良い」と聞いたことはありませんか?これは、西方にあるとされる極楽浄土に向かって手を合わせるためと言われています。では、なぜ極楽浄土は西方にあるとされているのでしょうか?
仏教には様々な仏様が登場しますが、その中でも極楽浄土と深い関係があるのが阿弥陀如来です。阿弥陀如来は、私たち人間が救済され、苦しみのない平和な世界である極楽浄土へ往生できるように、と日々願い続けてくれています。そして、その阿弥陀如来が住む世界こそが西方にある極楽浄土なのです。そのため、極楽浄土は西方とされており、お墓も西向きに建てられることが多いのです。
宗派による解釈の違い
仏教では、あの世である極楽浄土は西に存在するとされています。そのため、多くの場合、仏壇は西向きに設置されることが多いです。では、お墓はどうでしょうか?
実は、お墓の向きに関して、仏教では明確な決まりはありません。宗派や地域によって、様々な考え方や慣習が存在します。
例えば、浄土真宗では、阿弥陀如来の慈悲はすべての方角に平等に届くと説いています。そのため、お墓の向きにこだわる必要はないという考え方が一般的です。
一方で、他の宗派では、西向き、南向き、東向きなど、それぞれに吉とされる方角や理由が存在します。いずれにしても、大切なのは方角よりも、故人を偲び、供養する気持ちと言えるでしょう。
西方浄土と墓の方位の関係
「お墓は東向きが良い」と聞いたことはありませんか?これは、西方にあるとされる極楽浄土に向かって阿弥陀仏様を拝むという考え方が根底にあります。つまり、お墓に眠る方を西側に、そしてお墓参りする人が東側に立つことで、共に同じ方向を向き、共に祈りを捧げられるというわけです。
しかしながら、これはあくまでも一般的な慣習の一つです。宗派や地域によっては異なる考え方もありますし、墓地の地形や日当たりなどの条件によって、必ずしも東向きが最適とは限りません。 大切なのは、故人を偲び、安らかに眠れるようにと願う気持ちです。
現代における西方浄土の捉え方
「西方浄土」という言葉は、仏教に馴染みのない方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。古来より、西方に位置するとされてきた理想郷、極楽浄土。死後、その楽園に往きたいと願う気持ちは、現代人の私たちにとってもどこか共感できる部分があるかもしれません。
情報化社会が進み、科学技術が発展した現代において、「西方浄土」は、必ずしも物理的な場所として捉える必要はないと言えるでしょう。むしろ、心の拠り所、あるいは目指すべき理想の状態として捉え直すことができるのではないでしょうか。
日々の生活の中で、ストレスや不安に押しつぶされそうになる時、「西方浄土」のイメージは、私たちに心の安らぎを与え、前向きに生きるための力を与えてくれるはずです。それは、具体的な宗教儀礼や信仰の有無に関わらず、現代社会を生きる私たちにとって大切な心の持ち方と言えるでしょう。