残される人のために。エンディング活動のススメ

残される人のために。エンディング活動のススメ

エンディング活動とは？

「エンディング活動」という言葉をご存知でしょうか？人生の終わりに向けた準備を指す言葉ですが、まだまだ聞き慣れない言葉かもしれません。しかし、自分らしい最期を迎えるため、そして残された家族の負担を減らすためには、とても大切な活動です。このコーナーでは、エンディング活動の内容と、始めることの意味について解説していきます。

なぜ今、エンディング活動が必要なのか？

人生100年時代と言われるようになり、これまで以上に長寿化が進んでいます。しかし、それは同時に、「人生の終わり」について考える時間が増えたということでもあります。

自分らしい最期を迎えたい、大切な人に迷惑をかけたくない。そう考える人が増えている今、エンディング活動への関心が高まっています。人生の最終段階を迎える前に、自分の希望を整理し、記録しておくことは、自分自身はもちろんのこと、残される家族にとっても大きな意味を持ちます。

エンディング活動でできること

エンディング活動とは、人生の終わりに備え、自分自身の希望を整理し、残された家族が困らないように準備しておく活動のことです。具体的には、次のようなことを行います。

まず、財産の整理です。これは、預貯金や不動産、株券などの管理方法を明確化したり、相続について考えたりすることを指します。遺言書の作成も含まれます。次に、医療や介護に関する希望をまとめておくことも重要です。延命治療を望むのか、どのような医療や介護を受けたいのかを事前に家族や医師と話し合っておくことで、いざという時に備えることができます。さらに、葬儀やお墓のことも決めておきましょう。どのような葬儀を希望するのか、お墓はどのようにするのかなどを、自身の希望を記しておくことが大切です。

エンディング活動は、自分自身の最期を具体的に考えることで、残された家族の負担を軽減するだけでなく、自分らしい生き方を見つめ直す良い機会とも言えます。

エンディング活動の注意点～遺言との違い～

エンディング活動と遺言は、どちらも「終活」の重要な要素ですが、その内容や目的は大きく異なります。 遺言が主に「財産の分配」に関する法的効力を持つのに対し、エンディング活動は「自分の死後に関する希望や想いを伝えること」を重視しています。

具体的には、葬儀やお墓の希望、医療や介護に関する考え、残された家族へのメッセージなどが含まれます。エンディング活動で作成したメモやノートは法的拘束力はありませんが、残された家族があなたの意思を理解し、尊重するための貴重な資料となります。

まとめ：自分らしく、そして大切な人のために

「エンディング活動」。それは、決して縁起が悪いものでも、後ろ向きなものでもありません。むしろ、残された時間をより豊かに、自分らしく生きるための準備と言えるでしょう。そしてそれは、愛する家族への最後の贈り物にもなるのです。残された人々が、大切な人を失った悲しみの中でも、前を向いて生きていけるように。エンディング活動を通して、「自分らしい生き方」と「大切な人への想い」を、形に残してみてはいかがでしょうか。