葬儀用語

葬儀に関すること

「忌明」の意味と過ごし方とは?

「忌明(きみょう)」とは、故人の死を悼み、喪に服する期間である「忌中(きちゅう)」が明けることを意味します。一般的に、仏式の葬儀の場合、四十九日の法要である「忌明け法要(きあけほうよう)」をもって忌中が明け、忌明となります。 つまり、忌明とは、四十九日の忌明け法要後のことを指し、故人があの世から無事に成仏できたとされる期間を指します。この期間が過ぎると、喪服を着用せずに外出したり、友人との会食を再開したりするなど、日常生活に戻ることが許されるとされています。
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死後硬直:それはなぜ?葬儀との関係は?

死後硬直とは、人が亡くなった後、筋肉が硬直し、関節が動かなくなる現象です。これは、死後、体内のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が枯渇し、筋肉の収縮に必要なカルシウムイオンが筋肉細胞内に留まり続けることで起こります。具体的には、死後3~4時間後から始まり、12~24時間でピークを迎えます。その後、徐々に解けていき、通常は死後72時間後には消失します。死後硬直の進行速度や持続時間は、気温や筋肉量、死因などによって異なり、個人差が大きいのも特徴です。
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意外と知らない?忌中法要と中陰の基礎知識

「忌中法要」とは、仏教において故人が亡くなってから四十九日の忌明けまでに、故人の冥福を祈り、遺族の悲しみを癒すために行われる法要のことです。一般的に、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)の計7回行われます。 これらの法要は、それぞれ故人の死後、初めて迎える七日毎の節目であり、故人が迷わずに成仏できるように、また、残された遺族が故人の死を悼み、冥福を祈るための大切な儀式とされています。 法要は、僧侶をお寺や自宅に招いて読経してもらうのが一般的ですが、最近では葬儀場やホテルなどで僧侶に読経していただくケースも増えています。また、親族や故人と親しかった人たちを招いて、法要後に会食をする「お斎(おとき)」を行うこともあります。
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「死に水」の意味と由来、そして現代における実践

「死に水」とは、人が亡くなる間際、あるいは亡くなった直後に、唇を湿らせるために与える少量の水のことです。古くから日本で行われてきた習俗であり、宗教的な意味合いだけでなく、医学的な根拠に基づいた側面も持ち合わせています。
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葬儀社の「施行」って? 知っておきたい葬儀用語

葬儀社のチラシやウェブサイトを見ると、「施行実績〇件」といった表現を目にすることがあります。「施行」とは、葬儀全般における業務を執り行うことを指します。 具体的には、葬儀の打ち合わせから、式場設営、お通夜や告別式、火葬、納骨までの段取り、進行を取り仕切ります。また、僧侶や火葬場とのやり取り、死亡届の提出代行なども含まれます。 つまり、「施行実績〇件」とは、その葬儀社がこれまで何件の葬儀をトータルでサポートしてきたかを表す指標と言えるでしょう。近年では、家族葬など葬儀の形式も多様化しています。そのため、施行実績が多い葬儀社は、様々なケースに対応してきた経験とノウハウがあると期待できます。
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意外と知らない?喪主の役割と決め方

喪主とは、葬儀・告別式において中心となる役割を担う人のことです。葬儀を取り仕切り、参列者への挨拶や、葬儀費用の支払いなどを行います。地域や宗教によって呼び方が異なり、「施主」「喪家」「葬家」と呼ばれることもあります。
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知っておきたい「喪中」のマナーと基礎知識

「喪中」とは、近親者を亡くしたことにより悲しみに暮れている期間のことを指し、一般的には一年間を mourning period とされています。そして、この喪に服している家のことを「喪家」と呼びます。喪中は、故人を偲び、静かに過ごす期間とされています。そのため、お祝い事への参加を控えたり、華やかな服装を避けるなど、いくつかの伝統的なマナーが存在します。
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知っておきたい葬儀の基礎知識:『祖霊』とは?

私たち日本人は古くから、目には見えない存在である『祖霊』を敬い、感謝の気持ちを捧げてきました。この章では、葬儀と深い関わりを持つ『祖霊』について解説していきます。『祖霊』とは、一言で表すと『私たちの先祖の霊』のことを指します。 generations に渡って続いてきた家系、その歴史を築き上げてきたご先祖様たちの魂は、亡くなった後も私たちを見守り、支えてくれていると信じられています。そして、私たちはその恩恵を受けて今を生きているのです。 目には見えなくとも、確かに存在を感じ、感謝の念を抱く対象、それが『祖霊』なのです。
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意外と知らない「仏教会」の世界

仏教といえば、お寺や僧侶、お葬式やお仏壇など、私たちの生活に深く根付いているイメージがありますよね。しかし、「仏教会」と聞いて、具体的にどのような組織なのか、説明できる人は少ないのではないでしょうか? 実は、「仏教会」とは、特定の宗派のお寺が集まって構成された「宗教法人」のことを指します。つまり、私たちがよく知る「お寺」は、この「仏教会」という組織に所属しているのです。そして、「仏教会」は、仏教の教えを広める、僧侶の育成や寺院の管理を行う、仏教行事や儀式を執り行うなど、様々な活動を行っています。
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最後のお別れ「お別れの儀」とは

「お別れの儀」は、故人との最後のお別れをするための儀式です。 一般的には、火葬場へ向かう前に葬儀場や自宅で行われ、故人とのお別れの時を共有し、冥福を祈ります。 宗教や地域、葬儀の形式によって内容や名称は異なりますが、故人を偲び、感謝の気持ちを伝える大切な時間です。
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葬儀の「四華花」とは?意味や由来を解説

四華花(しかか)とは、葬儀や法要の際に飾られる、4つの花を組み合わせた装飾のことです。 「華」は生花だけでなく、造花が使われる場合もあります。 主に仏教式の葬儀で用いられ、宗派によって、また地域や葬儀社によって、飾り方や使用する花の種類が異なる場合もある点は留意が必要です。
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葬儀の「四華」とは?意味や由来、設置場所を解説

葬儀に参列すると、祭壇や棺の周りに美しく飾られた花々に目を奪われることがあります。これらの花は故人への哀悼の気持ちを込めて供えられるものですが、中には特定の名で呼ばれるものもあるのです。その一つが「四華」です。 四華とは、葬儀の際に祭壇や棺の四方に飾られる、主に菊の花でつくられた大きな花飾りのことを指します。古くから日本で行われてきた葬儀の伝統的な装飾の一つであり、厳粛な雰囲気を漂わせる一方で、どこか故人を偲ばせるような美しさも持ち合わせています。
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知っておきたい葬儀後の大切な儀式: 還骨法要とは

還骨法要(かんこつほうよう)とは、火葬後の遺骨の一部(喉仏の骨)を骨壺から取り出し、お墓に納める儀式のことです。一般的には四十九日法要と併せて行われることが多く、地域や宗派によっては「喉仏抜き」「骨上げ法要」などと呼ばれることもあります。 この儀式には、故人の魂が遺骨とともに安らかに眠れるように、そして遺族が故人の死を改めて受け止め、偲ぶという意味が込められています。また、浄土真宗のように、遺骨を土に還すことで故人が極楽浄土に往生したと考える宗派もあります。
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還骨回向とは?知っておきたい葬儀の流れと意味

還骨回向とは、火葬を終えた後に執り行われる儀式のことです。 骨上げの後、僧侶が読経を行い、遺骨を骨壺に納めます。この際、故人の成仏を願い、冥福を祈ります。 還骨回向は、宗派によって「骨壺回向」「納骨回向」「骨葬」「精霊回向」など、様々な呼び方をされます。 一般的に、葬儀と火葬が同日に行われる場合、火葬場にて還骨回向が行われます。 しかし、葬儀と火葬が別日に行われる場合や、地域によっては、自宅や寺院で還骨回向を行うこともあります。
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知って納得!葬儀と『先負』の関係

「先負」は、先手を打つと負けてしまい、後から行動を起こすと良いとされる日です。六曜の一つで、暦注と呼ばれる暦に記載される注釈のようなものの一つです。 穏やかに過ごすことが吉とされており、行動するなら何事も急がず、ゆったりと構えることが大切です。 一方で、勝負事や急ぎの用事は避けた方が良いとされています。 これは、先負が「先んずれば即ち負ける」という考え方に基づいているためです。
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葬儀後の「お清め」の意味とは?

葬儀の後は、故人の魂の安らかな旅立ちを願い、残された者が再び前向きに生きていくために、「お清め」の儀式を行います。この「お清め」には、大きく分けて二つの意味合いがあるとされています。 一つ目は、葬儀によって身に付いたとされる「けがれ」を祓い清めるという意味です。古来より日本では、死は穢れをもたらすと考えられてきました。そのため、葬儀に参列した人はもちろん、故人と近しい関係にあった人々は、この「けがれ」を落とすためにお清めの儀式を行う必要があったのです。 二つ目は、故人の死をしっかりと受け止め、気持ちの区切りをつけるという意味です。葬儀という大きな節目を経て、残された家族や親族は、故人の死を改めて実感し、深い悲しみや喪失感に襲われます。お清めは、こうした感情を整理し、前向きに生きていくためのけじめとして、重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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葬儀と山の幸:その意味と由来

仏教では、人は亡くなるとあの世に旅立つとされ、その旅路の無事を祈るのが葬儀です。そして、四十九日の忌明けには、故人の魂が無事成仏できたことを喜び、冥福を祈る法要を行います。この法要を開眼供養と呼びますが、その際に、山菜やキノコなど、山の幸をお供えする風習が日本の各地に見られます。では、なぜ山の幸が開眼供養に供えられるのでしょうか?そこには、古くからの信仰と、日本人の自然に対する畏敬の念が深く関係しています。
葬儀に関すること

知って納得!葬儀と「先負」の関係

「先負(せんぶ/さきおくれ)」という言葉を耳にしたことはありますか? カレンダーを見ると、大安や仏滅などと並んで記載されている、あの六曜の一つです。 先負は、午前中は「先んずればすなわち負ける」とされ、行動するのにあまり適さない時間帯とされています。 一方で、午後からは「先んずればすなわち吉」となり、積極的な行動が吉とされています。
葬儀に関すること

知っておきたい「棺前」の意味と宗教ごとの違い

「棺前」とは、故人が棺の中に納められている場所のことを指します。具体的には、通夜や葬儀・告別式の際に、棺が安置されている場所全体を指す場合もあれば、故人とのお別れの場として、棺の周囲に集まることを指す場合もあります。 一般的には、故人と縁の深かった人が集い、最後のお別れをする場所として認識されています。 「棺前」という言葉は、宗教や宗派によって意味合いが異なる場合があるので、注意が必要です。
葬儀に関すること

葬儀の「お釈迦様」って誰のこと?

日本の葬儀では、仏教の教えや儀式が深く関わっています。お葬式で読経が行われたり、お仏壇にお供え物をしたりする光景は、私たちにとって馴染み深いものです。 しかし、なぜ日本の葬儀に仏教が深く根付いているのでしょうか?その歴史を紐解くと、仏教が日本に伝来した時代まで遡ります。飛鳥時代、仏教は国家鎮護の教えとして受け入れられ、その後、時代を経るごとに広く民衆へ浸透していきました。 特に、死後の世界や魂の救済といった仏教の教えは、死を恐れる人々の心に寄り添い、大きな支えとなっていったのです。そして、仏教の教えに基づいた葬儀は、故人を偲び、冥福を祈るための大切な儀式として、現代まで受け継がれているのです。
仏壇・仏具に関すること

葬儀の折敷:その意味と使い方

「折敷」とは、葬儀や法要の際に、香典や供物、供え物を載せるための台のことです。一般的には、木製の漆塗りで、四角形の形をしています。 折敷は、単なる台ではなく、神聖な儀式と故人への敬意を表すための大切な道具とされています。そのため、葬儀に参列する際には、折敷の意味や使い方を正しく理解しておくことが重要です。
葬儀の準備について

知っておきたい棺桶の種類と選び方

棺桶に使われる素材は、見た目の美しさだけでなく、それぞれに意味が込められています。 古くから日本で親しまれてきたのは、モミや桐などの木材です。 モミは、その香りが邪気を払うとされ、神聖な木として扱われてきました。また、桐は、軽量で湿気を逃がしやすい性質から、大切なものを保管するのに最適とされてきました。そのため、故人様を安らかに送るための棺桶の素材として、これらの木材が選ばれてきました。
葬儀に関すること

知っておきたい「棺」の基礎知識

- 棺とは? - その役割と歴史 「棺」とは、亡くなった方を納め、埋葬または火葬するために用いる容器のことです。古来より、人は亡くなった方を丁重に弔うために、様々な形の棺を用いてきました。 その歴史は古く、日本では縄文時代にはすでに土器製の棺が用いられていたという記録が残っています。時代が進むにつれて、木棺や石棺なども登場し、それぞれの時代背景や文化によって、その形状や素材は変化してきました。 棺は、単なる容器ではなく、故人との最後のお別れの場であり、魂を来世へと送り出すための神聖な場所でもありました。そのため、時代や地域によって、様々な装飾が施されたり、特別な儀式が行われたりするなど、その文化は多岐に渡ります。 現代においても、棺はその役割を大きく変えることなく、故人との最後の時間を共にし、その死を受け入れるための重要な役割を担っています。
お墓に関すること

意外と知らない「廟所・廟堂」の意味

「廟所」と「廟堂」は、どちらも神聖な場所を指す言葉ですが、その意味合いには微妙な違いがあります。 「廟所」は、主に祖先を祀るための建物や場所を指します。具体的には、神社や寺院にある本殿や拝殿、あるいは墓地にあるお墓などが挙げられます。 一方、「廟堂」は、より広義に、国家的な祭祀を行う場所や、政治を行う重要な場所を指します。古代中国では、皇帝が政治を行う宮殿などを「廟堂」と呼んでいました。 つまり、「廟所」がどちらかというと私的な信仰の場であるのに対し、「廟堂」は公的な、権威や権力と結びついた場所というニュアンスの違いがあると言えるでしょう。
葬儀の準備について

映画だけではわからない「おくりびと」の仕事

2008年の映画『お departed 』の大ヒットで、一躍その名が知られるようになった「おくりびと」。故人の体を棺に納めるまでの儀式である「納棺」を執り行う、いわば「旅立ちの案内人」です。映画の中では、その仕事の厳粛さと、同時に残された家族への温かい配慮が描かれ、多くの人の心を打ちました。 しかし、映画で描かれたのはあくまでも一側面。実際の「おくりびと」の仕事は、納棺以外にも、葬儀の準備や進行のサポート、遺族への心のケアなど、多岐にわたります。今回は、映画だけではわからない、「おくりびと」の仕事内容について、詳しく解説していきます。
葬儀に関すること

三回忌の基礎知識:意味、時期、マナー

三回忌とは、故人の命日から満2年目、つまり亡くなってから3回目の祥月命日に行う法要のことです。仏教では、亡くなった日から7日ごとに法要を行い、故人の冥福を祈るとされています。なかでも、特に重要な法要とされているのが、一周忌と三回忌です。 三回忌は、故人が迷わずあの世にたどり着き、成仏できたことを確認する意味合いがあります。また、残された遺族にとっては、故人を偲び、生前の思い出を語り合う大切な機会となります。