仏教

葬儀に関すること

知っておきたい「百箇日」の意味と由来

「百箇日(ひゃくにち)」とは、人が亡くなってから満100日目に行われる仏教行事のことです。一般的に、故人が亡くなってから7日ごとに法要や供養を行う「中陰法要」の締めくくりとして、特に重要な意味を持つ日とされています。
葬儀に関すること

葬儀と煩悩:108つの煩悩の意味とは?

仏教では、人が生前に抱く様々な迷いや苦しみの根源を煩悩と呼びます。その数は108つと言われ、煩悩の数だけ人間の迷いがあるとも言われています。 葬儀において、これらの煩悩は故人が迷いから解放され、安らかに成仏できるようにと、僧侶が読経や焼香によって浄化していく対象となります。つまり、葬儀は故人のみが主役なのではなく、残された者が故人のために煩悩を弔い、祈りを捧げる場でもあるのです。
寺院に関連すること

意外と知らない?在来仏教13宗派と歴史

私たちが普段「仏教」と聞いてイメージするものは、実は大きく分けて2種類あります。一つは、中国から伝わった仏教を日本で独自に発展させた「在来仏教」、もう一つは、近代以降にスリランカやタイなどから伝わった「南伝仏教」です。 この章では、13もの宗派を持つほど多様性に富んだ在来仏教について、その歴史や特徴を詳しく見ていきましょう。
葬儀に関すること

知っておきたい戒名の基礎知識

戒名とは、仏教徒が亡くなった後に与えられる新しい名前のことです。この世に生を受けた時と同じように、仏弟子として生まれ変わり、あの世で生きていくための名前と考えられています。 戒名は、生前の名前とは全く別のもので、通常は仏教の教えに基づいた文字が用いられます。宗派や地域、故人の信仰や生き方によって構成は異なりますが、一般的には「院号」「道号」「戒名(法名)」「位号」の順に並べて記されます。
葬儀に関すること

回し香炉とは?葬儀で知っておきたいマナー

回し香炉とは、葬儀や法要の際に参列者が順番に回しながら焼香を行うための香炉のことです。一般的に、金属製の容器の中に灰が敷き詰められており、その上に香を焚くようになっています。葬儀の形式や地域によっては、回し香炉ではなく、一人ずつ焼香台で焼香を行う場合もあります。
葬儀に関すること

閻魔帳ってなに?あの世と死後の世界を紐解く

誰もが一度は耳にしたことがある「閻魔帳」。死後の世界を裁く恐ろしい帳面、というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。今回は、閻魔帳の起源や役割、そしてそこに記された内容について詳しく解説していきます。 閻魔帳の起源は、古代インドの宗教であるヒンドゥー教に遡ります。そこでは、人間の生前の行いを記録する「ヤマ」という神が登場します。このヤマ神が、仏教に取り入れられ、中国で道教の影響を受けながら、現在の閻魔大王へと変化していきました。 閻魔帳は、閻魔大王の裁判で重要な役割を果たす、いわば「生死の記録簿」です。そこには、人間のあらゆる善行悪行が克明に記録されているとされ、死後に閻魔大王の前に引き出された魂は、この記録に基づいて裁きを受けるとされています。
お墓に関すること

お墓は東向き?西方極楽浄土とのお付き合い方

「西方極楽浄土」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな場所なのか、説明するのは難しいのではないでしょうか? 仏教の教えでは、私たちが生きるこの世界とは異なる、あらゆる苦しみから解放された理想の世界が存在するとされています。 その世界が、西の果てにあると信じられていることから「西方極楽浄土」と呼ばれているのです。
葬儀に関すること

葬儀で見かける「釋」の意味とは?

日本では古来より、亡くなった方をあの世へと見送る儀式、葬儀が行われてきました。その歴史の中で、仏教は深く関わってきました。特に仏教が伝来した飛鳥時代以降、葬儀は仏式のものが主流となっていきました。これは、仏教の教えが死後の世界や輪廻転生といった、当時の日本人が抱えていた死生観と深く結びついたためと考えられています。 仏教では、人は死後、仏の弟子となり、修行を積むことで悟りを開き、仏となるとされています。葬儀は、故人が仏の弟子となるための儀式であり、僧侶による読経や焼香といった行為は、故人が迷うことなくあの世へと旅立てるように、そして成仏できるようにと願いを込めて行われます。 このように、日本の葬儀は仏教と密接な関係にあり、その影響は現代まで色濃く残っています。そのため、葬儀で見かける多くのものは、仏教の教えや考え方に基づいているのです。
寺院に関連すること

聖霊会: 聖徳太子を偲ぶ法要

聖霊会は、毎年4月に行われる、聖徳太子の遺徳を偲ぶ法要です。聖徳太子は、推古天皇の摂政として、仏教を深く信仰し、十七条憲法の制定や法隆寺の建立など、日本の歴史に大きな功績を残しました。 聖霊会は、太子が亡くなった3月22日(旧暦)に近い4月に、太子ゆかりの寺院を中心に全国各地で行われます。特に、太子が建立したとされる法隆寺では、盛大な法要が営まれ、多くの参拝者が訪れます。 法要では、僧侶たちによって読経や舞楽が奉納され、太子の偉業をたたえ、その功績を後世に伝えようとします。また、参拝者は焼香を行い、太子への感謝の気持ちを捧げます。
葬儀に関すること

葬儀の「賽銭」:その意味とマナー

葬儀に参列する際、焼香とともに行う賽銭。普段神社仏閣へお参りする際に慣れ親しんでいる方も多いかもしれませんが、葬儀の場における賽銭の意味合いは少し異なります。 葬儀での賽銭は、故人の冥福を祈り、あの世での幸せを願う気持ちを込めて捧げる金銭のことを指します。これは仏教の教えに基づくもので、故人が生前に犯した罪を償い、極楽浄土へ旅立てるようにとの願いが込められています。 そのため、単なる寄付金やお金という意味合いとは一線を画すものとして捉えるべきでしょう。
仏壇・仏具に関すること

知っておきたい過去帳の基本:意味、役割から見方まで

過去帳とは、仏教において先祖代々のご先祖様の戒名(法名)、没年月日、享年などを記した帳簿のことです。いわば、仏教徒の家系にとっての「家系図」のようなものと言えるでしょう。 過去帳は、単なる記録帳ではなく、ご先祖様を偲び、供養するための大切な仏具として大切に扱われています。
お墓に関すること

お墓や仏壇の魂抜きとは? その意味と必要性

「魂抜き」とは、お墓や仏壇、位牌などに宿るとされる故人の魂を、お寺のご住職にお経をあげていただき、浄土へ送るために行う儀式のことです。 閉眼供養(へいげんくよう)や抜魂供養(ばっこんくよう)とも呼ばれます。 お墓の移転や仏壇の処分などをする際に、今までと同様にご供養ができなくなるため、魂をいったん抜いてお寺に預ける、という意味合いがあります。
お墓に関すること

納骨堂とは?お墓との違いや費用、メリット・デメリットを解説

近年、さまざまな埋葬方法が選べるようになり、従来のお墓のあり方も変化してきています。 その中でも「納骨堂」は、お墓の新たな選択肢として注目を集めています。 しかし、「納骨堂ってどんなお墓なの?」「従来のお墓とどう違うの?」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか? この章では、納骨堂の概要や、従来のお墓との違いについてわかりやすく解説していきます。
葬儀に関すること

「荼毘に付す」ってどういう意味?

「荼毘に付す」とは、遺体を火葬することを意味します。 「荼毘」はサンスクリット語の「dāha(ダーハ)」を音写した言葉で、「火葬」を意味します。 つまり、「荼毘に付す」は「火葬にする」と言い換えることができますね。
寺院に関連すること

葬儀と華厳宗:東大寺の大仏に宿る教え

華厳宗は、7世紀にインドで成立し、8世紀に中国から日本へ伝えられた大乗仏教の一派です。その教えは、華厳経と呼ばれる膨大かつ壮大な経典に基づいています。華厳経は、釈迦が悟りを開いた直後、言葉ではなく、宇宙の真理をそのまま体現した「重重無尽」の世界を説いたとされます。 華厳宗では、この世界を「事事無碍法界」と呼びます。これは、あらゆる存在が互いに関係し合い、影響し合いながら、一つの調和のとれた世界を織りなしているという考え方です。そして、私たち一人ひとりが、この宇宙全体と同じように、無限の可能性と価値を秘めていると説きます。 華厳宗は、奈良時代に東大寺を拠点として栄え、国家鎮護の祈りを捧げる役割を担いました。東大寺の大仏は、華厳経の世界観を具現化したものであり、宇宙の真理と慈悲の象徴として、多くの人々の信仰を集めています。
寺院に関連すること

意外と知らない「灌仏会」の意味と由来

灌仏会(かんぶつえ)とは、お釈迦さまの誕生を祝う仏教行事のことです。一般的には「花まつり」の呼び名で親しまれており、毎年4月8日に行われます。 この日、寺院では花で飾られた「花御堂(はなみどう)」と呼ばれる小さなお堂が設置され、その中に誕生仏の像が安置されます。参拝者は像に甘茶をかけてお祝いするのが習わしです。 明るく華やかな雰囲気で、子どもから大人まで楽しめる行事として広く親しまれています。
葬儀に関すること

葬儀の念仏、その意味と作法

葬儀で耳にすることの多い念仏ですが、その意味や歴史について、深く知っている方は少ないのではないでしょうか。ここでは、葬儀における念仏について、基本的な知識を分かりやすく解説していきます。念仏とは、仏教用語で「仏を念じること」を意味します。具体的には、「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」といった、仏の教えや功徳をたたえる言葉を唱える行為を指します。 念仏を唱えることによって、仏の慈悲に感謝し、極楽浄土に往生することを願うという意味が込められています。また、念仏は、故人の冥福を祈り、残された者が心の平安を得るためにも大切な役割を果たすとされています。
仏壇・仏具に関すること

葬儀のマナー: 念珠の意味と持ち方

仏教において、念珠は単なるアクセサリーではなく、重要な宗教用具です。108個の珠は人間の煩悩を表し、念珠を繰ることで煩悩を打ち消し、心を穏やかにするとされています。素材や形式も様々で、宗派によって違いが見られるのも特徴です。
寺院に関連すること

2月15日は涅槃会!お釈迦様の教えを偲ぶ

毎年2月15日は、仏教の開祖であるお釈迦様の命日として「涅槃会(ねはんえ)」が営まれます。この日、寺院ではお釈迦様の入滅を偲んで様々な法要が行われます。 では、そもそも「涅槃」とはどのような意味を持つのでしょうか?
葬儀に関すること

故人を偲ぶ三七日『洒水忌』とは

仏教では、人が亡くなってから四十九日間は、七日ごとに故人の冥福を祈り、追善供養を行う七仏事という儀式が営まれます。この七仏事の中で、三十五日目を『洒水忌(しゃすいき)』と言います。 『洒水忌』の『洒水』とは、故人の亡骸を洗い清めた水を表しており、この日も故人を偲び、香や花、故人の好きだったものなどを供えて、墓前に水を注ぎます。これは、かつてインドで行われていた、故人の冥福を祈ってガンジス川に水を注ぐ風習に由来すると言われています。
葬儀に関すること

年忌法要の基礎知識:意味、時期、準備を解説

年忌法要とは、故人の死後、一年忌、三回忌、七回忌といったように、仏教の教えに基づき、年単位で営まれる追善供養の儀式のことです。 年忌法要では、遺族や親戚、故人と縁の深かった人たちがお寺や自宅に集まり、読経や焼香を行います。そして、故人を偲び、生前の思い出を語り合いながら、冥福を祈ります。 年忌法要は、単なる法要の機会としてだけでなく、遺族や関係者が集まることで、故人との繋がりを再確認し、互いに支え合う大切な機会でもあります。
お墓に関すること

葬儀で見かける『梵字』の意味とは?

仏教の葬儀に参列すると、お坊様がお経を読む際に手にしている数珠や、お墓に刻まれた文字など、見慣れない文字を目にすることがあります。これは「梵字(ぼんじ)」と呼ばれるもので、古代インドで使われていたサンスクリット語を表記するための文字です。 サンスクリット語は仏教の経典が書かれた言語であり、そのため梵字は仏教と非常に深い関わりを持っています。日本では、仏教の伝来とともに梵字も伝わり、仏教経典の書写や仏像、仏具などに用いられるようになりました。
葬儀に関すること

葬儀の清め塩、その意味と作法とは?

古来より、日本では塩には穢れを祓う力があると信じられてきました。その影響は、神社の入り口に設置されている盛り塩や、力士が土俵に塩をまく行為など、日本の文化の様々な場面に見ることができます。葬儀の際に用いられる清め塩も、この塩の持つ神聖な力にあやかり、死の穢れを祓い、聖なる場を清めるという意味が込められています。
葬儀に関すること

六波羅蜜で送る、心穏やかな最期

「六波羅蜜」という言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。これは仏教用語で、人が迷いの世界から悟りの世界へと渡るための、6つの修行を意味します。 具体的には、布施(分け与える)、持戒(戒律を守る)、忍辱(耐え忍ぶ)、精進(努力する)、禅定(心を安定させる)、智慧(真理を見抜く)の6つです。 これらの修行は、私たちが人生を歩む上で、穏やかな心持ちを保ち、周りの人々と慈しみを分かち合いながら生きるための指針とも言えます。 では、六波羅蜜は葬儀とどのように関わっているのでしょうか? 葬儀は、故人の生前の行いを偲び、冥福を祈る場であると同時に、残された人々が故人の死を通して自らの生き方を振り返る場でもあります。 六波羅蜜の教えを胸に、故人の歩んできた道のりを振り返ることは、私たち自身の心を癒し、穏やかな気持ちで最期の時を迎えるための準備となるでしょう。
葬儀に関すること

『成仏』とは? 葬儀で使われる意味と本来の意味

葬儀の場で「成仏」という言葉が使われる時、それは一般的に亡くなった方が安らかにあの世へ旅立ち、再びこの世に生まれ変わることなく、迷わずに済むようにという願いが込められています。 これは、残された者が故人の冥福を祈り、安らかな旅立ちを願う気持ちの表れと言えるでしょう。 しかし、仏教における本来の「成仏」の意味は、葬儀で用いられる意味とは少し異なる側面も持っています。
寺院に関連すること

12月8日は成道会!その意味と由来を知る

毎年12月8日は「成道会(じょうどうえ)」と呼ばれる仏教の行事です。この日はお釈迦様が悟りを開いた日として、仏教徒にとって特に大切な日とされています。 日本では、禅宗の寺院を中心に坐禅会や法要が行われます。また、甘茶をかけてお祝いする「灌仏会(かんぶつえ)」と同様に、仏像に甘茶をかける習わしも残っています。
葬儀に関すること

故人を偲ぶ六十七日忌とは?

六十七日忌とは、故人の命日から数えて六十七日目に行われる法要のことを指します。仏教において故人が亡くなってから四十九日の忌明けまでは、七日ごとに法要を営み、故人の冥福を祈るとされています。これを中陰法要といいますが、六十七日忌は、この中陰法要の締めくくりとなる重要な法要です。地域によっては、この六十七日忌をもって、忌明けとする場合もあります。
葬儀に関すること

六七日っていつ?意味や関西との違いを解説

六七日(むなかぬか)とは、故人が亡くなってから6日目と7日目に行う法事のことです。地域によっては7日目のみ、あるいは6日目のみに行う場合もあります。 仏教では、人が亡くなってから7週間(四十九日)の間、7日ごとに故人の冥福を祈り、追悼する法要を行います。これを中陰法要といい、六七日は最初の節目となる重要な法要とされています。
お墓に関すること

お墓の方角に吉凶なし?知っておきたい「六向拝」

「六向拝」とは、お墓を建てる際に考慮するべき6つの方角と、それぞれの方角が持つ意味合いを示した考え方です。 「北枕」のように、方角によって吉凶があると考える方もいるかもしれませんが、六向拝ではどの方角にも良い面と悪い面があるとされています。 そのため、六向拝は一概に「この方角が良い」「この方角は避けるべき」といった判断基準ではありません。 むしろ、それぞれの意味合いを理解した上で、その土地や家の方位、故人や遺族の願いなどを総合的に判断し、最適な方角を選ぶための指針として捉えるべきものです。
寺院に関連すること

意外と知らない?葬儀の「花祭り」の意味と由来

「花祭り」と聞いて、色鮮やかな花々で飾られたお釈迦様の像に甘茶をかける、あの春の風物詩を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし実は、葬儀においても「花祭り」という言葉が使われることがあります。これは仏教用語の「花まつり」とは全く異なる意味を持つ言葉です。一体どのようなものなのでしょうか。 葬儀における「花祭り」とは、お通夜後、火葬場へ向かう前に、故人様を偲んで棺の中に生花を納める儀式のことを指します。「納棺の花入れ」や「別れの儀式」など、地域や宗派によって様々な呼び方があります。 この儀式は、故人様との最後のお別れとして、感謝の気持ちを込めて生花を贈り、冥福を祈る意味が込められています。そのため、単なる儀式としてではなく、故人様への想いを込めて行うことが大切です。
仏壇・仏具に関すること

知っておきたい葬儀のマナー:数珠の意味と使い方

葬儀や法要に参列する際、ほとんどの方が持参する数珠。しかし、なぜ数珠を持つのか、その深い意味まで理解している方は少ないかもしれません。今回は、葬儀における数珠の役割や、宗派による違い、正しい持ち方や扱い方について詳しく解説していきます。
仏壇・仏具に関すること

仏壇のルーツ? 厨子の歴史と役割

厨子は、仏像や経典などを安置するための、いわば小さなお寺のようなものです。寺院の本堂に対して、厨子は私的な信仰の場として、古くから人々の生活の中に息づいてきました。その歴史は古く、仏教が伝来した飛鳥時代まで遡ります。当時の貴族たちは、貴重な仏像を守るために、美しく装飾された厨子を作らせていたのです。現代の仏壇にも、この厨子の面影が色濃く残されています。
仏壇・仏具に関すること

葬儀の須弥壇:その意味と役割とは?

- 須弥壇とは何か? 葬儀に参列すると、祭壇の中央に一段高く設けられた場所があることに気付くでしょう。これが「須弥壇(しゅみだん)」と呼ばれるものです。須弥壇は、故人の霊魂が休息する聖なる場所と考えられています。 その由来は、古代インドの世界観にある「須弥山」という、世界の中心にそびえ立つ巨大な山にあります。仏教では、須弥山の頂上に仏様の世界があるとされ、須弥壇はこの須弥山を模したものとされています。そのため、葬儀においては、須弥壇を仏様の居場所として捉え、故人の霊魂が安らかに成仏できるよう祈りを捧げます。
仏壇・仏具に関すること

知っておきたい葬儀用語「霊屋」とは

「霊屋(れいおく)」とは、故人様が亡くなってから火葬までの間、安置させていただくお部屋のことです。葬儀場や寺院に設けられ、故人様を棺に納める「納棺」や、お別れをする「通夜」、読経をいただく「葬儀・告別式」など、さまざまな儀式が行われます。 宗教や地域によって「式場」や「安置所」など、別の呼び方をする場合もあるため、葬儀社に確認しておくと良いでしょう。 霊屋は、故人様が安らかに眠り、そして遺族が故人様と最後のお別れを惜しむための大切な場所といえます。
葬儀に関すること

二十七回忌ってどんな法要?基礎知識とマナー

二十七回忌とは、故人の方が亡くなられてから27年目の命日に行う法要のことです。三十三回忌、四十九日など、故人の冥福を祈り、追悼の意を表す法事はいくつかありますが、二十七回忌もその一つです。 仏教では、故人が亡くなってから7週間の間、7日ごとに閻魔大王の裁きが行われると考えられており、二十七回忌は最後の審判を受け、来世が決まるとても重要な節目とされています。
葬儀に関すること

意外と知らない?葬儀の「礼拝」:宗派による違い

葬儀における「礼拝」とは、故人の魂に敬意を表し、冥福を祈る宗教儀礼のことです。 一般的には、僧侶が読経や焼香などを行い、参列者はそれに倣って合掌や焼香を行います。 「礼拝」は仏式だけでなく、神式やキリスト教式など、それぞれの宗教・宗派によって形式や意味合いが異なります。 そのため、葬儀に参列する際には、その葬儀がどの宗教・宗派で行われているのかを事前に確認し、失礼のないように振る舞うことが大切です。
寺院に関連すること

意外と知らない黄檗宗のお葬式

黄檗宗は、日本仏教のなかでも比較的新しい宗派で、江戸時代初期に中国から伝わりました。開祖は、隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師という中国のお坊様です。 禅宗の一派に属し、坐禅や修行を重んじる点は他の禅宗と同じですが、中国明代の文化の影響を色濃く残している点が特徴です。 そのため、お葬式など、儀式や作法にも独特な部分が見られます。
葬儀に関すること

意外と知らない?冷照忌(三十三回忌)の意味と基礎知識

冷照忌(れいしょうき)とは、故人の三十三回目の命日に行う法要のことで、一般的に「三十三回忌」と呼ばれています。 この時期は、仏教においては故人が迷いの世界から完全に解脱し、悟りの境地に至るとされていることから、特に重要な法要とされています。
葬儀に関すること

輪廻転生:死後の世界への旅路?

輪廻転生は、魂が肉体の死後も存続し、別の生へと生まれ変わるとする考え方です。この概念は、古代から世界中の様々な文化や宗教で信じられてきました。輪廻転生において、魂は死後も消滅することはなく、新たな肉体を得て、何度もこの世に現れると考えられています。 輪廻転生は、カルマの法則と密接に関係しています。カルマとは、人の行動や思考の結果として生じる、一種の因果応報の法則です。良い行いは良いカルマを生み、来世で幸福な生をもたらすとされ、逆に悪い行いは悪いカルマを生み、来世で苦難に満ちた生をもたらすと考えられています。 輪廻転生の目的は、魂の成長と進化であると言われています。魂は、何度も転生を繰り返す過程で、様々な経験を通して学び、成長していくと考えられています。そして最終的には、輪廻の輪から解放され、悟りへと至るとされています。
葬儀に関すること

葬儀の読経:意味と種類、知っておきたい基礎知識

仏式の葬儀で読まれるお経は、ただ厳かな雰囲気を醸し出すためのものではありません。そこには、故人への感謝の気持ちを表し、迷いなくあの世へと旅立っていけるようにという願いが込められています。また、残された遺族にとっては、読経を通して故人を偲び、心を癒やす効果もあると言われています。
葬儀に関すること

知っておきたい遠方忌|十三回忌の意味とマナー

十三回忌は、故人の没後13年目の祥月命日に営む法要です。十三回忌は「遠方忌(えんぼうき)」とも呼ばれます。これは、昔は仏教の教えで、人が亡くなってから13年以上経つと、その魂は「浄土」と呼ばれる場所へ行き、私たちが住む世界から遠く離れてしまうと考えられていたことに由来します。つまり、十三回忌は、故人が迷わず浄土へたどり着けるように、そして、安らかに過ごせるようにと願いを込めて営まれるのです。
葬儀に関すること

知っておきたい葬儀の基礎知識|道号とは

仏教では、人が亡くなると俗世での名前(生前の名前)を捨て、仏弟子として新たな名前が与えられると考えられています。これが戒名と呼ばれるものです。そして、戒名の中でも特に、生前の信仰や功績が認められた人に与えられる特別な名前が「道号」です。 戒名は、一般的に「院号」+「戒名」+「位号」の構成ですが、道号は「院号」の代わりに用いられます。つまり、「道号」+「戒名」+「位号」といった形になります。 道号は、生前、信仰に厚く、社会的に貢献した人に対して贈られることが多いです。そのため、誰でも道号をいただけるわけではありません。 また、道号は、故人の人柄や生き様を表す言葉が選ばれることが多く、遺族にとっては、故人を偲び、その教えを心に刻む大切な指針となります。
葬儀に関すること

意外と知らない?遠波忌(七回忌)の意味とマナー

故人が亡くなってから6年目の命日を迎え、7回目の年忌法要を「遠波忌(おんぱき)」と言います。 「波が徐々に遠ざかっていくように、故人への悲しみが薄れていく」という意味が込められており、このことから「遠波忌」と呼ばれるようになったとされています。 一般的に、一周忌までは故人を偲んで悲しみに深く浸りますが、年数が経つにつれて、少しずつその悲しみを乗り越え、前向きに生きていくという気持ちの変化を表していると言えるでしょう。
葬儀に関すること

葬儀の導師ってどんな人?役割やマナーを解説

葬儀・告別式に参列すると、僧侶の姿を見かけることが多いでしょう。この僧侶は、仏式葬儀においては「導師」と呼ばれ、葬儀が滞りなく執り行われるよう、重要な役割を担っています。 導師の役割は、大きく分けると2つあります。1つ目は、故人が迷わずあの世に旅立ち、仏様になれるよう、お経を読み、儀式を執り行うことです。これは、いわば故人のための役割といえます。2つ目は、残された遺族の悲しみを癒し、心の支えとなることです。葬儀を通して遺族を精神的に支え、故人の死を受け入れ、前向きに生きていけるよう寄り添います。 このように、導師は故人と遺族の双方にとって、かけがえのない存在といえるでしょう。
葬儀に関すること

葬儀の謎解く「頭陀袋」、その役割と由来とは?

葬儀に参列すると、喪服姿の人々が一様に手にしている、小さな布製の袋。多くの人が目にしたことがあるでしょう。しかし、それが一体何なのか、疑問に思ったことはありませんか?その正体は「頭陀袋」と呼ばれるものです。 一見、ただの袋のように思える頭陀袋ですが、実は深い意味を持つ、葬儀には欠かせないものです。今回は、謎多き頭陀袋の役割や由来、そして知っておきたいマナーについて詳しく解説していきます。
葬儀に関すること

初めての故人との再会:新盆の基礎知識とマナー

人が亡くなってから四十九日が過ぎ、初めて迎えるお盆を「新盆(にいぼん)」または「初盆(はつぼん)」と呼びます。これは、故人にとって初めてあの世から家に戻ってくると言われている特別な時期です。そのため、普段のお盆よりも特に丁重に供養を行います。 新盆には、家族や親戚だけでなく、故人と親しかった友人や知人を招いて、僧侶にお経をあげてもらうのが一般的です。そして、故人の霊が迷わずに帰って来られるように、玄関先や仏壇に精霊棚を設け、盆提灯を灯します。また、故人が生前好んでいた食べ物や飲み物を供え、懐かしい話に花を咲かせながら、共に過ごした日々を懐かしみます。
葬儀に関すること

知っていますか?葬儀の言葉「新帰元」

「新帰元」とは、仏教用語で、人が亡くなってから四十九日後の忌明け法要のことを指します。 この時期は、故人の魂が迷いの世界から解放され、新たに仏の世界に生まれる、つまり「悟りの世界に還る」と考えられています。そのため、四十九日の法要を「新帰元会(しんきげんえ)」と呼び、忌明けを迎えた故人の冥福を祈ります。 近年では、従来の仏教用語よりも分かりやすい言葉を使う傾向があり、「新帰元」という言葉も、四十九日法要や忌明けといった言葉に置き換えられることが多くなっています。
寺院に関連すること

葬儀で知る律宗:5m超えの大仏と鑑真の教え

日本の仏教には様々な宗派が存在しますが、その中で「戒律」を重んじることで知られるのが律宗です。あまり聞き慣れない方もいるかもしれませんが、実は私たちに馴染み深い葬儀や戒名の文化は、この律宗と深い関わりを持っているのです。 律宗の総本山として知られるのが、奈良県にある唐招提寺。その広大な境内には、高さ5メートルを超える盧舎那仏坐像が鎮座し、訪れる人々を圧倒します。この盧舎那仏を建立したのが、中国から海を渡って戒律を伝えた高僧・鑑真です。今回は、鑑真の足跡を辿りながら、律宗の教えと、葬儀との関わりについて紐解いていきましょう。
寺院に関連すること

「御会式」って何? 日蓮の忌日を偲ぶ法要

「御会式(おえしき)」とは、日蓮宗の宗祖である日蓮聖人の命日である10月13日に、その生涯を偲び、教えに感謝する法要のことです。 日蓮聖人は1222年に生まれ、鎌倉時代中期に活躍した僧侶です。様々な苦難にも負けず、民衆救済のために「南無妙法蓮華経」の教えを広めましたが、1282年10月13日に70歳で亡くなりました。 日蓮聖人の死後、弟子たちはその教えを後世に伝えようと、命日に法要を行うようになりました。これが「御会式」の始まりとされています。
寺院に関連すること

お東さんってどんな宗派?葬儀の基本用語とマナー

浄土真宗は、鎌倉時代に親鸞聖人によって開かれた仏教の一派です。その教えは「悪人正機説」に代表され、どんな罪深い人でも阿弥陀仏の力によって救済され、極楽浄土に往生できると説いています。浄土真宗には、大きく分けて「西本願寺派」と「東本願寺派」の二つがあり、一般的に「お東さん」と呼ばれるのは「浄土真宗 東本願寺派」を指します。 本願寺は、もともと一つの宗派でしたが、1602年に教義解釈の違いなどを理由に東西に分かれました。教義の違いはわずかですが、本尊の掛け軸の形式や、仏壇の配置、お経の唱え方、法名につけられる言葉などに違いが見られます。 お東さんでは、ご本尊は「南無阿弥陀仏」の六字名号、脇掛は左に「親鸞聖人」、右に「蓮如上人」の掛軸をお祀りするのが一般的です。