知っておきたい相続財産の基本

知っておきたい相続財産の基本

相続財産とは？

人が亡くなると、その人が残した財産は、残された家族に引き継がれます。この引き継がれる財産の全体のことを、「相続財産」と言います。

相続財産には、現金や預貯金、不動産、車、株式などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。つまり、「相続」とは、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継ぐことを意味するのです。

相続財産の種類は？

相続が発生すると、故人の残した財産はすべて相続財産となります。では、一体どんなものが相続財産になるのでしょうか？

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産、そして一見財産とは思えないものも含まれます。具体的に見ていきましょう。

まずプラスの財産とは、現金や預貯金、株や投資信託などの金融資産、土地や建物などの不動産などが挙げられます。車や貴金属、ブランド品なども含まれます。

次にマイナスの財産ですが、これは借金やローンなどのことです。住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの未払い金なども相続財産に含まれます。プラスの財産と同様に、マイナスの財産も相続人が引き継ぐことになります。

そして、一見財産とは思えないものとして、故人の思い出の品や写真なども相続財産に含まれます。 これらは金銭的な価値は低い場合もありますが、故人との思い出が詰まった大切なものです。

相続財産は、プラスのものだけではありません。 マイナス財産も含まれることを理解し、相続について考えるようにしましょう。

誰が相続人になるの？

相続が発生すると、故人の残した財産は、配偶者や子供などの親族に引き継がれます。では、具体的に誰が相続人になるのでしょうか？

民法で定められた相続人を「法定相続人」と呼びます。法定相続人は、①配偶者、②子、③親、④兄弟姉妹の順に順位が決められています。

まず、常に相続人になるのが配偶者です。故人と婚姻関係にある人が相続権を持ちます。

子が居る場合は、配偶者と子が相続人になります。子供がすでに亡くなっている場合は、その子供が生まれていれば相続権があったであろう代襲相続人が相続人になります。

子がいない場合は、配偶者と故人の親が相続人になります。

さらに、子も親もいない場合は、配偶者と故人の兄弟姉妹が相続人になります。

このように、法定相続人は故人との関係の近さによって決められており、近い順に相続権が強くなります。誰が相続人になるのか、しっかりと把握しておくことが大切です。

相続財産が多い場合の注意点

相続財産が多い場合は、相続税の発生に注意が必要です。相続税は、一定額を超える財産を相続した場合に課される税金です。基礎控除額を超える相続財産がある場合は、相続税の申告が必要となります。また、財産の評価も重要になります。不動産や株式など、市場価格が変動する財産は、評価方法によって相続税額が大きく変わる可能性があります。そのため、専門家である税理士に相談するなどして、適切な評価を行うことが大切です。さらに、相続人が多い場合や、遺産分割協議がまとまらない場合は、相続手続きが複雑化し、時間がかかる傾向にあります。相続人同士でトラブルにならないよう、事前に遺言書を作成するなど、対策を検討しておくとよいでしょう。

相続財産に関するトラブル

相続は、大切な家族が亡くなった際に発生する手続きですが、財産分与などを巡って親族間でトラブルになってしまうケースも少なくありません。例えば、遺言書の内容が相続人にとって納得のいかないものだったり、財産の評価額について意見が分かれたりすることがあります。また、誰がどの財産を相続するか、相続する際に発生する税金はどうなるのかといった点も、トラブルの種になりやすいと言えるでしょう。このような事態を避けるためには、生前から家族間でしっかりと話し合い、遺言書の作成など、必要な準備を進めておくことが大切です。