葬儀で見かける「払子」って? その意味と役割
葬儀を教えて、
先生、「払子」って仏教の道具のことだと思うんですけど、お葬式で何に使われているんですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね。払子は、もともと虫を払うための道具として使われていたんだよ。では、お葬式では、なぜ虫を払う必要があると思う?
葬儀を教えて、
うーん、魂を汚さないようにするため…ですか?
葬儀スタッフ
その通り! 払子には、故人の魂に近づく煩悩や邪気を払うという意味があるんだよ。仏教では、煩悩を塵や埃に例えるから、払子で払うんだね。
払子とは。
「払子(ほっす)」は、葬儀の際に僧侶が用いる道具の一つです。棒の先に毛を束ねた形状をしており、筆のような見た目をしています。
払子ってどんな道具?
葬儀や法要などで僧侶が手にしているのを見かける払子。一体どんな道具で、どんな意味や役割を持っているのでしょうか? 実は払子には、仏教の教えと深い関わりがあるのです。この項では、払子の基本的な情報について解説していきます。
仏教における払子の意味
払子は、もともとインドで虫を払うために使われていた道具でした。それが仏教に取り入れられ、煩悩や邪念を払うという意味を持つようになりました。僧侶が読経中に払子を使うのは、自身の心を清浄に保ち、仏の教えを正しく伝えようとする姿を表しています。
葬儀での払子の役割
葬儀の際に僧侶が手にしている払子は、元々はインドで虫を払うために使われていた道具でした。 仏教に取り入れられてからは、煩悩や迷いを払う象徴として用いられるようになりました。
葬儀において僧侶は、読経や焼香の際に払子を用います。これは、故人の周りの煩悩を払い清め、迷わずにあの世へと旅立てるようにという願いが込められています。 また、 残された遺族に対しても、悲しみや苦しみを乗り越え、前向きに生きていけるようにとの意味も込められています。
払子の種類と特徴
払子と一言で言っても、実は様々な種類があります。素材や大きさ、形状も様々で、それぞれに特徴があります。
代表的なものとしては、牛の尾の毛を束ねて作られた「牦牛払子(ヤク払子)」が挙げられます。白く長い毛が特徴で、仏教の教えを説く際に、煩悩を払いのけるという意味が込められています。
また、木の柄に麻や棕櫚の葉を扇状に広げた「紙払子」は、その簡素な作りから、禅宗の僧侶が修行中に携帯する姿がよく見られます。
その他にも、位の高い僧侶が用いる、煌びやかな装飾が施された「金剛払子」など、様々な種類の払子が存在します。
払子に込められた想い
払子は、単なる仏具ではなく、深い想いが込められた道具です。僧侶が読経中に払子を用いる様子は、まるで故人を優しく包み込み、迷いを払いながらあの世へと導いているかのようです。その姿は、残された私たちに、故人の冥福を祈る心を呼び起こしてくれるのではないでしょうか。