意外と知らない？彼岸の意味と由来、そしてお墓参りのマナー

葬儀を教えて、

先生、「彼岸」ってどういう意味ですか？お墓参りに行く時期っていうのはなんとなくわかるんですけど…

葬儀スタッフ

いい質問ですね。お墓参りの時期と関係があることはよく知っていますね。では、彼岸はいつ頃か説明できますか？

葬儀を教えて、

えっと…春と秋にありますよね…？確か、春分の日と秋分の日の前後だったような…

葬儀スタッフ

その通り！春分の日と秋分の日は、それぞれ真ん中の日で、その前後3日ずつ、合計7日間が彼岸にあたるんだよ。この時期にお墓参りをして、ご先祖様を供養するんだよ。

「彼岸」とは、仏教用語の一つで、春分の日と秋分の日の前後それぞれ3日間を合わせた7日間のことです。この時期には、ご先祖様を偲んでお墓参りをするなどの風習があります。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、彼岸は季節の移り変わりを感じる時期でもあります。

しかし、彼岸とは本来、仏教用語で、あの世とこの世を隔てる川の向こう岸にあるとされる、「極楽浄土」を表しています。

そして、春分の日・秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈むため、あの世とこの世が最も近くなると考えられてきました。

そのため、春と秋の彼岸には、ご先祖様を偲び、供養をすることが、古くから日本の文化として根付いてきたのです。

毎年、春と秋にやってくる彼岸会。どちらも「ご先祖様を供養する期間」ということは知っていても、実はそれぞれに異なる意味を持っていることはご存知でしょうか？

春の彼岸は「春分の日」を中日として、前後3日間を合わせた7日間。自然が目覚め、生命が目に見える形で力強く動き出す春には、「発芽や開花」を象徴する「彼岸」という言葉が当てはめられました。ご先祖様への感謝の気持ちとともに、命の尊さや、万物への慈しみの心を持つことが大切とされています。

一方、秋の彼岸は「秋分の日」を中日とする7日間。収穫の秋、自然の恵みに感謝し、命をじっくりと内側に蓄える秋には、「収穫や蓄え」を象徴する「此岸」という言葉が当てはまります。実り多い人生を送れたことに感謝し、残りの人生を豊かに過ごせるよう、ご先祖様に見守っていただく期間と言えるでしょう。

春と秋の彼岸には、多くの人が先祖供養のためにお墓参りに出かけます。ご先祖様を偲び、感謝の気持ちを伝えることはもちろんですが、彼岸のお墓参りには普段とは違う特別な意味が込められています。

彼岸は、仏教の教えにおいて「此岸（しがん）」と「彼岸（ひがん）」という概念から成り立っています。私たちが生きているこの世は「迷いや煩悩に満ちた世界」であり「此岸」とされます。一方、ご先祖様がいらっしゃる悟りの世界は「彼岸」と呼ばれます。

彼岸の中日には、太陽が真西に沈むことから、西に位置する浄土と現世が最も近くなると考えられています。そのため、ご先祖様と心を通わせやすい時期として、お墓参りが重要視されているのです。

さらに、彼岸はお仏壇やお墓を清め、ご先祖様を敬う気持ちを新たにする機会でもあります。日頃の感謝の気持ちを込めてお墓参りをし、穏やかな気持ちで過ごせるようにと願いを込めましょう。

ご先祖様を敬い、感謝の気持ちを表す大切な機会であるお彼岸。せっかくお墓参りをするなら、失礼のないようにしたいものですよね。ここでは、意外と迷ってしまう彼岸のお墓参りのマナーについてご紹介します。

【服装】
基本的には喪服である必要はありませんが、派手な服装は避け、黒や紺、グレーなど落ち着いた色の服装を心がけましょう。

【お供え物】
故人が好きだったものをお供えするのも良いですが、お墓に供えてはいけないものもあります。甘いお菓子や果物などは、鳥や虫が集まり、お墓を汚してしまう原因になるため避けましょう。また、生ものは持ち帰るのが一般的です。

【お線香のあげ方】
お線香は、ろうそくの火で灯すのがマナーです。ライターやマッチを使うのは控えましょう。また、お線香を束のまま立てるのではなく、1本ずつに分けて立てるようにしましょう。

【お墓の掃除】
お墓の掃除は、故人との大切なコミュニケーションの時間です。雑巾やたわしで丁寧に掃除をし、感謝の気持ちを込めて水をかけて洗い流しましょう。

【挨拶の言葉】
お墓参りの際は、手を合わせて故人に語りかけるようにしましょう。「いつも見守ってくれてありがとうございます」「家族みんな元気です」など、近況報告をすると良いでしょう。

これらのマナーはあくまでも一般的なものなので、地域や宗派によって異なる場合もあります。不安な場合は、事前に菩提寺に確認しておくと安心です。

ご先祖様への感謝の気持ちを込めてお供え物をする際、何を用意すれば良いか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。ここでは、彼岸の時期におすすめのお供え物と、その際の注意点をご紹介します。

まず、定番のお供え物としては、故人が好きだった食べ物や飲み物、季節の果物、お菓子などが挙げられます。特に、彼岸の時期は秋のお彼岸と春のお彼岸の年2回ありますので、その季節に合ったものを選ぶと良いでしょう。例えば、秋ならば梨やぶどう、春ならばいちごや桜餅などが喜ばれます。

また、最近では、故人の好みに合わせて、和菓子だけでなく洋菓子を選ぶ方も増えています。故人が甘いものが好きだった場合は、生前によく食べていたケーキやチョコレートなどを供えてあげましょう。

ただし、お供え物を選ぶ際には、避けた方が良いものもあります。例えば、生ものは足が早いため、お彼岸の時期は避けるのが無難です。また、香りの強いものや、殺生を連想させるものも避けるようにしましょう。

さらに、お供え物は持ち帰るのが一般的です。お墓に置いて帰る場合は、持ち帰りができるか、管理者に確認しておきましょう。

ご先祖様への感謝の気持ちを表すためにも、心を込めてお供え物を選びたいですね。