意外と知らない?在来仏教13宗派と歴史
葬儀を教えて、
先生、「在来仏教」って、日本の仏教の宗派すべてのことですか?
葬儀スタッフ
いい質問ですね。実は、日本の仏教の宗派すべてを指すのではありません。在来仏教は、鎌倉時代あたりまでに日本に伝わって広まった仏教宗派を指します。例えば、浄土真宗や日蓮宗などがこれにあたります。
葬儀を教えて、
じゃあ、鎌倉時代より後にできた宗派は、在来仏教じゃないんですか?
葬儀スタッフ
その通りです。鎌倉時代より後にできた宗派は、一般的に「新仏教」と呼ばれます。また、仏教とは別に新しくできた宗教は「新興宗教」と呼ばれます。葬儀の形式も、在来仏教、新仏教、新興宗教でそれぞれ異なる部分があるので、覚えておくと良いでしょう。
在来仏教とは。
「在来仏教」とは、葬儀の際に用いられる用語の一つです。13宗派からなり、最も新しい時宗でも1276年に設立された歴史あるものです。これらの宗派は、古くから日本で広く信仰されてきました。一方で、これらの在来仏教以外の宗派は、新興宗教などと呼ばれることがあります。
在来仏教とは?
私たちが普段「仏教」と聞いてイメージするものは、実は大きく分けて2種類あります。一つは、中国から伝わった仏教を日本で独自に発展させた「在来仏教」、もう一つは、近代以降にスリランカやタイなどから伝わった「南伝仏教」です。
この章では、13もの宗派を持つほど多様性に富んだ在来仏教について、その歴史や特徴を詳しく見ていきましょう。
13宗派とその特徴
仏教は大きく分けて大乗仏教と上座部仏教に分けられますが、日本で発展した仏教はほぼ全てが大乗仏教に属します。そして、その教えは時代と場所、人々の必要性に応じて変化し、現在私たちが目にする仏教は13もの宗派に分かれています。
それぞれの宗派は、開祖や教えの中心となる経典、そして信仰の対象などが異なります。例えば、私たちにも馴染み深い「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで極楽浄土への往生を願う浄土宗、浄土真宗、時宗。厳しい修行を通して悟りを目指す禅宗。法華経を根本経典とする日蓮宗など、その教えは多岐に渡ります。
次の章では、それぞれの宗派について、もう少し詳しく見ていきましょう。
時宗の設立と在来仏教の成立
鎌倉時代は、まさに仏教の新しい波が押し寄せた時代と言えるでしょう。それまでの仏教は、一部の貴族や僧侶のためのものという側面が強かったのですが、鎌倉時代に入ると、民衆の間に広く浸透するようになりました。
その流れを決定づけたのが、法然、親鸞、栄西、道元、日蓮といった、いわゆる「鎌倉新仏教」の祖師たちです。彼らは、それぞれ独自の視点から仏教を説き、当時の社会状況に苦しむ人々に救いの道を示しました。
一遍によって開かれた時宗も、この鎌倉新仏教の一派です。時宗は、念仏を唱えることで誰もが平等に救われるという「易行念仏」を説き、多くの民衆の支持を集めました。このように、鎌倉時代には、新しい仏教宗派が次々と誕生し、その数はなんと10派にも及びます。そして、これらの新仏教と、それ以前から存在していた奈良仏教の6宗派を合わせて、日本で信仰されてきた16の宗派を「在来仏教」と呼ぶようになりました。
新興宗教との違いとは?
仏教には、伝統的な宗派と、比較的新しい時代に設立された新興宗教と呼ばれるものが存在します。在来仏教は、お釈迦様の教えが中国から日本に伝わり、長い歴史の中で発展してきた宗派を指します。一方で、新興宗教は、江戸時代末期から現代にかけて、新しく設立された宗教団体です。
新興宗教は、既存の仏教の教えを基にしながらも、開祖と呼ばれる人物の独自の教えや解釈が加えられている点が特徴です。また、現代社会の問題や人々の悩みに寄り添った実践的な教えを説く傾向があります。一方で、在来仏教は、長い歴史の中で経典解釈や儀礼が体系化され、教義や信仰の面で新興宗教と比べて、より伝統的な側面が強いです。
しかし、新興宗教と在来仏教を明確に線引きすることは難しい場合もあります。なぜなら、時代の変化や人々のニーズに合わせて、在来仏教もまた、その教えや活動を変化させてきたからです。大切なのは、それぞれの宗教の成り立ちや教えの違いを理解した上で、自分自身の信仰のあり方を探求していくことと言えるでしょう。
現代社会における在来仏教の役割
現代社会において、在来仏教は宗教としての枠を超え、人々の心の拠り所として重要な役割を担っています。特に、葬儀や法要など、人生の節目となる儀式を通じて、人々に寄り添い、心の平安を与える存在として、その存在意義を示しています。また、近年では、座禅や瞑想など、仏教の教えを日常生活に取り入れることで、ストレスを軽減し、心の安定を図るなど、現代社会のニーズに合わせた活動も広がりを見せています。さらに、地域コミュニティの中心として、人々をつなぎ、地域社会の活性化に貢献している寺院も多く見られます。このように、在来仏教は、長い歴史の中で培ってきた教えや文化を活かしながら、現代社会においても重要な役割を果たし続けています。