知っておきたい葬儀の基礎知識:『引導』とは?
葬儀を教えて、
先生、御位牌の一番上に書いてある『○○院』って一体何ですか?
葬儀スタッフ
良い質問ですね!それは『院号』といって、生前に社会貢献をした人や、お寺への貢献が大きい人に贈られることが多い称号なんですよ。
葬儀を教えて、
へえー!誰でももらえるわけじゃないんですね。お墓にも刻まれているのを見たことがあります!
葬儀スタッフ
その通りです。院号は名誉あるものなので、お墓にも刻まれることが多いんですよ。
院号とは。
「院号」とは、葬儀で使われる用語の一つで、位牌の一番上に記される称号のことです。一般的に「○○院」といった形で表記されます。社会的に貢献した方や、信仰しているお寺に多大な貢献をした方などに贈られることが多いです。院号がある場合は、お墓にも院号を刻むのが一般的です。
引導の本来の意味とは
「引導を渡す」という言葉は、日常生活でもしばしば耳にするでしょう。しかし、それが具体的にどのような意味を持つのか、正しく理解している人は少ないかもしれません。仏教用語である「引導」は、本来、故人が迷わずあの世へと旅立てるよう、僧侶が仏の教えを説き、悟りの道へ導くことを指します。これは、葬儀・告別式の中で行われる重要な儀式の一つです。
葬儀における引導の役割
仏教における葬儀において、「引導」は故人の魂をあの世へと導くための大切な儀式です。僧侶が読経し、焼香を行うことで、故人の成仏を願い、遺族にとっては故人とのお別れの時を共有する意味があります。
引導には、現世での迷いや苦しみから解放され、安らかな世界へと旅立てるようにとの願いが込められています。また、残された遺族にとっては、深い悲しみの中にも、故人の冥福を祈り、前向きに生きていくための区切りとなる儀式と言えるでしょう。
宗派による引導の違い
仏教において、故人が迷わずあの世に旅立てるようにと僧侶が故人のために言葉を贈るのが『引導』です。葬儀や法要で故人の戒名を授け、仏の弟子となった証とします。
この引導ですが、宗派によって内容や読経に違いがあることをご存知でしょうか? 例えば浄土真宗では、亡くなった瞬間にはすでに仏になっているという考え方から、『引導』という儀式自体が存在しません。一方で、禅宗では『引導』を特に重要視しており、厳粛な儀式の中で行われます。
引導で伝えられること
引導では、仏教の教えに基づき、故人の死を悼むとともに、残された者が前向きに生きていけるように、いくつかの大切なことが伝えられます。
まず、故人は仏の世界へと旅立ち、迷うことなく成仏することを祈ります。そして、残された家族には、故人の死をしっかりと受け止め、悲しみを乗り越えていくこと、故人の冥福を祈りながら、感謝の気持ちを持って生きていくことが説かれます。
また、引導は、故人にとってこの世での最後の法要であると同時に、残された者にとっては、故人の死を改めて実感し、悲しみと向き合い始めるための大切な儀式でもあります。
現代社会における引導の意義
かつて、引導とは仏教の教えに基づき、故人が迷わずあの世に旅立てるよう、僧侶が故人の魂を導く儀式を指していました。しかし、現代社会においては、宗教観の多様化やライフスタイルの変化に伴い、葬儀の形も大きく変化しています。
従来の宗教的な意味合いよりも、故人の死を受け入れ、残された者が前を向いて生きていくための区切りとして、引導をとらえる傾向が強まっていると言えるでしょう。これは、葬儀が故人を見送る最後の機会であると同時に、遺族にとっては深い悲しみを乗り越え、新たなスタートを切るための重要な通過点として位置づけられているためです。
故人の思い出を語り継ぎ、その生き様から教訓を得ながら、自分自身の未来へと繋いでいく。現代における引導とは、宗教的な儀式を超えて、そのような意味を持つ大切なプロセスと言えるのではないでしょうか。