盧舎那仏

寺院に関連すること

葬儀と華厳宗:東大寺の大仏に宿る教え

華厳宗は、7世紀にインドで成立し、8世紀に中国から日本へ伝えられた大乗仏教の一派です。その教えは、華厳経と呼ばれる膨大かつ壮大な経典に基づいています。華厳経は、釈迦が悟りを開いた直後、言葉ではなく、宇宙の真理をそのまま体現した「重重無尽」の世界を説いたとされます。 華厳宗では、この世界を「事事無碍法界」と呼びます。これは、あらゆる存在が互いに関係し合い、影響し合いながら、一つの調和のとれた世界を織りなしているという考え方です。そして、私たち一人ひとりが、この宇宙全体と同じように、無限の可能性と価値を秘めていると説きます。 華厳宗は、奈良時代に東大寺を拠点として栄え、国家鎮護の祈りを捧げる役割を担いました。東大寺の大仏は、華厳経の世界観を具現化したものであり、宇宙の真理と慈悲の象徴として、多くの人々の信仰を集めています。
寺院に関連すること

葬儀で知る律宗:5m超えの大仏と鑑真の教え

日本の仏教には様々な宗派が存在しますが、その中で「戒律」を重んじることで知られるのが律宗です。あまり聞き慣れない方もいるかもしれませんが、実は私たちに馴染み深い葬儀や戒名の文化は、この律宗と深い関わりを持っているのです。 律宗の総本山として知られるのが、奈良県にある唐招提寺。その広大な境内には、高さ5メートルを超える盧舎那仏坐像が鎮座し、訪れる人々を圧倒します。この盧舎那仏を建立したのが、中国から海を渡って戒律を伝えた高僧・鑑真です。今回は、鑑真の足跡を辿りながら、律宗の教えと、葬儀との関わりについて紐解いていきましょう。