葬儀で見かける「曲録」ってどんな椅子？

葬儀を教えて、

先生、「曲録」ってなんですか？葬儀のときに使う特別な椅子って書いてあったんですけど、普通の椅子と何が違うんですか？

葬儀スタッフ

良い質問ですね。「曲録」は、お葬式で見かける僧侶が座るための特別な椅子のことです。普通の椅子と違うのは、背もたれが丸くて、脚が「床几（しょうぎ）」のように交差している形をしている点です。他にも特徴があるのかな？

葬儀を教えて、

確かに、お寺の椅子って独特な形をしていますね。背もたれが丸いのは、何か理由があるんですか？

葬儀スタッフ

それはね、諸説ありますが、丸い背もたれは、円満や悟りを象徴していると言われています。また、足を組むことなく座れるように工夫された形とも言われています。お葬式に参列した際には、ぜひ曲録にも注目してみて下さい。

「曲録」は、葬儀や法会の際に僧侶が使用する椅子のことを指します。背もたれが丸みを帯びているのが特徴で、脚の部分は床几のように交差しています。別名「円椅」とも呼ばれます。

曲録（きょくろく）は、寺院や神社などで見かける、背もたれと肘掛けが一体となった独特の形をした椅子のことです。
一般的には、黒塗りの漆塗りが施され、金色の装飾が施されていることが多いでしょう。
その歴史は古く、飛鳥時代にはすでに使われていたという記録が残っています。

曲録で一番目を引くのは、背もたれと肘掛けが繋がって、大きく湾曲している点でしょう。まるで、鳥が翼を広げたような、あるいは、三日月のような、この独特の形が、曲録の最大の特徴です。

この形状は、単なる装飾ではなく、座る人の体を包み込むように支えるという、実用的な役割も担っています。長時間座っていても疲れにくいように、という先人の知恵が込められていると言えるでしょう。

寺院の法要などで見かける、背もたれと肘掛けが一体化した独特の形状をした椅子が「曲録（きょくろく）」です。起源は中国に遡り、仏教の伝来とともに日本へ伝わったとされています。

初期の曲録は、位の高い僧侶が座るための特別な椅子でした。やがて禅宗が普及するにつれて、一般の僧侶にも使用されるようになり、現在のような形へと変化していきました。

曲録は、安定した姿勢を保ちやすく、長時間座っていても疲れにくいという特徴があります。そのため、読経や瞑想など、集中力を必要とする仏教の修行に適した椅子として、今日まで受け継がれてきました。

葬儀や法要の際、参列者席にずらりと並べられた曲録。その独特な形状から、「一体どんな意味を持つ椅子なのだろう」と疑問に思ったことはありませんか？実は曲録は、単なる椅子ではなく、日本の葬儀において重要な役割を担っています。

曲録は、故人様を偲び、敬意を表すための特別な席として用意されます。そのため、足を組んだり、浅く腰掛けたりすることは失礼にあたるとされています。深く腰掛け、背もたれに寄りかからず、故人様と向き合う心構えを持つことが大切です。

かつて曲録は、寺院や伝統的な日本家屋で使われていた、重厚で格式高いものでした。しかし、現代のライフスタイルの変化に伴い、畳の部屋が減ったことや、住居の洋風化が進んだことを受けて、曲録も変化を見せています。

近年では、軽量化された素材や、持ち運びしやすい折りたたみ式の曲録も増えています。また、従来の漆塗りや黒塗りのものだけでなく、明るい色合いのものや、洋風のデザインを取り入れたものなど、様々なバリエーションが見られるようになりました。

これらの変化は、現代の住宅事情や、人々のニーズに合わせたものと言えるでしょう。従来の格式を保ちつつも、現代の生活に寄り添う形で、曲録は進化し続けています。