音なき祈り「忍び手」の意味と作法
神道では、死は穢れと捉えられており、葬儀は故人の魂を清め、神様の御許へと送り届けるための儀式と考えられています。これは仏式の葬儀のように故人を偲び、冥福を祈るものとは根本的に異なります。
神道の葬儀は「神葬祭」と呼ばれ、仏式の葬儀に相当する儀式です。しかし、故人を仏様にすることを目的とする仏式とは異なり、神葬祭は故人の魂を「祖霊(それい)」へと導き、氏神様の御加護のもとで子孫を見守ってくださるよう祈りを捧げるものです。
神葬祭は、仏式とは異なる独自の作法や儀式が執り行われます。その中でも特徴的なのが、音を立てずに拍手をする「忍び手」です。これは、神様に対して失礼のないよう、静かに祈りを捧げるための作法です。
以降では、神葬祭における「忍び手」の意味や作法について、詳しく解説していきます。