葬儀と神棚: 知っておきたい基礎知識

仏壇・仏具に関すること

葬儀と神棚: 知っておきたい基礎知識

葬儀を教えて、

先生、葬儀の時の「神棚」って何か違うんですか?仏教と神道って違うのに、どうして葬儀で神棚が出てくるのか、よく分かりません。

葬儀スタッフ

良い質問だね!確かに、葬儀は仏式で行われることが多いけど、神棚は神道のものだよね。実は、日本の多くの家庭では、神道と仏教の両方を信仰していることが多いんだ。だから、仏式葬儀でも神棚が登場することがあるんだよ。

葬儀を教えて、

えー!両方信じているんですか?混乱しませんか?

葬儀スタッフ

昔からの習慣で、神様と仏様は別のものとして信仰しているんだよ。例えば、結婚式は教会などで行うことが多いけど、お正月には神社に初詣に行くよね?それと同じように、葬儀は仏式で行いながらも、家の中には神棚があるということが多いんだよ。

神棚とは。

葬儀の際に耳にする「神棚」は、神道において神様を祀るための神聖な場所です。 特に、御札を納めるスペースが一つしかない「一社造り」の神棚の場合、最も手前に天照皇大神宮、次に氏神様、そして最後に先祖の御札という順番で安置するのが一般的です。

神棚とは何か?

神棚とは何か?

神棚とは、文字通り神様をお祀りする棚のことです。日本では古来より、自然の中に宿る八百万の神様を信仰する文化があり、生活の中に神様を迎えて、日々感謝の気持ちを表してきました。
神棚は家庭内に神様の聖域を設けることで、家族の幸せや健康を見守っていただくと考えられています。
神棚には、天照大神(あまてらすおおみかみ)を筆頭に、氏神様や崇敬する神社の神様をお祀りします。

葬儀の際の神棚の扱い方

葬儀の際の神棚の扱い方

神棚は、家庭円満や繁栄をもたらすとされる神様をお祀りする神聖な場所です。そのため、不幸事である葬儀とは相性が悪いとされています。

古くから日本では、死は穢れと結びつけられることが多く、神聖な場所である神棚にその穢れが及ぶことを避けるため、葬儀の際にはいくつかの対応を行う風習がありました。

具体的には、神棚を白い布で覆ったり、扉を閉めて鏡を隠したりします。これは、神様に葬儀の様子を見せないようにし、穢れが及ばないようにするためのものです。

地域や家の風習によって、これらの対応は異なる場合があります。例えば、神棚に半紙を貼る、お神酒を下げる、などです。不明な点は、菩提寺のご住職や葬儀社に相談することをおすすめします

近年では、これらの風習を簡略化したり、省略したりするケースも増えています。しかし、神棚は神聖な場所であるという意識を持ち、先祖代々から受け継がれてきた日本の伝統や文化に敬意を払うことが大切です。

神棚封じとは?

神棚封じとは?

神棚は、神聖な場所として家の中で最も清浄な場所に設けられています。しかし、人が亡くなると、家の中は一時的に『穢れ』の状態と考えられます。これは、決して亡くなった方を否定するものではありません。死は、古来より神聖なものと同時に、穢れとも捉えられてきました。この『穢れ』が神様に触れてしまうことを避けるため、神棚を白い紙や布で覆うことを『神棚封じ』といいます。

期間は地域や宗派によって異なりますが、一般的には死の穢れがなくなる期間として、五十日祭(仏式)または五十日忌(神式)までとされています。神棚封じをすることで、神様を敬い、故人を偲ぶ期間であることを示します。

宗派による違いはある?

宗派による違いはある?

葬儀と神棚の関係は、仏教と神道の関係が深く関わっており、宗派や地域によって考え方が異なる場合があります。そのため、一概に「こうだ」と断言することはできません。しかし、一般的な傾向として、仏教の中でも浄土真宗では、神棚を覆ったり、お祀りを控えたりする必要はないとされています。これは、浄土真宗が「他力本願」の教えに基づき、現世の利益を求める神道の考え方と相容れるものと捉えているためです。

一方、他の宗派では、葬儀の際に神棚を白紙で覆ったり、お供えを控えたりする風習が残っている場合があります。これは、死を穢れと見なす考え方や、神様に対して失礼にあたるという考え方が根底にあると考えられます。

いずれにしても、大切なのは、自分の家の宗派や地域の風習を事前に確認し、不安な点があれば、葬儀社やお寺に相談することです。そうすることで、故人を偲び、心を込めて葬儀を執り行うことができるでしょう。

神棚に関するよくある質問

神棚に関するよくある質問

– 神棚に関するよくある質問

葬儀の際に神棚について気になる疑問をまとめました。

-Q. 葬儀中は神棚を閉める必要があるのですか?-

A. はい、一般的には葬儀中は神棚を閉めます。これは、神聖な場所である神棚を死の穢れから守るためとされています。 白紙や布で覆い、お札を外す場合もあります。地域や宗派によって異なる場合があるので、不安な場合は葬儀社や神社に相談することをおすすめします。

-Q. 神棚を閉める期間は?-

A. 一般的には、故人が自宅に帰ってくるまでの間、または四十九日の忌明けまでとされています。こちらも地域や宗派によって異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。

-Q. マンションで神棚がない場合は?-

A. 神棚がない場合は、特に何かをする必要はありません。ただし、仏壇がある場合は、葬儀中は仏壇に白い布をかけたり、お供え物を控えたりするなど、宗派の作法に合わせた対応が必要です。

-Q. 神棚のお供えはどうすれば良い?-

A. 葬儀中は神棚へのご祈祷は控え、お供えも水や米、塩などは新しいものに取り替えます。 また、 神棚に榊や花などを供えている場合は、 枯れたものや萎れたものがあれば交換しましょう。

-Q. その他、注意点はありますか?-

A. 神棚は、家の繁栄や家族の健康を守る大切な場所とされています。 葬儀の際には、失礼のないよう、敬意を持って接するように心がけましょう。不明な点があれば、無理せず専門家に相談するようにしてください。

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