お墓の蹲踞、その意味と現代における変遷

お墓に関すること

お墓の蹲踞、その意味と現代における変遷

葬儀を教えて、

先生、「蹲」ってなんですか? お墓参りの時に見かける水が溜まっているあれのことですか?

葬儀スタッフ

いいところに気がつきましたね! その通りです。「蹲」は、お墓に設置されている、水をためておく場所のことです。 手水鉢とも呼ばれます。

葬儀を教えて、

あれって、手を洗うためだけにあるんですか?

葬儀スタッフ

手を清めるという意味もありますが、それだけではありません。 元々は、お墓を美しく飾るためのものとして設置されていました。 最近は、お墓のデザインも変わってきているので、「蹲」を見かける機会も減ってきたかもしれませんね。

蹲とは。

蹲踞とは何か?

蹲踞とは何か?

お墓参りに行くと、水鉢と水桶が置かれた一画がありますね。皆さんは、そこで手を清めた経験はありませんか? 実はこの一画には「蹲踞(つくばい)」という名前があり、古くから受け継がれてきた大切な意味を持っています。今回は、お墓に設置された蹲踞の役割や、現代における変遷について詳しく見ていきましょう。

お墓における蹲踞の役割

お墓における蹲踞の役割

お墓に必ずと言っていいほど設置されている蹲踞。普段何気なく使っているかもしれませんが、実は故人への大切な想いを込めるための設備です。

古来より、水には穢れを洗い流す力があると信じられてきました。お墓参りの前に手を清めることで、心身を清め、故人に失礼のないようにするという意味が込められています。また、冷たい水に触れることで心を落ち着かせ、故人との対話の時間をより深いものにする効果もあると言えるでしょう。

蹲踞の種類とデザイン

蹲踞の種類とデザイン

お墓に設置される蹲踞は、大きく分けて伝統的な和風デザインと、現代的な洋風デザインの二つに分類されます。

伝統的な和風デザインの蹲踞は、自然石をそのまま活かしたものが多く、長い年月を経て風化した石の表面は、独特の静寂さを醸し出します。一方、近年人気が高まっている洋風デザインの蹲踞は、御影石などの磨き上げられた石材を用い、直線的なフォルムで洗練された印象を与えます。

また、近年では、水鉢に蓮の花を模した彫刻を施したり、水栓を鳥のモチーフにしたりするなど、デザイン性の高い蹲踞も増えています。

このように、蹲踞のデザインは時代とともに変化しており、最近では、故人の個性を表現したり、墓所の景観に合わせたデザインが求められるようになっています。

現代のお墓と蹲踞

現代のお墓と蹲踞

かつてはどのお墓にも当たり前のように設置されていた蹲踞ですが、近年ではその姿を見かける機会も減ってきました。都市部における墓地の高騰や核家族化が進んだ結果、お墓の形態もコンパクトなものへと変化しており、それに伴い蹲踞が設置されないケースが増えているのです。

また、近年のお墓は承継者不足の問題も深刻化しており、こまめな管理が難しい状況も蹲踞の減少に拍車をかけています。従来の石造りの蹲踞は、水垢の付着やコケの発生など、定期的な清掃が必要となるため、管理の手間を懸念する方が多いことも事実です。

しかし、蹲踞には故人を偲び、心を込めて水を手向けるという大切な役割があります。近年では、こうした伝統的な意味合いを見直し、コンパクトなデザインの蹲踞や、人工素材を用いたメンテナンスの手間がかからない蹲踞なども登場しています。時代の変化とともにその姿を変えながらも、蹲踞はこれからも大切な役割を担っていくことでしょう。

蹲踞の未来 – 伝統と現代の調和

蹲踞の未来 - 伝統と現代の調和

お墓参りの際に目にする蹲踞。手を清めるためのこの場所には、古くから受け継がれてきた日本人の心のあり方が込められています。しかし、時代の変化とともに、墓地の形態や人々の生活様式も変化し、従来の石造りの蹲踞は設置や維持が難しいと感じる人も増えているようです。

こうした中で、近年注目されているのが、コンパクトなデザインや素材の蹲踞です。ステンレス製のものや、給水タンクと一体型になったものなど、現代のニーズに合わせた様々なタイプの蹲踞が登場しています。また、水場全体を美しく演出する植栽を取り入れたり、周囲の景観と調和したデザインを取り入れるなど、景観への配慮も高まっています。

伝統的な形式を重んじながらも、現代のライフスタイルに合わせた新しい形を取り入れることで、蹲踞はこれからも大切な心の拠り所として、私たちに寄り添っていくことでしょう。

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