墓誌に刻む想い~基礎知識と彫刻内容例を紹介~
葬儀を教えて、
先生、「墓誌彫刻」ってなんですか? お墓に名前が彫ってあるのは見たことあるけど…。
葬儀スタッフ
いい質問ですね。お墓で、家族の名前がずらっと並んで彫られている部分を見たことはあるかな? あれが「墓誌」で、そこに名前や亡くなった日付などを彫ることを「墓誌彫刻」と言うんだよ。
葬儀を教えて、
あ! あれのことか! でも、なんで名前がいっぱい並んで彫ってあるんですか?
葬儀スタッフ
それはね、古い時代から家系を大切にしてきた日本では、亡くなったご先祖様も一緒に、そのお墓で眠っていると考えられているからなんだよ。だから、代々のお墓には、亡くなった方の名前と、生きた証を刻んでいくんだよ。
墓誌彫刻とは。
「墓誌彫刻」とは、お墓に刻む文字のことを指します。一般的には、先祖代々の名前が刻まれており、新しく亡くなった方の戒名や功績などが追加されます。
墓誌彫刻とは?役割と種類を解説
お墓を建てる際に、墓石と並んで検討することになるのが墓誌です。墓誌とは、故人のお名前や没年月日、戒名などを刻み、後世に伝えるための石碑のことを指します。今回は、この墓誌に刻む内容や、種類、基礎知識について詳しく解説していきます。
一般的な彫刻内容:戒名、俗名、没年月日など
墓誌には、故人様を偲び、後世にその存在を伝える大切な情報が刻まれます。 最も基本となるのは、戒名、俗名、没年月日です。 戒名は、仏教徒として故人様が授かった新たな名前であり、俗名は生前の名前を指します。没年月日は、故人様がこの世を去った日を表し、これら3つは墓誌に必ずと言っていいほど刻まれる情報です。 これらの情報は、墓石と同様に、子孫が故人様を特定し、お墓を管理していく上で欠かせないものです。
家系を繋ぐ:〇〇家代々の墓と先祖代々の墓
「〇〇家代々の墓」と「先祖代々の墓」、どちらも一見同じように感じますが、実は意味合いが少し異なります。
「〇〇家代々の墓」は、その墓石を建立した時点から始まる、特定の家系の人々が眠るお墓を指します。例えば、建立者が山田太郎さんの場合、「山田家代々の墓」と刻むことで、太郎さんの子孫が代々そのお墓に入り、先祖を供養していくことを示します。
一方、「先祖代々の墓」は、より広範囲な先祖、場合によっては家系がはっきりしない先祖も含めて、そのお墓に眠ることを表します。
どちらの表現を選ぶかは、建立者の家系に対する考え方や、将来のお墓の使用方法によって決まります。家名を明確に刻み、子孫に受け継いでいきたい場合は「〇〇家代々の墓」を、広義な意味で先祖を祀りたい場合は「先祖代々の墓」を選ぶと良いでしょう。
故人を偲ぶ言葉を添えて:墓誌に刻むメッセージ
墓誌は、故人の名前や命日などを記すだけでなく、その人となりや生きた証を後世に伝えるための大切な場所でもあります。そこで今回は、墓誌に刻むメッセージに焦点を当て、想いの込め方や表現例をご紹介いたします。
墓誌に刻む言葉に決まりはありません。故人との思い出や感謝の気持ち、安らかな眠りを願う言葉など、ご遺族の気持ちが伝わるメッセージを自由に選んでみましょう。例えば、生前よく口にしていた言葉や座右の銘、趣味や人柄を表す一言なども温かみが感じられます。
具体的には、「感謝」「愛」「安らぎ」「永遠」などをテーマに、「ありがとう」「お疲れ様でした」「安らかに眠ってください」「いつまでも心の中で生きています」といったメッセージが多く選ばれています。
また、句読点を入れない場合や、古い時代の言葉遣いを避けて現代の言葉で表現するケースも増えています。
さらに、宗教や宗派によってふさわしい言葉遣いも異なるため、事前に石材店や寺院に相談することをおすすめします。
墓誌は、故人を偲び、語りかけるための大切な場所です。ご遺族の想いを込めて、心に残るメッセージを刻んでみてはいかがでしょうか。
費用相場と依頼先:石材店選びのポイント
墓石建立と同様に、墓誌への建立者名や故人のお名前、没年月日などの文字彫刻は、石材店に依頼するのが一般的です。
費用の相場は、石材の種類や文字数、加工方法によって異なりますが、数万円から数十万円が目安となります。
依頼先となる石材店を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較することが大切です。
また、アフターサービスや保証内容も確認しておきましょう。
信頼できる石材店を選び、故人への想いを丁寧に刻みましょう。