意外と知らない?供養塔の種類と意味

お墓に関すること

意外と知らない?供養塔の種類と意味

葬儀を教えて、

先生、供養塔って、お墓とは違うんですか?お寺にあるイメージなんですが…

葬儀スタッフ

いい質問ですね!お墓と供養塔は、厳密に区別されていない場合も多いですが、供養塔はお墓よりも、もっと広い意味で、故人を偲び、供養するための仏教建築物を指します。お寺にあることが多いのも、そのためです。

葬儀を教えて、

なるほど。じゃあ、五重塔も供養塔なんですか?仏像が入っているイメージがありました!

葬儀スタッフ

その通り!法隆寺の五重塔も、もとは仏舎利(ぶっしゃり:仏の遺骨)を納めるために建てられた供養塔なんですよ。形は違っても、故人を偲び、供養するという根底は同じなんですね。

供養塔 とは。

「供養塔」とは、故人を供養するために建てられる仏教建築物のことで、サンスクリット語の「ストゥーパ」を起源としています。 多宝塔や卒塔婆などがその代表例です。 お釈迦様が亡くなった際、遺骨を各地に埋葬した場所に建てられたのが始まりとされ、法隆寺の五重塔もストゥーパの一種である多宝塔に分類されます。
また、卒塔婆の先端が段々に分かれているのは、上から「空」「風」「火」「水」「地」という仏教の宇宙観を表しているためです。

供養塔とは?

供養塔とは?

供養塔とは、故人の冥福を祈り、遺徳を偲ぶために建立される塔のことです。お墓と混同されがちですが、厳密には異なります。お墓は遺骨や遺灰を納めて祀る場所であるのに対し、供養塔は遺骨の有無に関わらず、故人を偲び、供養することを目的としています。そのため、お墓とは別に建立されることも多く、墓石とは異なる形状や大きさを持つ点が特徴です。

ストゥーパから供養塔へ:歴史を辿る

ストゥーパから供養塔へ:歴史を辿る

お墓と聞いて、多くの人がイメージするのは、お寺にある四角いお墓や、近年増えている洋風のお墓かもしれません。しかし、日本の墓地の風景は、時代とともに変化してきました。現代の形のお墓が一般的になる前、人々はどのようにして故人を偲び、供養していたのでしょうか。

その起源を辿ると、仏教伝来以前の古墳時代まで遡ることができます。巨大な前方後円墳に代表される古墳は、まさに王や権力者の為の墓であり、死後の世界を具現化したものでした。仏教伝来後、この古墳文化は仏教思想と融合し、新たな形で受け継がれていきます。

それが、インド発祥の仏教建築である「ストゥーパ」です。ストゥーパは、仏陀の遺骨を祀るために作られた、ドーム型の仏塔。やがて、仏教の教えとともに中国、朝鮮半島を経て日本に伝わると、仏舎利だけでなく、高僧の遺骨を納めるようになり、五重塔や三重塔といった、日本の寺院建築の原型となっていきます。

そして、時代が下ると、このストゥーパを簡略化し、石を積み上げたものが、庶民の間にも広がっていきます。これが、現在の墓石の原型である「五輪塔」や「宝篋印塔」といった供養塔です。このように、供養塔は、古代インドから続く壮大な歴史と、日本の風土、そして仏教思想が融合して生まれた、日本の墓の原点と言えるでしょう。

供養塔の種類と特徴:多宝塔と卒塔婆

供養塔の種類と特徴:多宝塔と卒塔婆

お墓参りに行くと、様々な形の石塔を目にすることがありますね。実はこれらは、故人を偲び、供養するための供養塔と呼ばれ、それぞれ異なる意味を持っています。今回は、数ある供養塔の中でも代表的な「多宝塔」と「卒塔婆」についてご紹介します。

多宝塔は、下部に方形、上部に円形の屋根を持つ、二層構造が特徴的な塔です。これは、仏教の教えである「法華経」の中に説かれる「多宝如来」と「釈迦如来」の二仏が並んで座る「多宝塔」を模したものとされています。そのため、多宝塔には、二つの世界を一つに融合させるという意味合いが込められており、故人が仏様の教えと一体になるようにとの願いが込められています。

一方、卒塔婆は、板状の形をしたシンプルな塔です。卒塔婆の由来は、古代インドで、お釈迦様の遺骨を納めた卒塔婆に由来すると言われています。木や石で作られ、故人の戒名や没年月日などが刻まれます。卒塔婆は、故人の供養と追善供養のために建てられ、お墓の近くに置かれることが多いです。また、お盆やお彼岸などの法要時にも、新しく建て替えられることがあります。

供養塔に込められた意味:仏教宇宙観

供養塔に込められた意味:仏教宇宙観

供養塔は、故人を偲び、その魂を供養するために建立されます。そして、その形や構造には、仏教の宇宙観が深く関わっていることが多いのです。例えば、五輪塔に見られる五つの部分は、それぞれ地水火風空という宇宙を構成する五大を表しています。これは、人が亡くなると、その魂は宇宙の一部へと還っていくという考えに基づいています。また、宝篋印塔は、その名の通り経典を納める塔ですが、これは仏教の教えが、故人を導き、迷いの世界から救い出すという願いが込められています。このように、供養塔は単なる墓石ではなく、深い宗教観に基づいた、祈りの象徴と言えるでしょう。

現代における供養塔:身近な存在としての理解

現代における供養塔:身近な存在としての理解

お墓参りに行くと、様々な形の石塔を目にしますよね。実は、それら一つ一つに名前と意味があり、故人を偲ぶ気持ちを表しているのです。一口に供養塔といっても、五輪塔や宝篋印塔など、時代背景や宗教観によって形状や建てられる目的も多岐にわたります。今回は、そんな供養塔の種類と意味について、現代に生きる私たちにもわかりやすく解説していきます。

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